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第1部 〝ペットテイマー〟ここに誕生 第6章 アイリーンの街の危機
29. 〝ウルフの林〟にいたオーク
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「うーん、サンドロックさんに勝つにはどうすれば……」
ここのところ毎日午前中はサンドロックさんに訓練をつけてもらっている。
毎日、冒険者たちはオークの見回りに出ていて自分は待機任務だから暇だとか言って。
ただ、それでも一撃たりとも与えられた試しがないんだよね。
サンドロックさんは剣1本でこっちはペットを含めてひとりと4匹がかりなのに、まったく攻撃が掠りもしない。
一体どうなっているんだろう?
「あ、ウルフ発見。《魔の鉤爪》っと」
『焦りは抜け落ちたようじゃな』
『それだけでもいいことだね』
『よかったわさ』
『よかったよかった』
「ごめんね、みんな。心配かけちゃって」
サンドロックさんによって何回もたたきのめされている間に焦りもなくなった。
オークを初めて倒した時はその防御力の高さに焦って、ひたすら強くなろうとしてしまったんだ。
でも、サンドロックさんと戦い続けてわかったことは、いきなり強くなんてなれないってこと。
こんな当たり前のことすら忘れていてなんて、恥ずかしいな。
「キントキ、今日のウルフって合計何匹仕留めた?」
『いまので43匹目だよ。そろそろ終わりにする?』
「そうしようか。じゃあ、いつもの沢の上で薬草採取だね」
私はいつもの沢まで来ると沢の上まで《静音飛行》で飛び、薬草を集めた。
そこから周囲の景色を見渡すのもいつものことだったんだけど……あれ、林の中にいるあれってなんだろう?
「ミネル、林のあそこにいるのってなにかわかる?」
『あそこ? ああ、あの黒いのか。どれどれ……な!?』
「どうしたの、ミネル?」
『あれはオークじゃ! それも2匹いる!』
「オークがこんな街の側で2匹も!?」
『うむ! どうする、シズク!』
「どうするって……放置もできないし、倒すしかないよ!」
『それしかないか。1匹は儂が引きつけ時間を稼ごう。もう1匹はシズクたち全員でかかって一気に倒せ。よいな?』
「わかった!」
『任せて!』
『了解だわさ!』
『頑張る!』
私はみんなを抱えて沢から飛び降り、オークたちに強襲を仕掛ける。
うん、オークたちはまだこちらのことに気がついていない!
「《魔の鉤爪》!」
『《魔の鉤爪》!』
私とミネルで別々のオークを狙って《魔の鉤爪》を発動させた。
でも狙いは頭じゃなくて足首。
首筋を狙いたかったんだけど、豚人間らしく首の場所がよくわからなかったから逃げられないように足首を潰しにいったんだよね。
でも、こいつら……硬い!
「Bumo!?」
「BuRuu!」
でも、手傷は負わせられたし、動きは鈍るはず!
さあ、ここから攻撃開始だよ!
「みんな、お願いね!」
『うん! 《アースランチャー》!』
『《魔爪》わさ!』
『《超跳躍》からの……《パワフルキック》!』
「私も《魔爪》!」
もう1匹のオークを相手してくれている、ミネル以外の全員で一気にオークを攻め立てる。
でも、このオーク、本当に頑丈!?
私のダガーより黒い鉄の鎧を着ているからその隙間を狙って攻撃しているけど、皮膚もすっごく硬い!
私のダガーに《魔爪》の効果をかけて切りつけたのに腕を切り落とせないだなんて!
「Bumo!」
「うわぁ!?」
オークが剣で反撃してきた。
危うくそれをかわしたけれど、あんなので叩かれたら切られる前に骨が砕かれて潰されちゃう!
これは、のんびり逃げ回っていられない!
「《魔爪》! 《魔爪》! 《魔爪》! 《魔爪》!」
「Bumo!?」
よし!
剣を持っていた方の腕を切り落とせた!
これで少しは……って!?
『逃げ出した!?』
『なんなんだわさ!?』
『逃がさないの! 《パワフルキック》!』
シラタマが機転を利かせて《パワフルキック》を使い、逃げだそうとしたオークを踏み潰してくれた!
シラタマ、偉い子!
