【完結】ただのADだった僕が俳優になった話

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目の前で人が死ぬ

殺している人は瞳に何も映していないように見える

綺麗な顔が返り血でより鮮やかになる


『お前………わざわざ出てくるなんて馬鹿なのか?それとも死にたいのか?』


息絶えた人から手を離し綺麗な男は俺を見た


真っ黒な服に身を包んだ男はゆっくりと近づいてくる





『………殺したいなら殺せばいい』



いや

いっその事殺してくれないだろうか


俺の目の前まで来た男は、俺と目線を合わせる為か腰を折る


なかなか高身長な男だ

細身ながらもヒョロっとした感じではない

黒尽くめの服の下はきっと彫刻のような筋肉を纏っているのだろう


『………殺されたいのか』


男の言葉は、問いなのか独り言なのか…


俺は答えない


ただ男の目を見つめるだけだ




ひやりとした感触が頬を伝う


男の指だ


『お前は……殺さない。』


腰に腕を回されグッと引き寄せられた


冷たい指先からは想像ができないほど、男の身体は熱かった


抱き締められた先に見えたものは、真っ赤な血を流し動かなくなった人達だった








「カーット!!」





監督の声にふと現実に戻ってくる

抱き締められていた体が離される

「チェックするから2人ともこっち来て」

監督に言われセットから出る




この撮影現場では大型テレビが用意されていて、パソコンに繋がれているためその大画面で今撮ったばかりの映像を確認する事ができる

現場のスタッフ達も手を止めその大画面を見ていた

先程のシーンが流れる


カメラを意識するなと言われていたから、僕はカメラアングルを知らされなかった

大画面で見て初めてこんな風にカメラが動いてたのかと知った



「おぉ~………これ程までとはなぁ………」

監督が頷きながらボソッとこぼす

パチーーーパチパチーー

誰かが手を叩いた

と思ったら、その音はどんどん膨れていく

大きな拍手がスタジオに響いた


「すげー!」

「やば、鳥肌たった!!」

あちらこちらから上がる声にポカンとしてしまう



「彼方、お前に『咲夜』を任せて正解だった。改めてよろしくな。」

監督が差し出した手を見、すぐに監督の顔を見る

満足気に笑う監督の差し出した手を、おずおずと握った

「…よろしくお願いします」



「さあ~って!次々撮っていくぞー!!」

「「「おぉー!!!」」」

監督の声にスタジオのあちこちから声が上がる

NGにならなかった事に安堵はしたものの、戸惑いの方が大きい

なぜなら、叶響が台詞を『死にたいのか』ではなく『殺されたいのか』に替え、僕は次の台詞を言わなかった

叶響はそんな『咲夜』を抱きしめた

台本にはそんな事書かれていない

けど………『咲夜』にはあっちのほうが自然だと思ったんだ




「彼方」

振り返ると叶響がペットボトルを差し出してきた

お礼を言って受け取る

「あの………すみませんでした。台詞…」

「謝る必要はないよ。凄く良かった。」

叶響はフッと笑った

「『咲夜』の目が『死んでも生きててもどっちでも良い』じゃなく『殺してほしい』って言ってるような気がして台詞を変えた。
『咲夜』は取り繕うという感情を持っていないから答えなかったんだろう。
俺が演じる『華月』はそんな『咲夜』を殺したくないって思った、それだけの事だ。」

確かに最終的に話は変わっていない

本来の台本では、『死にたいのか?』と聞かれ『どうしてそう思うの?』と聞き返す
その問いに毒気を抜かれた『華月』は殺気をおさめ『お前は殺さねーよ』と投げやりに言う
沈黙した後、『華月』は『行くぞ』と『咲夜』に声をかける
『咲夜』は何も言わずその背についていく


あれ、全然違うくないか?


