8 / 31
8話 新たな壁
しおりを挟む医学魔法大学院転入試験とは、戦闘形態で行われる1体1のパーティー戦である。
合格ラインは大学院生に勝つこと。ただそれだけ。だがそれはとてもハードルが高い。俺とカナのパーティーは攻撃魔法がカナしか使えない。俺は一体どの役割担うことができるのか見当もつかない。
そんな中、詳しい説明を聞いていた。
「でもね。何もかも生徒の好き通りにさせるわけには行かないから、ポイントの基準を下げようと思ってね。」
「なるほど。何ポイントになるんですか?」
「一応10000まで下げようかなって思っててね」
基準のポイントが10000に下がったということは後一つだけBランク任務を受ければ基準を満たすことができる。
俺たちはすぐさまBランク任務を受ける事にした。
多少のBランク級の魔物と遭遇はしたが、特に問題なく順調に任務を進めた。
「カナ! 魔物が来る! おそらくBランク級だ!」
「わかった!」
大地を駆け抜ける馬車を体で受け止めるかのように魔物が姿を表した。
「任せて! はぁっ!」
カナは自ら自分の足を身体強化し、目に負えないほどのスピードで魔物を蹴り撃退した。
そして王都に戻ることができた俺たちは報酬を受け取り、2人とも基準のポイントを上回ることが出来た。
「後は、転入試験を受けて大学院生を倒せば良いんだよね」
「そうだが、それが一番問題だ。どうやって戦う?」
「私の身体強化をメインで戦う感じだよね」
「そうだな。とりあえず転入届を出そう」
転入試験を受ける為職員に転入届を提出し試験日は1ヶ月後と告げられた。
「後1ヶ月時間がある。焦らず作戦を立てよう」
「うん。とりあえず私の身体強化でダイスくんの戦闘能力を上げれるようにしなきゃね」
「慣れるまでも時間がかかるがそんなに焦る必要はまだない。落ち着いてゆっくりやろう」
「わかった!」
俺たちは1ヶ月かけて、作戦と特訓を繰り返すことにした。
転入試験の対戦相手は試験当日に発表される。おそらくどの相手も優秀なパーティーだろう。中には医師として召喚されている者や、王都最大の病院の後継の者もいるらしい。
どちらにしろ出鱈目に戦って勝てるような相手じゃない。間違っても魔物と戦うような戦闘方法は避けるようにしなければならない。
それに、戦闘において唯一の取り柄であった俺の魔感が通用しない。魔力を消費しているわけではないが、今の俺の状態は剣を折られた剣士と同じだ。
このままの手ぶらの状態で試験に挑むわけにはいかない。
そこをどう補うかが俺たちの勝敗を左右するだろう。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
チート魅了スキルで始まる、美少女たちとの異世界ハーレム生活
仙道
ファンタジー
ごく普通の会社員だった佐々木健太は、異世界へ転移してして、あらゆる女性を無条件に魅了するチート能力を手にする。
彼はこの能力で、女騎士セシリア、ギルド受付嬢リリア、幼女ルナ、踊り子エリスといった魅力的な女性たちと出会い、絆を深めていく。
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜
シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。
起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。
その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。
絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。
役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
【完結】487222760年間女神様に仕えてきた俺は、そろそろ普通の異世界転生をしてもいいと思う
こすもすさんど(元:ムメイザクラ)
ファンタジー
異世界転生の女神様に四億年近くも仕えてきた、名も無きオリ主。
億千の異世界転生を繰り返してきた彼は、女神様に"休暇"と称して『普通の異世界転生がしたい』とお願いする。
彼の願いを聞き入れた女神様は、彼を無難な異世界へと送り出す。
四億年の経験知識と共に異世界へ降り立ったオリ主――『アヤト』は、自由気ままな転生者生活を満喫しようとするのだが、そんなぶっ壊れチートを持ったなろう系オリ主が平穏無事な"普通の異世界転生"など出来るはずもなく……?
道行く美少女ヒロイン達をスパルタ特訓で徹底的に鍛え上げ、邪魔する奴はただのパンチで滅殺抹殺一撃必殺、それも全ては"普通の異世界転生"をするために!
気が付けばヒロインが増え、気が付けば厄介事に巻き込まれる、テメーの頭はハッピーセットな、なろう系最強チーレム無双オリ主の明日はどっちだ!?
※小説家になろう、エブリスタ、ノベルアップ+にも掲載しております。
異世界で家をつくります~異世界転移したサラリーマン、念動力で街をつくってスローライフ~
ヘッドホン侍
ファンタジー
◆異世界転移したサラリーマンがサンドボックスゲームのような魔法を使って、家をつくったり街をつくったりしながら、マイペースなスローライフを送っていたらいつの間にか世界を救います◆
ーーブラック企業戦士のマコトは気が付くと異世界の森にいた。しかし、使える魔法といえば念動力のような魔法だけ。戦うことにはめっぽう向いてない。なんとか森でサバイバルしているうちに第一異世界人と出会う。それもちょうどモンスターに襲われているときに、女の子に助けられて。普通逆じゃないのー!と凹むマコトであったが、彼は知らない。守るにはめっぽう強い能力であったことを。
※「カクヨム」「小説家になろう」にも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる