幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない

しろこねこ

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いざ納品

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王都について早速王国騎士団のギルバート様に会いに行った。

「ヘンリー殿よく来てくださった」

ギルバート様は上司のベルナー・クラウス様を連れてきていて、ベルナー様はなんと王国騎士団の副団長だと言う。
ただその態度は思いっきりこちらを胡散臭いものとして見てますよという感じだ。
ですよね。わかりますよ。田舎の貧乏貴族が雑草を持ってきても信用できないよね。

「ヘンリー殿、話はギルバートに聞いた。早速だが、そのポーションとやらを見せてもらいたい。」

「こちらがそのポーションになります。騎士団の方々のお役に立つかと思って……」

父様の差し出した瓶の中には、陽の光を受けても透けない緑の液体。見た目は草汁そのものでとても効果があるようには見えない。

べルナー様は腕を組んだまま、ポーションをちらりと一瞥する。

「……なるほど。まあ、使えなくはなさそうだな。置いていけ」

「はっ、ありがとうございます。では……」

父様はぺこりと頭を下げながら、遠慮がちに言葉を継ごうとするけど、べルナー様は片眉を上げるだけだ。

「他になにか?金か?効果のわからないものに金など払えるわけないだろう」

ベルナー様の後に控えるギルバート様が唖然として、ベルナー様の後頭部を見るが、上司には逆らえないようで何も言わない。

「えっ?そんな……」

ベルナー様は皮肉な笑みを浮かべて部屋を出て行ってしまった。

「ヘンリー殿、ベルナー副隊長が申し訳ない。すぐに効果があるとわかるはずなので少し待ってほしい」

ギルバート様は申し訳なさそうな顔でこちらを見てベルナー様について部屋を出て行ってしまった。



まじか。待っててほしいって何か?夢追う無職の彼氏か?ああ、ギルバート様ってそういう事いいそうだな。夢見るぼんぼんって感じだし。ってか、

「ちゃん見張ってたのに!なにも言い返せなかった!くやしい!」

ジタバタする私の横で

「え?言い返したら生きてないかもよ」

カイル兄様がびっくりするほど冷静だった。脳筋どこいった?





「……うー……ムカつくぅ……」

腕を組み王都の石畳をドスドスと小さな足で踏み鳴らして歩く。
後ろからカイル兄様がついてくるが、同じくらい顔をしかめている。

「くそ、あのべルナーとかいう副隊長!
金か?とか冷たい目で言いやがって、そうだよ金払えよな!」

「……いいんだよ。2人とも。あのポーションで流行病が治る人がいればそれでいいじゃないか」

父様の言葉にもふくれっ面はなおらない。大金が入るはずだったのに、あのベルナー様はポーションの効果がわかってもなんだかんだとお金を払わない気しかしない。

クサクサする視線の先には、王都中央にそびえ立つ白亜の大聖堂。

王城に次ぐ荘厳さを持つその建物は、巡礼地でもあり、王都民や旅人がふらりと立ち寄る観光地でもあった。

「……せっかくだから寄っていくか?」

機嫌の治らない兄妹に父様が仕方ないなと笑いながら教会を見上げた。

「おお、教会か! あそこって、なんか有名な魔道具飾ってあるんだろ? 病気を治す……なんとかってやつ」

「“セラフィック・サークレット・オブ・エターナル・グレイス”。永遠の慈愛の聖環、って意味らしいですよ」

「さすがリナ、なんかかっこいいなその名前!」

カイルが感心したように言うと、ほんの少しだけ機嫌が直った。


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