「次の『華月』と『咲夜』のシーンに影響はない。逆にあの演技のほうが伏線回収に無理が生じないだろう。
それに脚本家からは台詞を変えたりアドリブを入れる許可は出ている。
ただ台詞を読むのではなく命を吹き込んで欲しいと言われてる。どういうことか、彼方はわかる?」

「……そう…ですね。
その登場人物が物語ではなく実在していたら、話し方や考え方、立ち振る舞いは台詞をただなぞるだけでは伝わらない…特に今回の台本はまるで小説を読んでいるように思いました。
口調が一定で、まるで説明を挟むような…何だか不自然な部分が何ヶ所かあって……」

確かに、台本を読んでいて、伏線回収の所で多々ワンクッションいるんじゃないか?と思った所があった
けど台本にまでADが口を出すことはできないから、ちょっとモヤモヤしていた
せっかく良い映画なのだから、完璧なものを一緒に創り上げたかった

ふと友人に言われた『完璧主義』という言葉が脳裏に浮かぶ

確かに僕は完璧主義なのかもしれないなと思った

「うん、よく台本を読み込んでるね。ドラマの時はこんな事無かったんだけどね。
今回の映画は、『台本も俺達役者やスタッフが手を入れることによって完成する』って脚本家の先生が言ったんだよ。
だから顔合わせの時に異例の会議が行われた。
これから撮影が進むにつれ、何度か会議をする事になると思う。
その時はADとしてでは無く、彼方も役者として意見を出して欲しい」


叶響の優しい笑顔に戸惑いながらも頷いた






撮影はこの1週間と違い、順調に進んでいた

僕の出るシーンは今日は後4シーン撮影すれば終わる

けど物語に沿って撮影する訳じゃないから前後の心の動きを現さなければならない

その4シーンの部分が書かれている部分と前後を何度も読み返す

シーン160と161はセットが同じな為、前後のシーンを続けて撮るという事だった

『華月』と『咲夜』だけのシーンだ

『咲夜』が初めて【感情】を表に出すシーン

何故『咲夜』が感情を出すのか…

警察が『咲夜』について調べ始め『華月』の事も、少しずつわかり始めてきた

それを『咲夜』が知り『華月』の元を去ろうとするシーンだ



『咲夜』は何故去ろうとするのか


この映画はドラマと同じで主人公は『華月』だけど物語を進めるのは警察側だ
だから、『華月』と『咲夜』がどんな会話をし、関係を深めて行くのかは描かれていない
ドラマと違い、映画で描かれる『華月』のシーンは『華月』がターゲットを殺す場面が主だ
『華月』と『咲夜』の関係性や2人のバックボーンは役者が限られたシーンで表現しなければならない
そして観る者に違和感を与えず、受け入れさせなくてはならない…


