20 / 78
第2部 森と花の国『マナストリア聖華国』 第1章 華都へと向けて
20. マナストリア聖華国に向けて
しおりを挟む
あたしとエリクシール殿下一行はリードアローを脱出したあと、リードアローの街に残っていたマナストリア聖華国の使節の人たちと合流、ともにマナストリア聖華国を目指すこととなった。
全員が魔導車に乗っているため移動もスムーズで速いけれど、それでもマナストリア聖華国までは1カ月程度の道程らしい。
すべての街や村を避けて通るルートを選ぶらしいから仕方がないよね。
そして、移動も2週間が終わろうとしていた夕食後、あたしとエリクシール殿下は一緒にお風呂から上がってきた。
「はあ。長旅の途中でもお湯につかれるだなんて皆には申し訳ありませんがいい気持ちです」
「護衛の人たちやメイドさんたちも交代で入りにきてくれてもいいんだけどね」
「さすがに私やアウラ様の入っているお風呂には入れないでしょう。所有者であるアウラ様がいいと言っても気後れするものです」
「そんなもの?」
「そんなものですよ」
この2週間であたしとエリクシール殿下の間の距離も大分縮まった。
というか、エリクシール殿下がぐいぐい縮めてくるのであたしがそれに押し負けている感じだ。
エリクシール殿下は今年で17歳らしいけど、かなりやんちゃなお姫様なのかもしれないね。
「それで、エリクシール殿下。周囲の警戒は護衛の方々に任せたままでいいんですか?」
「エリスです」
「あ……」
「エリス、です」
「はい、エリス」
呼び方もエリクシール殿下ではなく愛称のエリスで呼ぶように指示されている。
本当にお友達認定されているね。
「周囲の警戒は私のティターニアとマナストリア聖華国のエンシェントフレーム隊だけで十分でしょう。ティターニアのレーダーはエンシェントフレーム隊のレーダーとリンクしております。接近者がいれば人間サイズでもすぐにわかりますよ」
「なら大丈夫そうだね。あとは寝るだけかな」
「申し訳ありません。寝室まで貸していただき」
「気にしないで。この家もあたししか使っていなかったから、広々としているほどだもの。今回の旅にあわせてヘファイストスが2階部分を増設したし」
「メイドたちの寝室までご用意いただくなんて本当に助かります。やはり、慣れない旅路でのストレスは大きいものですから」
「そこはよくわかるから気にしないで。それじゃ、あたしたちは寝ましょう」
「はい。……それにしても、あの洗濯ができる魔導具はどういう仕組みなのでしょう? ドレスのような複雑な衣服さえ問題なく洗えるだなんて」
「この家自体がヘファイストスの作った謎技術の塊だからね。あたしも一時期は悩んだけど、今は考えるだけ無駄だと思ってる」
「それはそれでいかがなものかと思いますが……古代文明のマナトレーシングフレームが自らの手で作り出した古代文明の家ですからね。私たちの想像が追いつかないこともあるでしょう」
「そういうこと。明日も早いんだし、早く寝よう」
「そういたしましょう。アウラ様、おやすみなさいませ」
「エリスもおやすみ」
あたしたちは就寝のあいさつを交わしてそれぞれの寝室へと入っていった。
それにしてもこの1週間はリードアロー王国の襲撃もなくなって平和なんだよね。
リードアローの街を脱出した直後やリードアロー周辺の大きな街の近くでは散々襲われていたんだけど、いまはそれもなくなった。
街を避けるだけの余裕が生まれたということもあるとは思うけど、それだけというのも怪しいかな。
あたしはベッドに腰掛けると、通信端末でヘファイストスに呼びかけた。
「ヘファイストス、いま大丈夫?」
『どうした、アウラ?』
「ここ最近リードアロー王国からの襲撃がないけれど、ヘファイストスの方でなにかつかんでいない?」
『私が知っている限りでは、国軍からの出撃命令を地方の領主軍や街の防衛隊が断っていることくらいだな』
「そうなの?」
『国軍が襲撃のたびに壊滅させられているのを知っているのだろう。国軍からの伝令は様々なところに伝わっているが、貴重なエンシェントフレームを潰したくないのかどこも応じていない』
「へぇ。っていうか、よくそんな情報をヘファイストスは知っているね?」
