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おまけ(その後の物語)
王都の噂話 〜二人を見守る瞳〜
しおりを挟む1. 街の人々の声(広場の噴水近くにて)
「ねえ、見たかい? 昨日のパレード。セレーナ様、昔よりずっとお綺麗になられて……。あの黄金の瞳に見つめられると、なんだか体中の悪いところがスッと消えていくような気がするんだよ」
「ああ、それより隣の騎士アリオス様だよ! 昔はよくうちの婆さんの荷物を持ってくれたり、迷子と追いかけっこしたりしてた、あのお節介な兄ちゃんがさ、今じゃ王女様の唯一無二の守護者様だ。……でも、セレーナ様を見つめる時だけは、昔の『お人好しのアリオス』の顔に戻るんだよな。見てるこっちが照れちまうよ」
2. 王宮で働く人の声(厨房の裏話)
「ちょっと、今日のデザートも気合入れなきゃダメよ! セレーナ様が召し上がるんだから。……でも、アリオス様が一緒だと、セレーナ様は甘いものよりアリオス様のお喋りに夢中になって、なかなかスプーンが進まないのよね(笑)」
「わかるわ。給仕に行くと、アリオス様がセレーナ様の口元についたソースを、あの『思い出の白いハンカチ』で、それはそれは大事そうに拭いてあげてるの。お二人の周りだけ、いつも春の陽だまりみたいで……あんなに仲の良いご夫婦、王宮始まって以来じゃないかしら?」
3. 聖騎士団、団長と同僚の声(稽古場にて)
同僚A:「アリオスの野郎、今日も非番だってよ。セレーナ様と森の小屋へ行くんだとさ。まったく、昔から『迷子になる』って嘘ついて通ってた甲斐があったな!」
同僚B:「でもさ、あいつの剣、最近一段と鋭くなったと思わないか? 『守るべき人がいる男は強い』って団長が言ってたけど、今のあいつに勝てる奴はこの国にいないだろ」
騎士団長:(遠くで素振りをするアリオスを見ながら)「ふん、あのお調子者が……。だが、あいつの『真っ直ぐさ』が、十年間閉ざされていた王室の扉をこじ開けたのは事実だ。……あいつにセレーナ様を任せておけば、この国の未来は安泰だろうよ(微笑み)」
4. 国王と王妃の独白(夜の執務室にて)
王妃:「あなた、見ましたか? 今日の午後、庭園でアリオス様がセレーナの髪にバラの花を挿してあげていたの。あの子、あんなに幸せそうに笑って……」
国王:「ああ、見ていたよ。……正直に言えば、最初はあのアリオスという若造が、私の大事な娘を騙しているのではないかと気が気ではなかった。だが、あいつは娘の『呪い』と言われた力すら、真っ直ぐに愛した。……私にはできなかったことを、あいつはやり遂げたんだ」
王妃:「ええ。あの子たちを見ていると、私たちの若かりし頃を思い出しますわ。……いいえ、あの子たちの方が、ずっと勇敢で、ずっと素敵ね」
5. 黄金の小鳥と精霊たち(森の小屋の屋根の上)
「ピピピッ!(ねえ、今日もお茶してるよ。あのアリオスって騎士、またセレーナの名前を呼んで顔を赤くさせてる!)」
「(キラキラ……と光る精霊たち)……嬉しい、温かい。セレーナの魔力が、もう悲しみで濁っていない。二人が手を繋ぐたびに、森の木々が喜んでいるわ。……ずっと、ずっと、この光が続きますように」
後記:街の人からは「親しみやすい英雄」として、王室からは「救世主」として、そして家族からは「最愛の息子」のように。
アリオスとセレーナは、単なる王族と騎士という枠を越えて、関わる全ての人に「愛する勇気」を与える象徴となったようです。
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