ヘファイストスの灯火 ~森の中で眠り続けている巨大ゴーレムを発見した少女、継承した鍛冶魔法の力を操り剣でもドレスでもどんどん作りあげる~

あきさけ

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第4部 浅はかな戦争 第1章 戦争の始まり

71. 攻撃開始!

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 ヘファイストスを使い敵に発見されないよう大きく迂回をしながら進むこと一週間、ようやく攻撃目標の基地に到着した。
 基地って言ってもたくさんの物資が積まれていて見張りのエンシェントフレームや兵士がたくさんいるだけだけどね。
 さて、これからはどうしよう?

「ヘファイストス、ここからは一気に切り込むの?」

『それもいいが遠距離専用の射撃兵器も用意してある。これを使おう』

「射撃兵器? いつの間に……」

『平和だった3年間の間にいろいろと準備をしておいた。彼の国が攻め込んでくるのは既定路線だったからな』

「いや、まあ、そうだけど」

 ヘファイストスって結構用心深いところがあるんだよね。
 特に準備時間が長いときはさ。
 あたしとしては大助かりなんだけど、ここまで用意周到だと次になにが出てくるか恐ろしくもある。
 でも、今回は大助かりかな?
 ひとりで攻め込むにはちょっと数が多いしね。

「それで、今回はどんな兵器を使うの?」

『今回使う兵器はこれだ』


********************
***見張り兵


「ふぁーあ。退屈だぜ」

「そう言うなよ、俺たちの仕事だって重要な任務なんだからよ」

「そうは言われてもなぁ。こんな前線から離れた補給基地を腰抜けのマナストリアが襲ってくるのか?」

「その通りではあるが、念のためな」

 はあ、本当に退屈だ。
 前線で戦う部隊に配属されなかったのはラッキーだったが、補給部隊がここまで退屈だとは思いもしなかったぜ。
 いまは冬だから寒いし早く交代の時間にならねぇかな。

「ん?」

「どうした?」

「いや。小さな虫が飛んでいた」

「虫?」

「ああ、虫だ。この季節にこんな場所を飛んでいるとは珍しいな」

「寒さに強い虫でもいるんじゃないのか? マナストリアの田舎だし」

「そうかもしれんな。気にする事でもないか」

「ああ。気にする事じゃ」

 その瞬間、見張りに立っていたエンシェントフレームから大きな爆発音が響き渡り体勢が崩れていった。
 なんだ、何が起こった!?

「おい!」

「ああ!」

 俺は慌てて警鐘を鳴らそうとした。
 だが、その瞬間また爆発が起こり、俺も吹き飛ばされ意識を失ってしまう。
 何が起こったんだ?


********************
***アウラ


「うわぁ。えげつない兵器ね」

 今回ヘファイストスが使った兵器は、エクスプロージョンバグスっていう虫みたいな兵器。
 本当に指先程度の大きさしかない虫なのに、これがかなりの威力で爆発するんだ。
 ヘファイストスはそれを使って、まずはエンシェントフレーム部隊の駆動系を破壊、動けなくした。
 そのあと、基地の至る所を爆破したから結構な被害が出ていると思う。
 というか、たくさんの死者も出ているよね。

『ふむ。想定よりも威力が低かったな』

「これでも威力が足りなかったわけね」

『ああ。とりあえず、物資をもらって帰ろう。出来ればエンシェントフレームももらって帰りたいところだ』

「中にいる兵士を気絶させてコクピットから放り出せば可能ね。やってみましょう」

『そちらに有効そうな兵器も開発してある。存分に使ってくれ』

 本当に用意周到なヘファイストスなんだから。
 おかげで、この基地に集めたあった装備や食料などの物資すべてと駆動系を破壊したエンシェントフレームすべてを奪い取る事に成功したわけなんだけど。
 敵軍?
 とりあえずテントの中に放り込んでおいたし大丈夫なんじゃない?
 食料も移動の足になる車両もエンシェントフレームも奪っちゃったけどがんばって生きてね。
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