『情報収集用の小型偵察ドローンを近隣の街に潜ませておいたからな。関係のない情報も大量に手に入るが、それらはすべて私の中で取捨選択されて必要な情報だけを抜き出している』
すっごいなぁ。
小型偵察ドローンっていうのがどんなものかは知らないけれど、ヘファイストスには近隣の街の情報が全部筒抜けっていうことじゃない。
これじゃ、戦う前から勝負は決まっているよね。
「ほかに気になる情報は?」
『食料が全般的に値上がりしている。おそらくは国が徴発を行い市井に流れる分が減ったためだろう』
「それって街の人が困らない?」
『困るだろうな。戦時下でもないのに食料を徴発するなど下策も程がある』
うわ、辛辣。
でも、あたしですらわかる下策なんだから仕方がないか。
ヘファイストスって兵站、つまりは後方支援担当らしいから、食料とかの備蓄管理も仕事だったみたいだしね。
『ほかにはルインハンターズギルドが街から撤退し、冒険者ギルドとやらが新規依頼の受け付けを止め、既存依頼も断り始めたようだな。いま遂行中の依頼はともかく、受付待ちの依頼はほとんどなくなっているらしい』
うーん、本当にルインハンターズギルドと冒険者ギルドが国から撤退を始めたか。
冒険者ギルドがなくなっても傭兵ギルドがあるんだけど、あそこって対人特化だしグループ単位で雇う必要があるから安い依頼は引き受けてもらえないらしいんだよね。
それ以外にも冒険者ギルドには街中のお店から日雇いの求人依頼が出ていたはずだから、そこも影響を受けるだろうし、冒険者自身も仕事を失う。
いろいろとこの国は面倒なことになりそう。
『大きな動きはそれくらいだな。小さな動きなのかはわからないが、王都であるリードアローに向かう商人たちが減っているらしい』
「リードアローに向かう商人たちが減っている?」
『商人たちもこの騒ぎのことは聞きつけたようだ。その上でこの国に見切りをつけ、国から出られる間にほかの国に渡ろうとしている者たちもいるらしい。街に商店を持っている商人は動きにくいようだが、見切りをつけた商人は商品と店を売り払い移住資金を確保して移動することにしたようだな』
「街に住んでいる商人まで移動し始めたか……それって本当にまずくない?」
『私にその判断はつきかねるが……兵站担当としてみるならば補給線が途切れつつある状況は非常に問題だな。早急に手を打たねばならぬが、強制的な手法に出ればより国外への脱出に拍車がかかる。私たちへの対応を考えると、将来を見据えた行動ができる政治家などこの国にはいないのだろう』
本当に辛辣だけどあたしも同意見だからなにも言えないかな。
ちなみに、この情報は翌日エリスたちにも共有したけれど、概ねあたしと同じような反応だった。
リードアロー王国の無能さが露見し地方に命令を飛ばすこともできなくなっている現状と、機を見るに聡い商人たちが国外脱出の方向へ考え方をシフトしていることはある意味予想通りらしい。
そして冒険者ギルドとルインハンターズギルドが各街から撤退し始めていることが今後の大きな転換点となるだろうとの見方だ。
冒険者ギルドは何でも屋としての側面も大きいが、街の機能を維持するための調整役を担っている部分もあるみたい。
それがなくなったことで、街がどのようになっていくのかは未知数だという。
なるべく無辜の民に被害が出てほしくないというのはエリスとも意見が一致したけど、同時に国王の無能が民に影響を及ぼすことについても仕方がないことだとエリスは言い切った。
あたしも同意見だけど、王族であるエリスが言い切ると言葉の重みが違うね。
ともかく、マナストリア聖華国まであと半分くらい。
気を抜かないでしっかりと進んでいこう。
全員が魔導車に乗っているため移動もスムーズで速いけれど、それでもマナストリア聖華国までは1カ月程度の道程らしい。
すべての街や村を避けて通るルートを選ぶらしいから仕方がないよね。
そして、移動も2週間が終わろうとしていた夕食後、あたしとエリクシール殿下は一緒にお風呂から上がってきた。
「はあ。長旅の途中でもお湯につかれるだなんて皆には申し訳ありませんがいい気持ちです」
「護衛の人たちやメイドさんたちも交代で入りにきてくれてもいいんだけどね」
