兄弟がイケメンな件について。

どらやき

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1章

sixteen

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兄弟side(珀兄目線)

さて、俺らはというと今朔の友達、昴の家。またはの家の前にいる。

今日は火曜。学校ももちろんある。

まぁ、だがしかし。学生である朔は風邪を引いていて家で寝込んでいる。

(それもこれも······があったからだろうな。)

楓は「俺も行く」と聞かず、着いてきた。

(ちなみに俺はと言うと、身内の事情ということで休ませてもらった。)

楓、俺の他。尚、葵、秋もいる。

(このメンツってなかなかないな····。)

少し目頭が熱くなった。

そんな感情を感じて俺は生きているんだなと改めて幸せに感じた。

まぁ、前フリは置いといて·····。

「さぁ、行くか。」


*****

ピンポーン

「はい。どちら様でしょうか。」

執事がでてきた。

(ほぉ····流石って感じだな。)

「昴の兄にお話があり伺わせてもらいました。通してもらいます。」

強引に行かなきゃ意味が無い。

「失礼ですが、それはできません。貴方様方のご要件を詳しく教えてもらいます。」

(しょうがない。)

「そちらの人が俺達の大事な弟を泣かしたのでお説教に来ました。」

俺達はニッコリと笑って善人を演じた。

*****

「いやぁ~尚ありがとな。」

「ううん。大丈夫。」

あの場は尚が名前を上げたことによって通してもらった。

「ここか?」

「あの人はここって言ってた。」

部屋の前に着くとみんなにピリっとした空気が流れた。

コンコン

「失礼。」

そう言って部屋に入るとが居た。

「何の用ですか?」

チャラついた顔に更にムカついてくる。

「単刀直入に言う。お前、朔を泣かしたな?」

聞くと目を泳がせることなくハッキリと、

「え?あぁ、うん。いやぁ可愛いよね朔君。思い通りにしてくれなくてしちゃったけど。」

(性根腐ってるな。)

その一言で俺らの怒りはだんだん上がってきた。

葵が、

「おい。お前俺らの弟に何してくれてんの?お前がした事で朔は傷ついてるんだぞ?」

「そうなの?嬉しぃな!じゃあ今頃は俺の事で頭いっぱいってことか!」

(なんてポジティブな奴なんだ······。)

楓が、

「ふっ。キモ。俳優だからって手加減しようと思ったけど必要ないね。性根腐ってるもん。」

「あ?」

「今人気だからってイキってんじゃねーよ!お前みたいなやつが朔に近づくだけで朔が汚れるって言ってんだよ。」

全員静かだが秋なんかものすごく怒っている。

今にも殴りかかりそうな雰囲気だ。

「は?イキって何が悪いの?俺は人気だから何をしても許されるんだよ?」

秋が、

「オタクさ頭悪いの?俺ら兄弟の権力使ったらお前この国で、この世界で生きる場所失うことになるぞ。」

「なる訳ないでしょ。そもそも何の権力があってそういう事言うの?」

俺はそろそろ頭にきた。

もちろん朔に対してやったこともあるが、何でも自分の思い通りになると思っている単細胞が俺は1番嫌い。

だから、こういうのは差をハッキリとした方がいい。

1歩前に出て言う。

「こいつは世界で人気をずっと誇っているTRACE。こいつは世界一のパティシエ。こいつは·····お前よりもな円城寺尚。」

するとあいつはポカーンとしてた。

「そ、そんな訳·······!」

「な?言ったろ?俺らの権力があればお前なんぞイチコロなんだよ。」

あいつは目を泳がせた。

「ご、ごめんなさい!ホント出来心だったんです!」

「知ったこっちゃねぇよ。」

すると、尚が、

「おい。俺らに謝罪しても仕方ねぇだろ?朔に本当はして欲しいけど、」

「じゃあ!」

朔に会えると思ったのかあいつは笑顔になった。

「会わせるわけねぇだろ?だから、これから先俺らがお前をずっと見てる。お前が朔にまた何かしようと思ったらすぐさま殺す。いいな?」

「·········はい。」

普段は温厚の尚だからこそ芸能界でも怒ると怖いと有名だ。

尚がガチで怒ってる所は俺も初めて見た。

それほど朔は俺達にとって大事な存在なんだ。

そして、あいつを威圧した後俺らは俺らの家に帰った。



朔の部屋へ行くと、1人で涙を流している朔の姿があった。

「さ、朔!?」

近寄ると朔は、

「嘘つき!··誰もヒック、居ないじゃん!」

「ご、ごめんって。」



泣く朔の姿はこの世で1番愛おしい。


朔を宥めるのはめっちゃ簡単でした!

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