この時『咲夜』と『華月』はどんな関係になっていたのか……


『殺さない』と言った『華月』

何故あの時『殺さない』と判断したのか…

警察が調べれた『華月』の経歴はほんの少し

幼い頃からマフィアの世界に身を置いていた事

今は巨額の金で依頼を受け殺人を繰り返している事

でもそれは全て物的証拠の無いもの

噂の範囲をでないものだった

だけど、殺人の現場に居合わせた者も、容赦なく殺してきた『華月』が『咲夜』だけ生かした

『咲夜』だけが例外だった


何故『咲夜』は例外だったのか…

僕が『咲夜』なら…………






1時間後、ADの先輩が呼びに来てくれた

衣装を替え、スタジオに入る

セットは豪華なホテルの一室を大道具と小道具が見事に再現していた

「よろしくお願いします。」

深々と頭を下げて監督の元へ行く

監督の横には髪を濡らしバスローブを着た叶響

このシーンは『華月』がシャワーから出てきた所から始まる

「彼方、今回もカメラアングルは気にしなくていい。こちらも撮りたい部分を勝手に撮るから。」

「…わかりました。」



「『咲夜』」

叶響に呼ばれ視線を向ければ、じっと僕の顔を見ている

先程とは違う、何か欲を孕みながらも大切なものを見る様な目

何だ……?なんかゾワゾワする………

………そうか……これは『華月』が『咲夜』を見る目なんだ

叶響はこう演じるつもりなんだ…

だから『咲夜』は…あの時………なるほど…


僕は叶響を怖いと思った

いつから『華月』としての心を持ち『咲夜』との初対面のシーンに挑んだのか

だからこその台詞

だからこそ抱き寄せたんだ

僕が台詞を言わないことも想定してたんだろう




それならば…僕は叶響が求める『咲夜』になろう




「『華月』……」


『華月』の側へ寄り添い彼を見上げる

『華月』はほんの少し目元を緩めた




「はい、じゃあ2人ともスタンバイしてー」


監督の声にセットへ入る

ダブルベッドに腰かけドアをじっと見つめる

そのドアは洗面所へと続くドアだ



「シーン160……スタート」

カチンーーーーーー







ガチャ

濡れた髪をタオルで拭きながら『華月』が出てくる


『……寝てなかったのか』

緩く着たバスローブは胸元が開け雫がその胸を滑り落ちる

色気を放つ『華月』を見つめたまま俺の心は深い深い海の中にいた

『………どうした。何を考えている?』

『華月』は隣に座り俺の顎に指を掛け顔を上げさせる

『………俺…………………………』

本当は嫌だ

でもそれしか今の俺には『華月』に迫る危険を排除できない


『……クックック……』

『華月』は珍しく笑いだした

『『咲夜』、俺から離れて、奴らの手が伸びなくなるとでも?』

片腕を捕まれベッドにぶん投げられた

ベッドのスプリングが音を立てる


『少なくとも、足手まといはいない方がいい』

淡々と答えると、俺の体に乗り上げた『華月』は顔の横に両手をつき顔を近づけてきた

あと少しで鼻が触れ合いそうな距離だ

『お前が俺から離れたら、奴らは必ずお前を追うぞ。お前を捕まえて、俺を誘き出す餌にするだろう。』

『…例え捕まっても、相手は警察だ。下手な事はできないだろう』

『どうだろうな?奴らは俺を捕まえる為なら多少の犠牲は払っても良いと、上から指示が出たようだぞ。『咲夜』が捕まれば何をされるかわからない』

『…………それでも…』

『お前が捕まれば、俺は迎えに行く』

『駄目だ!!』

初めて大きな声を出した

『駄目じゃない。お前は俺の心臓だ。側に居ようと離れていようと変わらない。お前を拾った時に決めたんだよ。』

優しい、でも獲物を狙うような目で俺を見る『華月』

『……あんたは馬鹿だ…………』

『そうかもな』


そう言って『華月』はそっと額にキスをした


俺の目から涙が溢れた


『華月』の首に腕を回し抱きつくと、『華月』も俺をギュッと抱きしめてくれた

















「カット」




静寂の中監督の声が聞こえた

僕達は腕を離し、叶響は僕の上から退くと僕を起こしてくれた


「チェックすんぞ」

監督の声に慌ててパソコンを弄る助監督

僕達は大画面へ向かった




映し出される先程のシーン

他者の目線で映し出される僕達は、まるで恋人同士の様に見えた

『華月』を想い、離れようとする『咲夜』と、自分の為に去ろうとする『咲夜』を絶対に手放さないとする『華月』

台本には描かれていない2人の関係がこのシーンで想像する事ができるだろう



「はー………お前達打ち合わせでもしたのか?」

監督の言葉に首を傾げる

「してませんよ。そんな時間ありませんでしたから。」

叶響の言葉に僕も頷く

「それでよくこの演技ができたもんだな。脚本家の意図を理解できてないと、この演技にはならんだろう。」

呆れたように笑う監督に、余計首を傾げる

脚本家の意図ってなんだ?

「台本を読んだ時、違和感があったんですよ。人に興味を持たない『華月』が何故『咲夜』だけ殺さずに側に居る事を許したのか……
許したんじゃなく、求めたのだとしたら……と考えれば最後のシーンにも納得がいったんで。」

「いやー……その意図に気づいたら、役を降りるって言われるかと思ってたがなぁ…事務所的にも……」

「事務所にはちゃんと伝えてますよ。最初は反対されましたが、彼方と演じれるなら構わないと押し通しました。」

「え…?」

まさか自分の名前が出るとは思わず驚く

「俺の中では、『咲夜』をやるのは彼方だったから。それに彼方ほど台本を読み込んでなきゃ、脚本家の意図に気づきもしなかっただろう。
俺が演技で誘導してもこの絵は撮れなかっただろうね。」