「さすがに私やアウラ様の入っているお風呂には入れないでしょう。所有者であるアウラ様がいいと言っても気後れするものです」
「そんなもの?」
「そんなものですよ」
この2週間であたしとエリクシール殿下の間の距離も大分縮まった。
というか、エリクシール殿下がぐいぐい縮めてくるのであたしがそれに押し負けている感じだ。
エリクシール殿下は今年で17歳らしいけど、かなりやんちゃなお姫様なのかもしれないね。
「それで、エリクシール殿下。周囲の警戒は護衛の方々に任せたままでいいんですか?」
「エリスです」
「あ……」
「エリス、です」
「はい、エリス」
呼び方もエリクシール殿下ではなく愛称のエリスで呼ぶように指示されている。
本当にお友達認定されているね。
「周囲の警戒は私のティターニアとマナストリア聖華国のエンシェントフレーム隊だけで十分でしょう。ティターニアのレーダーはエンシェントフレーム隊のレーダーとリンクしております。接近者がいれば人間サイズでもすぐにわかりますよ」
「なら大丈夫そうだね。あとは寝るだけかな」
「申し訳ありません。寝室まで貸していただき」
「気にしないで。この家もあたししか使っていなかったから、広々としているほどだもの。今回の旅にあわせてヘファイストスが2階部分を増設したし」
「メイドたちの寝室までご用意いただくなんて本当に助かります。やはり、慣れない旅路でのストレスは大きいものですから」
「そこはよくわかるから気にしないで。それじゃ、あたしたちは寝ましょう」
「はい。……それにしても、あの洗濯ができる魔導具はどういう仕組みなのでしょう? ドレスのような複雑な衣服さえ問題なく洗えるだなんて」
「この家自体がヘファイストスの作った謎技術の塊だからね。あたしも一時期は悩んだけど、今は考えるだけ無駄だと思ってる」
「それはそれでいかがなものかと思いますが……古代文明のマナトレーシングフレームが自らの手で作り出した古代文明の家ですからね。私たちの想像が追いつかないこともあるでしょう」
「そういうこと。明日も早いんだし、早く寝よう」
「そういたしましょう。アウラ様、おやすみなさいませ」
「エリスもおやすみ」
あたしたちは就寝のあいさつを交わしてそれぞれの寝室へと入っていった。
それにしてもこの1週間はリードアロー王国の襲撃もなくなって平和なんだよね。
リードアローの街を脱出した直後やリードアロー周辺の大きな街の近くでは散々襲われていたんだけど、いまはそれもなくなった。
街を避けるだけの余裕が生まれたということもあるとは思うけど、それだけというのも怪しいかな。
あたしはベッドに腰掛けると、通信端末でヘファイストスに呼びかけた。
「ヘファイストス、いま大丈夫?」
『どうした、アウラ?』
「ここ最近リードアロー王国からの襲撃がないけれど、ヘファイストスの方でなにかつかんでいない?」
『私が知っている限りでは、国軍からの出撃命令を地方の領主軍や街の防衛隊が断っていることくらいだな』
「そうなの?」
『国軍が襲撃のたびに壊滅させられているのを知っているのだろう。国軍からの伝令は様々なところに伝わっているが、貴重なエンシェントフレームを潰したくないのかどこも応じていない』
「へぇ。っていうか、よくそんな情報をヘファイストスは知っているね?」
『情報収集用の小型偵察ドローンを近隣の街に潜ませておいたからな。関係のない情報も大量に手に入るが、それらはすべて私の中で取捨選択されて必要な情報だけを抜き出している』
すっごいなぁ。
小型偵察ドローンっていうのがどんなものかは知らないけれど、ヘファイストスには近隣の街の情報が全部筒抜けっていうことじゃない。
これじゃ、戦う前から勝負は決まっているよね。
「ほかに気になる情報は?」
『食料が全般的に値上がりしている。おそらくは国が徴発を行い市井に流れる分が減ったためだろう』
「それって街の人が困らない?」
『困るだろうな。戦時下でもないのに食料を徴発するなど下策も程がある』
うわ、辛辣。
でも、あたしですらわかる下策なんだから仕方がないか。
ヘファイストスって兵站、つまりは後方支援担当らしいから、食料とかの備蓄管理も仕事だったみたいだしね。