転んだ拍子で兜も外れてくれたので、頭をグシャってやっちゃおう!
「《魔の鉤爪》! 《魔の鉤爪》! 《魔の鉤爪》! 《魔の鉤爪》! 《魔の鉤爪》! 《魔の鉤爪》!!」
合計6回。
少しずつ頭を潰していって、なんとか完全に息の根を止めることができた。
こいつだけでも苦労したのに、ミネルの方も援護しないと!
『そちらも終わったようじゃな』
「ミネル? そっちのオークは?」
『もう始末済みじゃ。そちらのオークが逃げ出そうとした瞬間、こちらも逃げだそうとしたので、《魔の鉤爪》を使い足首をひねり潰し動けなくした。そのあとは、《魔の鉤爪》で兜を弾き飛ばし、頭が潰れるまで《魔の鉤爪》を連発じゃな』
「そっか。こいつら、ずいぶん硬かったね」
『うむ。防具など儂の《魔の鉤爪》でも傷がつかないほどだった。皆はどうだった?』
『僕の《土魔法》も防具の上からじゃ傷ひとつついていないよ。いまも何回か試したけど、鎧に傷がつかないもん』
『《魔爪》は、かすかにひっかき傷がつく程度だわさ。これじゃあ、何百回ひっかいても鎧を切り裂けないわさ』
『《パワフルキック》も衝撃しか伝わっていなかったみたいなの。こいつら頑丈すぎ……あれ? シズク、ダガーが痛んでいるの』
「え、ダガーが? って、あぁ!?」
アダムさんからもらった魔鋼のダガーに大きな罅が入ってる!?
芯まで……というか、もう折れる寸前だから、これじゃあ修理もしてもらえないよ。
どうしよう……。
『シズク、落ち込むよりも先にこのオークどもを冒険者ギルドへと持ち込むことが先決じゃ』
『解体はもう済ませたし《ストレージ》にもしまったよ。さあ、早く乗って』
「う、うん。こんなところまでオークが来ているのって一大事だよね。急ごう、みんな」
ものすごく嫌な感じのモヤモヤ感を抱えたまま私はキントキに乗って街へと急いだ。
嫌なことが起こる前触れじゃないといいんだけど……。
ここのところ毎日午前中はサンドロックさんに訓練をつけてもらっている。
毎日、冒険者たちはオークの見回りに出ていて自分は待機任務だから暇だとか言って。
ただ、それでも一撃たりとも与えられた試しがないんだよね。
サンドロックさんは剣1本でこっちはペットを含めてひとりと4匹がかりなのに、まったく攻撃が掠りもしない。
一体どうなっているんだろう?
「あ、ウルフ発見。《魔の鉤爪》っと」
『焦りは抜け落ちたようじゃな』
『それだけでもいいことだね』
『よかったわさ』
『よかったよかった』
「ごめんね、みんな。心配かけちゃって」
サンドロックさんによって何回もたたきのめされている間に焦りもなくなった。
オークを初めて倒した時はその防御力の高さに焦って、ひたすら強くなろうとしてしまったんだ。
でも、サンドロックさんと戦い続けてわかったことは、いきなり強くなんてなれないってこと。
こんな当たり前のことすら忘れていてなんて、恥ずかしいな。
「キントキ、今日のウルフって合計何匹仕留めた?」
『いまので43匹目だよ。そろそろ終わりにする?』
「そうしようか。じゃあ、いつもの沢の上で薬草採取だね」
私はいつもの沢まで来ると沢の上まで《静音飛行》で飛び、薬草を集めた。
そこから周囲の景色を見渡すのもいつものことだったんだけど……あれ、林の中にいるあれってなんだろう?
「ミネル、林のあそこにいるのってなにかわかる?」
『あそこ? ああ、あの黒いのか。どれどれ……な!?』
「どうしたの、ミネル?」
『あれはオークじゃ! それも2匹いる!』
「オークがこんな街の側で2匹も!?」
『うむ! どうする、シズク!』
「どうするって……放置もできないし、倒すしかないよ!」
『それしかないか。1匹は儂が引きつけ時間を稼ごう。もう1匹はシズクたち全員でかかって一気に倒せ。よいな?』
「わかった!」
『任せて!』
『了解だわさ!』
『頑張る!』
私はみんなを抱えて沢から飛び降り、オークたちに強襲を仕掛ける。
うん、オークたちはまだこちらのことに気がついていない!