僕が置いたままにしていた台本を指差し叶響はクスリと笑った

僕の台本は何度も読み返したせいか、既にボロボロだった

役者ではないけど、裏方としてのミーティングもあったし、役者がどう演じるのか、何パターンも考え意見を出し合っていた

そのため台詞の所にマーカーを引いたりもしてある

「確かに、誰よりも台本を読み込んだようだなぁ」

監督からもそんな事を言われ急に恥ずかしくなる

「ADであっても、一緒に作品を作り上げるって気持ちの表れですね…嬉しいなぁ……」

いつの間に近くに来ていたのか、助監督がニコニコしている

「えっ……と……」

なんて返せばいいのか言いよどんでいるとすぐに話は変わっていた

「監督、次のシーンなんですけど……」

監督と助監督は次のシーンの話しをし始めていたので、僕は台本を取りその場をあとにした


次のシーンはさっきの続きになるシーン

2人が起きて、依頼された仕事へ向かうまでのシーンだ

何の変哲もないシーンだけど、『咲夜』と『華月』が互いに初めて感情を相手に見せた後のシーンになる

今までとは同じようで同じではない

2人の関係が変わった次の日でもあるんだ




そう、『華月』と『咲夜』は互いに愛し合っている

同性愛をまさかぶっ込んでくるとは思ってなかった
最初は『咲夜』は『華月』を家族の様に想っているのだと思っていた

けど台本を読んで行くと、それだと話が進むにつれて違和感を覚えた

まさかとは思った

でも、さっきのシーンを撮る前に叶響に『咲夜』と呼ばれた時のあの目…あの目は家族に向ける目なんかじゃなかった

優しくも目の奥にはドロドロとした欲望が渦巻いている目

普通の恋や愛じゃない

所謂【ヤンデレのヤン】の部分だけ

そんな感情を隠す様な、優しさを重ねた目だった

だからこそ『咲夜』も家族愛なんかじゃなく、同じ気持ちで向き合わないといけないと思った

僕は恋なんてしたことがなかった

どんな表情をすれば良いかなんてわからなかった

けど、『華月』が愛しているのは僕じゃなく『咲夜』だから…

『華月』の気持ちと同じ気持ちを、返せると思った








「はーい、次のシーン行くよー!!その前にみんな集まってー」

監督の集合にスタッフも、出番の無い俳優陣も集まる

「さっきのシーンを見てわかったと思うけど、『華月』と『咲夜』の間には【愛】がある。
だからといって、そこをクローズアップする事は無いが、隠す事もしない。
先程のシーンは、初めて相手に自分の気持ちを互いに表すシーンだ。
表したと言っても、『咲夜』は大きな声を出し泣いただけ、『華月』は額にキスをしただけ……だが誰もが、あの2人の表情で2人の気持ちが痛いほど伝わっただろう。
次のシーンはその続きになる。
2人には少し絡んでもらう事にしたから、カメラアングルに気をつけてほしい。
カメラマンと照明は確認作業に入ってくれ。」

そう監督が説明する

…絡んでもらうって…………何するんだ?

他のスタッフ達もざわついている

「ちょっと2人とも、動きのリハーサルだけしよう」

助監督に促されセットへ入ると、叶響にはバスローブを脱いでベッドへ入るよう指示が出る

僕の服も上だけ脱いで同じくベッドへ

叶響に腕枕され抱き込められる

…………この体制はなかなかのもんだぞ…

「この体制からスタートしてもらって、台詞を言いながらここに用意してる服を着てほしいんです。
本当はコマ撮りしようと思ったんですが、いったんそのまま通しで撮ります。
台詞の間とか難しいようでしたら、コマ撮りに替えるのでよろしく。」

えー…このシーン、そんなに台詞ないんだよ……

着替えながらにしても間を繋ぐってなると、アドリブ入れるしかなくないか?