『ほかにはルインハンターズギルドが街から撤退し、冒険者ギルドとやらが新規依頼の受け付けを止め、既存依頼も断り始めたようだな。いま遂行中の依頼はともかく、受付待ちの依頼はほとんどなくなっているらしい』
うーん、本当にルインハンターズギルドと冒険者ギルドが国から撤退を始めたか。
冒険者ギルドがなくなっても傭兵ギルドがあるんだけど、あそこって対人特化だしグループ単位で雇う必要があるから安い依頼は引き受けてもらえないらしいんだよね。
それ以外にも冒険者ギルドには街中のお店から日雇いの求人依頼が出ていたはずだから、そこも影響を受けるだろうし、冒険者自身も仕事を失う。
いろいろとこの国は面倒なことになりそう。
『大きな動きはそれくらいだな。小さな動きなのかはわからないが、王都であるリードアローに向かう商人たちが減っているらしい』
「リードアローに向かう商人たちが減っている?」
『商人たちもこの騒ぎのことは聞きつけたようだ。その上でこの国に見切りをつけ、国から出られる間にほかの国に渡ろうとしている者たちもいるらしい。街に商店を持っている商人は動きにくいようだが、見切りをつけた商人は商品と店を売り払い移住資金を確保して移動することにしたようだな』
「街に住んでいる商人まで移動し始めたか……それって本当にまずくない?」
『私にその判断はつきかねるが……兵站担当としてみるならば補給線が途切れつつある状況は非常に問題だな。早急に手を打たねばならぬが、強制的な手法に出ればより国外への脱出に拍車がかかる。私たちへの対応を考えると、将来を見据えた行動ができる政治家などこの国にはいないのだろう』
本当に辛辣だけどあたしも同意見だからなにも言えないかな。
ちなみに、この情報は翌日エリスたちにも共有したけれど、概ねあたしと同じような反応だった。
リードアロー王国の無能さが露見し地方に命令を飛ばすこともできなくなっている現状と、機を見るに聡い商人たちが国外脱出の方向へ考え方をシフトしていることはある意味予想通りらしい。
そして冒険者ギルドとルインハンターズギルドが各街から撤退し始めていることが今後の大きな転換点となるだろうとの見方だ。
冒険者ギルドは何でも屋としての側面も大きいが、街の機能を維持するための調整役を担っている部分もあるみたい。
それがなくなったことで、街がどのようになっていくのかは未知数だという。
なるべく無辜の民に被害が出てほしくないというのはエリスとも意見が一致したけど、同時に国王の無能が民に影響を及ぼすことについても仕方がないことだとエリスは言い切った。
あたしも同意見だけど、王族であるエリスが言い切ると言葉の重みが違うね。
ともかく、マナストリア聖華国まであと半分くらい。
気を抜かないでしっかりと進んでいこう。
0
あなたにおすすめの小説
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
「餌代の無駄」と追放されたテイマー、家族(ペット)が装備に祝福を与えていた。辺境で美少女化する家族とスローライフ
天音ねる(旧:えんとっぷ)
ファンタジー
【祝:男性HOT18位】Sランクパーティ『紅蓮の剣』で、戦闘力のない「生産系テイマー」として雑用をこなす心優しい青年、レイン。
彼の育てる愛らしい魔物たちが、実はパーティの装備に【神の祝福】を与え、その強さの根源となっていることに誰も気づかず、仲間からは「餌代ばかりかかる寄生虫」と蔑まれていた。
「お前はもういらない」
ついに理不尽な追放宣告を受けるレイン。
だが、彼と魔物たちがパーティを去った瞬間、最強だったはずの勇者の聖剣はただの鉄クズに成り果てた。祝福を失った彼らは、格下のモンスターに惨敗を喫する。
――彼らはまだ、自分たちが捨てたものが、どれほど偉大な宝だったのかを知らない。
一方、レインは愛する魔物たち(スライム、ゴブリン、コカトリス、マンドラゴラ)との穏やかな生活を求め、人里離れた辺境の地で新たな暮らしを始める。
生活のためにギルドへ持ち込んだ素材は、実は大陸の歴史を塗り替えるほどの「神話級」のアイテムばかりだった!?
