人気者達に何故か俺が構われすぎてます。

どらやき

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今日もいつも通りの朝。


朝ごはんを食べていると母さんが話しかけてきた。


「春馬~!今日私と和哉さん夜出掛けるから家1人だけど大丈夫?」


(和哉さんっていうのは母さんの旦那さんね。確かめっちゃラブラブなんだよね。)


母さんは元女優だけあってスタイルも見た目も周りの母親とは一段と違いが出る。

和哉さんはそんな母さんに一目惚れして猛アタックしたらしい。



(なーんか、俺ゲームの世界に転生したけど前世の時とあんま変わんないじゃん。)


(少し安心した。)


「大丈夫だよ。母さんと父さん今日結婚記念日でしょ?俺の事なんか気にしないで楽しんできなよ。俺は夜ご飯適当にやるからさ。」


そう声をかけると父さんは嬉しそうな声で言ってきた。


「ありがとう春馬!流石俺達の子供だ!」


グリグリと俺のこめかみを押してきた。


(やめてっ!身長伸びなくなる!)


「和哉さん、あんまこめかみばっかグリグリすると春馬の身長が伸びなくなっちゃいますよ?」


「あ、あぁ!すまない!」


「大丈夫。」


(あいっかわらず朝からラブラブだ。)


俺とは無縁の世界だ。


「そろそろ時間だ。母さん、父さん行ってきます!」


「「行ってらっしゃい!」」


(やっぱ家族に言って貰えるのは嬉しいな。)


俺は体がホカホカした状態で学校へ向かった。


*****


学校に着いて気づく。


(や、やっべぇ~!俺ボッチじゃん!)


これはもしかしなくても···。


嫌われてる!?


(いや、でも嫌われるようなことした覚えないし····ものは試しだ!)


俺は前世で結構コミュ力があった方だと思う。


話しやすそうな人達を見つけて声をかけた。


(もちろん攻略対象じゃない人ね。······攻略対象詳しく知らないけど!)


「あの····」


俺が声をかけるとその人達は勢いよくこっちを向いた。


「何!」


「え?いや友達になって欲しいなって···」


そう言うと皆ポカーンとした顔をした。


(あ、高校生にもなって友達になって欲しいなんて欲張りだった?)


(いや!でも····ボッチは嫌だ!)


「なるとも!」


「俺らと友達になってくれんの?」


「超嬉しいんだけど!」


とりあえず気持ち悪がられてなくて一安心。


「俺は石崎快!春馬だよな?よろしく!」


快は見た目通りの人だ。オレンジ髪がチャームポイントで元気&優しいがモットーなイケメン男子だ。


「僕は倉石銀!仲良くしような!」


銀はメガネ男子だ。でもメガネをとった姿はめっちゃイケメンだった。ギャップ萌え男子だ。


「俺は鈴木歩夢!よろしくな春馬!」


歩夢は快と幼稚園からの付き合い。2人は幼稚園から共にサッカーをやっている。目の隣にあるホクロは色気を感じさせる。


3人とも身長は170を軽く超えており俺は3人に上から見られる形になった。


「よろしく!園川春馬だ!」 


俺が挨拶をすると3人はにまぁと笑った。


「なんだ?」 


聞くと快は当たり前のように言った。


「春馬ってさ可愛いよな?」


(?kawaii?)


「快。これはダメだ。気づいてない。」


はぁとでっかい溜息を歩夢はついた。


「お前良くそれで今まで何もされなかったな·······。」


(え?なになに!?)


3人は俺の顔をじっと見るなり再度溜息をついた。


「えっ!?ちょ、酷くねっ?」


(人の顔見て笑うのは酷いぞ。)


そりゃ悪役の春馬は平凡顔だけども。


(········多分。いや俺知らないんだよね。この顔。ゲームでもあんま見た事ないしこのゲームイケメン多いから自分の顔見て凹みたくない!)


4人で笑っていると、例の3人組が来た。


「あいっかわらずキラキラしてんなぁ。」


「イケメン滅びろ。」


「いやいやいや!3人はイケメンの部類に入るでしょ。」


「春馬ぁ~!お前に言われると嬉しいのか曖昧だわ笑」


「む。何だとぉ?」


(確かに不細工な俺に言われても嬉しくないかもしれないけど!)


そんな俺と快のやり取りを見て銀と歩夢が聞いてきた。


「ねぇ、春馬。」


「何?銀。」


「あっち·····行かなくていいの?」


指を指す方を見るとその先は攻略対象達に向かれていた。


「····え?何で??」 


俺が質問すると歩夢は不思議な顔して答えた。


「何でって····春馬あのイケメン三銃士と仲良いだろ?」


(·····はぁぁぁあああ?)


え?それどういう解釈?


「いやいや。それはないって。」


「え?そうなの?」


「うん。そもそも俺あの人達と関わりたくないし。」


「「「まじ?」」」


食い気味に聞いてきた。


「·····まじ。」


俺はどうやら見学する専門委員会が全て同じだった事からと仲が良いと勘違いされていたらしい。



(仲良くなんて·······死んっでもお断りだね!!)
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