あー…でも最初のシーンで、すでにアドリブしまくってるから今更か…


ベッドの中で助監督の説明を聞いている内に、ちょっとだけ睡魔が襲ってくる

昨日レポートをする為に遅くまで起きていたせいだ…

叶響の体温が高いせいか眠気を誘われる

カメラマンや照明さんが確認作業を行っている間、僕達は同じ体制のまま待機させられていた

「じゃあ始めるよー!スタートして少ししてから台詞お願いね!」

遠くで監督の声が聞こえた気がした

あぁ、このまま始めるのか………

僕の意識はそこで途絶えた







「シーン161…スタート」

カチンーーーーーー











『………『咲夜』……………『咲夜』起きろ』

何か低くて心地良い声が聞こえる

でももう少し寝かせてほしい…

この安心感のある温もりを手放すのは惜しい…


『…『咲夜』』


咲夜…?

あ…そうだ……俺は『咲夜』だ………


『んっ………『華月』……』

『おはよう。目醒めたか?』

優しく頭を撫でられ、ゆっくりと目を開ける

『んー……うん…』

『まだ眠たそうだな…』

微かに笑いを含んだ言い方にちゃんと目が醒める

『もう大丈夫、起きたよ…今何時?』

モゾモゾと『華月』の腕の中から出ようともがく

『10時過ぎたところだな…そろそろ出ないとな』

『うん』

『華月』はリップ音を立てて俺の額にキスをしてからベッドから降りた

『お前の服はそこ。ちゃんと着替えろよ。』

『…また買ったの?これでいいのに』

俺も、もそもそと起き出して用意された服を手に取る

『インナーに返り血ついただろ?処分するから』

『…わかった』

ささっと着替えて、着ていた服は袋に放り込む

『華月』の服は防弾チョッキにもなっている為、着るのに時間がかかるから、まだ着替え中だ


『…『華月』』

俺の声に振り向いた『華月』の襟を直し着替えを手伝う

『身体は平気か?』

覗き込むように俺を見る『華月』に昨夜の事を思い出させられた

『……平気』

素っ気なく返事したのに、頬にキスをされた

『じゃあそろそろ行くか。』

脱いだ服を放り込んだ紙袋を持ち、手を取られ握られる

『うん』


俺達はドアをくぐった







「カーット!!いいねぇ~♪」

監督はテンション高めにニヤニヤと笑っている

勘弁してほしい…


「すみません、本当は『咲夜』が『華月』を起こすシーンだったのに…」

そう、本当は僕が叶響を起こし、着替えを促すシーンだったのに一瞬の内に本当に寝てしまうという失態を犯してしまった

「びっくりしたよ。台詞を言わないから、どうしたのかと思って見たら、寝息立ててたから」

叶響はそう言ってクスクス笑う

「本当にすみません、まさか一瞬で寝るとは思いませんでした…」

「えー!ガチ寝しちゃってたの!?あ、だから2人の台詞が反対になってたのかぁ!」

そう、僕の台詞を叶響が、叶響の台詞は僕が言い後はアドリブ

最後だけちゃんとお互いの台詞を言ったって感じだ

本来ならカットがかかるはずなのに、かからなかった為そのまま最後まで演じた

「でも違和感なかったよ?アドリブもいい感じだったし。ほらチェックしよ。」

監督に促され先程のシーンをチェックする


『華月』の胸に抱き込まれて眠る『咲夜』は、安心しきった顔でスヤスヤ眠っている

ゆっくりと『華月』の瞼が持ち上がり、軽く『咲夜』の頭を撫でた

その表情はドラマでも1度も見たことない『華月』の表情だ

『………『咲夜』……………『咲夜』起きろ』

トントンと腰らへんを軽く叩くが、なかなか起きない『咲夜』


『んっ………『華月』……』

『おはよう。目醒めたか?』

やっと目を覚ました『咲夜』だけど、本当にまだ眠たそうにしている

『んー……うん…』

『まだ眠たそうだな…』

『華月』は優しげな眼差しで『咲夜』を見ている


僕、こんな表情してたんだ……

チェックして初めて知る自分の表情に、なんだか恥ずかしくなる


「うん、いいねぇ。これでいこう」

監督からOKが出て一旦僕達のシーンは終わった




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