彼の元にはエルフやドワーフが集い、静かな湖畔の廃屋は、いつしか世界が注目する「聖域」へと姿を変えていく。
そして、レインはまだ知らない。
夜な夜な、彼が寝静まった後、愛らしい魔物たちが【美少女】の姿となり、
「れーんは、きょーも優しかったの! だからぽるん、いーっぱいきらきらジェル、あげたんだよー!」
「わ、私、今日もちゃんと硬い石、置けました…! レイン様、これがあれば、きっともう危ない目に遭いませんよね…?」
と、彼を巡って秘密のお茶会を繰り広げていることを。
そして、彼が築く穏やかな理想郷が、やがて大国の巨大な陰謀に巻き込まれていく運命にあることを――。
理不尽に全てを奪われた心優しいテイマーが、健気な“家族”と共に、やがて世界を動かす主となる。
王道追放ざまぁ × 成り上がりスローライフ × 人外ハーモニー!
HOT男性49位(2025年9月3日0時47分)
→37位(2025年9月3日5時59分)→18位(2025年9月5日10時16分)
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
最強チート承りました。では、我慢はいたしません!
しののめ あき
ファンタジー
神託が下りまして、今日から神の愛し子です!〜最強チート承りました!では、我慢はいたしません!〜
と、いうタイトルで12月8日にアルファポリス様より書籍発売されます!
3万字程の加筆と修正をさせて頂いております。
ぜひ、読んで頂ければ嬉しいです!
⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
非常に申し訳ない…
と、言ったのは、立派な白髭の仙人みたいな人だろうか?
色々手違いがあって…
と、目を逸らしたのは、そちらのピンク色の髪の女の人だっけ?
代わりにといってはなんだけど…
と、眉を下げながら申し訳なさそうな顔をしたのは、手前の黒髪イケメン?
私の周りをぐるっと8人に囲まれて、謝罪を受けている事は分かった。
なんの謝罪だっけ?
そして、最後に言われた言葉
どうか、幸せになって(くれ)
んん?
弩級最強チート公爵令嬢が爆誕致します。
※同タイトルの掲載不可との事で、1.2.番外編をまとめる作業をします
完了後、更新開始致しますのでよろしくお願いします
勇者パーティーを追放されました。国から莫大な契約違反金を請求されると思いますが、払えますよね?
猿喰 森繁
ファンタジー
「パーティーを抜けてほしい」
「え?なんて?」
私がパーティーメンバーにいることが国の条件のはず。
彼らは、そんなことも忘れてしまったようだ。
私が聖女であることが、どれほど重要なことか。
聖女という存在が、どれほど多くの国にとって貴重なものか。
―まぁ、賠償金を支払う羽目になっても、私には関係ないんだけど…。
前の話はテンポが悪かったので、全文書き直しました。
『異世界に転移した限界OL、なぜか周囲が勝手に盛り上がってます』
宵森みなと
ファンタジー
ブラック気味な職場で“お局扱い”に耐えながら働いていた29歳のOL、芹澤まどか。ある日、仕事帰りに道を歩いていると突然霧に包まれ、気がつけば鬱蒼とした森の中——。そこはまさかの異世界!?日本に戻るつもりは一切なし。心機一転、静かに生きていくはずだったのに、なぜか事件とトラブルが次々舞い込む!?
チート無しっ!?黒髪の少女の異世界冒険記
ノン・タロー
ファンタジー
ごく普通の女子高生である「武久 佳奈」は、通学途中に突然異世界へと飛ばされてしまう。
これは何の特殊な能力もチートなスキルも持たない、ただごく普通の女子高生が、自力で会得した魔法やスキルを駆使し、元の世界へと帰る方法を探すべく見ず知らずの異世界で様々な人々や、様々な仲間たちとの出会いと別れを繰り返し、成長していく記録である……。
設定
この世界は人間、エルフ、妖怪、獣人、ドワーフ、魔物等が共存する世界となっています。
その為か男性だけでなく、女性も性に対する抵抗がわりと低くなっております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる