人気者達に何故か俺が構われすぎてます。

どらやき

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(···額当てたの間違いだったなぁ。)


(だって、主人公にめっちゃ睨まれたよ?絶対高原の事好きでしょ。····俺終わったな。)


明日学校行きたくないなぁなんて思っていると1人の男の子を見つけた。


「うわぁぁあああん!ま、ママァ!お兄ちゃぁあ!ううっ、どこぉ!」


どうやら迷子らしい。ここは人通りが少ない道だけどすぐ近くに大通りがある。


「君?大丈夫?」


俺がそう聞くと男の子は更に泣いた。


「大丈夫!変な人じゃないよ!」 


どうにか泣き止んでもらおうとポケットの中を探すと、アメが入っていた。


「はい!アメ食べる?」


イチゴ味のアメをあげると男の子は泣き止んで落ち着いてきた。


「今日は誰と来たの?」


男の子は赤い目と小さな口を少しずつ動かして教えてくれた。


「···ま、ままと···お兄ちゃん·······」


「君の名前は?」


「·····ま、そーま。」


「そうま君?」


「うん。」


「じゃあ、今からお母さんとお兄ちゃんを探しに行こっか!」


「うん!」

そうま君と手を繋いで大通りに向かって歩いていく。


沢山人が居て驚いたのかそうま君は俺の足にギュッとしがみついてきた。


(ヴッ····可愛い。)


こんな弟欲しいな。


「そうま君。肩車してあげよっか?」


そう言うとキラキラと目を輝かせた。


「お母さんとお兄ちゃん見えた?」


そうま君は俺の頭を小さな手で優しく掴んで言った。


「ううん。いなーい。」


その声は案外楽しそうだった。


家族を探し始めて30分が経った。


流石に心配になってきたのか俺の頭を掴むそうま君の手に力がこもった。


「ままぁ···にぃに····どこぉ··········?」


そろそろやばいと思った時、


「あっ!ままだ!まーまー!」


そうま君が声を投げた先を見ると1人の女性と背が低めな男の子を見つけた。


「そうま!心配したんだよ!」


2人の額には汗がついていた。


(優しい家族だな。)


母と思われる人は俺を見て、


「本当っにありがとうございます!この礼は必ずさせてもらいます!」


「ありがとうございます。」


律儀だな~と思った。


「いえいえ。お礼なんて大丈夫です。それより息子さんがご無事で良かったです。」


「いえ!そんな訳には行きません!!」


「いや···本当お気持ちだけで十分です。」


「そんな·····せめて名前だけでも!」


結構グイグイ来るなと思いながらも名前だけならと思い教えた。


「園川春馬と申します。」


「園川春馬さんですね。」


お母さんがメモを取っていた。


(·····ん?いやいやいや。俺なんかの名前書いたってなんの利益にもなりませんよ?)


流石にそこまで言えることは出来ず黙って終わるのを待っていた。


すると、隣にいたそうま君のお兄さんが声をかけてきた。


「春馬さんは桜坂高校の生徒ですか?」


「え?はい。····えっと、あなたは·······」


「あ、俺はそうまの兄の柳川浩史と申します。この度は誠にありがとうございます。」


(丁寧な子だな····。)


「いや····そういえば君は青葉中の生徒?」


「え?」


「あ、いや制服がそうなのかなって。」


(変なやつって思われたかな。)


「はい。青葉中3年です。」


(3年生か。大人っぽいな。あとなんか妙な色気がある。クソっ!俺にも色気を分けてくれ······!!)


その後はまた礼を言われてさよならをした。


ブーブー


LINEが来た。


(ゲッ!)


相手は今日交換した高原だった。


『急に聞いて驚いたよね。ごめんね。』


『大丈夫ですよ。それより本当に体調には気をつけてくださいね。』


『あぁ。春馬も。』


とこんな感じで会話は途絶えた。


(てか春馬って·····早速呼び捨てか。マジでやめて欲しいわ。そーゆーのを無自覚でやるから俺が主人公に睨まれるんだろ?)


嫌だ!俺は死にたくない!!


まぁ、死なないけどね。


時刻は5時。


「やばっ!」


その日は急いで家に帰った。












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