「《魔の鉤爪》!」
『《魔の鉤爪》!』
私とミネルで別々のオークを狙って《魔の鉤爪》を発動させた。
でも狙いは頭じゃなくて足首。
首筋を狙いたかったんだけど、豚人間らしく首の場所がよくわからなかったから逃げられないように足首を潰しにいったんだよね。
でも、こいつら……硬い!
「Bumo!?」
「BuRuu!」
でも、手傷は負わせられたし、動きは鈍るはず!
さあ、ここから攻撃開始だよ!
「みんな、お願いね!」
『うん! 《アースランチャー》!』
『《魔爪》わさ!』
『《超跳躍》からの……《パワフルキック》!』
「私も《魔爪》!」
もう1匹のオークを相手してくれている、ミネル以外の全員で一気にオークを攻め立てる。
でも、このオーク、本当に頑丈!?
私のダガーより黒い鉄の鎧を着ているからその隙間を狙って攻撃しているけど、皮膚もすっごく硬い!
私のダガーに《魔爪》の効果をかけて切りつけたのに腕を切り落とせないだなんて!
「Bumo!」
「うわぁ!?」
オークが剣で反撃してきた。
危うくそれをかわしたけれど、あんなので叩かれたら切られる前に骨が砕かれて潰されちゃう!
これは、のんびり逃げ回っていられない!
「《魔爪》! 《魔爪》! 《魔爪》! 《魔爪》!」
「Bumo!?」
よし!
剣を持っていた方の腕を切り落とせた!
これで少しは……って!?
『逃げ出した!?』
『なんなんだわさ!?』
『逃がさないの! 《パワフルキック》!』
シラタマが機転を利かせて《パワフルキック》を使い、逃げだそうとしたオークを踏み潰してくれた!
シラタマ、偉い子!
転んだ拍子で兜も外れてくれたので、頭をグシャってやっちゃおう!
「《魔の鉤爪》! 《魔の鉤爪》! 《魔の鉤爪》! 《魔の鉤爪》! 《魔の鉤爪》! 《魔の鉤爪》!!」
合計6回。
少しずつ頭を潰していって、なんとか完全に息の根を止めることができた。
こいつだけでも苦労したのに、ミネルの方も援護しないと!
『そちらも終わったようじゃな』
「ミネル? そっちのオークは?」
『もう始末済みじゃ。そちらのオークが逃げ出そうとした瞬間、こちらも逃げだそうとしたので、《魔の鉤爪》を使い足首をひねり潰し動けなくした。そのあとは、《魔の鉤爪》で兜を弾き飛ばし、頭が潰れるまで《魔の鉤爪》を連発じゃな』
「そっか。こいつら、ずいぶん硬かったね」
『うむ。防具など儂の《魔の鉤爪》でも傷がつかないほどだった。皆はどうだった?』
『僕の《土魔法》も防具の上からじゃ傷ひとつついていないよ。いまも何回か試したけど、鎧に傷がつかないもん』
『《魔爪》は、かすかにひっかき傷がつく程度だわさ。これじゃあ、何百回ひっかいても鎧を切り裂けないわさ』
『《パワフルキック》も衝撃しか伝わっていなかったみたいなの。こいつら頑丈すぎ……あれ? シズク、ダガーが痛んでいるの』
「え、ダガーが? って、あぁ!?」
アダムさんからもらった魔鋼のダガーに大きな罅が入ってる!?
芯まで……というか、もう折れる寸前だから、これじゃあ修理もしてもらえないよ。
どうしよう……。
『シズク、落ち込むよりも先にこのオークどもを冒険者ギルドへと持ち込むことが先決じゃ』
『解体はもう済ませたし《ストレージ》にもしまったよ。さあ、早く乗って』
「う、うん。こんなところまでオークが来ているのって一大事だよね。急ごう、みんな」
ものすごく嫌な感じのモヤモヤ感を抱えたまま私はキントキに乗って街へと急いだ。
嫌なことが起こる前触れじゃないといいんだけど……。
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