上 下
4 / 32

嵐の朝に

しおりを挟む
酷い、嵐であった。雷がゴロゴロとなりピカッとした1秒あとにズガーンときた…。

「ぴゃっ!」とても、心臓に悪い。

雨風がゴウゴウと音を立て、窓ガラスが割れやしないかと思うほどである。
そんなときでも、栗ちゃんはのんきなもので、ご飯を要求している。

カリカリを皿に、ざらざらと出したあと水を代えてやる。いつも通りの行動をとっているうちに少しずつ落ち着いて行く。

まだ、早い。もう少し寝てようか。ごろりと布団に横になると、栗ちゃんが背中に乗っかってきて、ゴロゴロと喉をならしている。ぬくい。

そのうち、パラパラと霙が降ってきた。
こんなときに、彼がいればいいのになと思った。
一人でお留守番。いや、栗ちゃんがいてくれて良かったと心底思う。まだ、朝の6時かぁ。

昨日の夕飯を温めて食べた。味気ない。昨日は美味しくできたと思ったのにな。白菜のクリーム煮。

さみしさのあまり、彼の服をかりて着てみた。 
ダボダボ~。身長が20センチ近く違うから仕方ない。

私が167センチくらいで彼は186センチ。並ぶとちょうど良い感じの身長差である。体重はわからない。

ザーザーっ、ゴウっ、ビュウォー。ゥオー。バキッ

止まないな。不安になって、少しでも音を遮断したくて、布団を被ってしまうと、栗ちゃんも中にもそもそ潜り込んできた。

次に、目が覚めたときには栗ちゃんはいなくて彼に抱き込まれて寝ていた。外は、快晴になったみたい。

「おはよう、叶。」

 「うん、おそようだね。」笑ってしまった。








しおりを挟む

処理中です...