人気者達に何故か俺が構われすぎてます。

どらやき

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 「春馬。猫見るか?」

「う、うん。」


恐る恐る子猫の方へ行くと綺麗になった白色の子猫が居た。


今はスヤスヤと寝ている。


「······し、死なないよね?」


俺は怖くて俊介に聞いた。


「大丈夫だよ。俺の親すごいから。」


俊介が言うと不思議とそんな気がした。


「春馬さん。この子猫の事なのですが···」


俊介のお父さんは俺に向けて話し始めた。


子猫は体が弱いらしい。その上子猫な為そう永くは生きられないかもしれない。


と、言われた。


「すみません。こんな時に·····。」


俊介のお父さんは申し訳ないという顔で俺に謝ってきた。


「いえ。それが普通です。」


(違ってたらごめん。)


「そこで春馬さんに相談があります。この子猫についてです。この子の体だと引き取り手は恐らくないと、思われます。」


話を聞いても、聞かなくても俺の意思は固まっていた。


「俺が責任をもって最期まで一緒に生活します。」


「····そうですか。分かりました。」


子猫は今日を含めて最低4日の入院をするらしい。


今日は帰ることにした。


家に帰るなり、夕飯を食べる気にはなれなかった。


(引き取るって言っちゃったけど、母さん達なんて言うんだろう·····。)


急に不安が俺を襲った。


(でも、俺は····納得させる。) 


その日俺はお風呂に入ってすぐにベットに入った。


*****


学校につくなり、俺は子猫の事で頭がいっぱいだった。


(死んだらどうしよう。····元気にならなかったら?あのまま······)


だめだ。よからぬ事を考えてしまう。


すると、ポンと頭を叩かれた。


「あんま考え過ぎんな。」


俊介だった。


「·····うん。ありがと。」 


(ほんと、俊介は優しいな·····。)


そんな俺らの様子を見て主人公と王子が声をかけてきた。


「何かあったの?」


「春馬、大丈夫?」


心配してくれるのが嬉しくて、つい笑顔がこぼれる。


「ん。大丈夫。····ありがと、高原、桜井。」


微笑むと2人は赤く染った。


「おい。お前は天然タラシだな。」


「む。俊介だってそうだろ?」


"俊介"というワードに反応したのか高原と桜井は、


「俊介だけ、名前呼びってずるい····」


「俺の事星吾って呼んで?」


「俺の事も愛希って。」


(·····確かに仲間はずれって良くないよな。)


「ん。分かった。」


「「ありがとう。」」


(·········)


イケメンの笑顔は計り知れないな。

女子が見たら即死だろうな。




その日の放課後俺は見学を休んで子猫の様子を見に行く事にした。


二階堂先生は許可してくれた。


走って病院に行くと、ミャアミャアと元気な声が聞こえてきた。


子猫の所へ行くと、一人の女性が声をかけてきた。


「春馬さん、ですよね?この子猫びっくりするほど回復が早いんですよ。」


「·····でも、人に懐いていなくて今誰もこの子猫に触れていないんですよ。」


看護師さんの話を聞くと、人に虐められたことがあるのかな。と思った。


俺は子猫へ近づいた。


手を差し出してみるとシャーと威嚇してきた。


(怖いよね·····。)


「大丈夫だよ。····大丈夫。」


そう言うと子猫はペロと俺の手の甲を舐めてきた。


それに物凄く愛しさを覚えた。


「す、凄いですね春馬さん。」


「いえ。そんな事ないですよ。」


早く、元気になるといいな。



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