4 / 35
第1章 そして幕が上がる
第4話 王国第一王子(1)
しおりを挟む
シルクの夜会用ドレスに着替え終わった私は、カタリナに化粧を施されていた。
「あーあ、とうとう夕方になっちゃった。
やだなー、逃げ出していーい?」
カタリナがクスリと笑みをこぼす。
「それはお諦めください」
「ちぇー!」
コルセットで締め付けられてるから、食事だって楽しめない。
ただ微笑んで、挨拶をして、顔と名前を覚えるだけの時間だ。
……まぁ、私は人の名前を覚えるのが苦手なんだけども。
公爵家の娘として『それはどうなんだろー?』とは思うんだけど、覚えられない物は仕方がない。
化粧を施し終えたカタリナが告げる。
「メルフィナお嬢様、仕上がりました」
目を開けると、ドレッサーの鏡には金髪をアップに固めて派手なメイクをした自分が映ってる。
「なんで夜会ってこう派手な化粧をするの?!」
「そういうものですので、お諦めください」
もー! 納得いかない!
私はカタリナと共に、侯爵家別邸のホール控室へと向かった。
****
遠くから楽団の演奏が聞こえる。
もう来賓が来てる時間か。
ステファン第一王子だっけ? どんな人なのかなぁ。
王家の親戚だけど、王族と会うのは初めてだ。ちょっと緊張する。
入口のドアがノックされ、シュバイクおじさまが姿を見せた。
「メルフィナ、出番だよ」
「はい、おじさま」
私はおじさまにエスコートされながら、来賓が待つホールへと向かった。
****
――うわ、大勢来てるなぁ。
ホールには数十人の貴族たちの姿があった。
みんなの視線が私に向けられる。
私はジルケ公爵家を背負った気持ちで、背筋を伸ばして歩いていく。
すぐにこちらに来賓たちが近寄ってきて言葉を交わす。
伯爵、侯爵、子爵に男爵。その家族。
覚えられるかーっ?!
だけど顔は微笑みを絶やさず、こう答える。
「ジルケ公爵家が娘、メルフィナ・クララ・ゴルデナーシルト・フォン・ジルケでございます。
王都の社交界でもよろしくお願い致しますわね」
さすがに外面を取り繕うぐらいはできる。
そうこうしてると、おじさまが私に告げる。
「さぁ、ステファン殿下がお見えだよ」
おじさまの視線の先、貴族たちの向こう側に揺れる金髪が見えた。
人混みを抜けて来たその姿――それに私は言葉を失った。
――ハインツ?!
緩く伸ばした金髪、翡翠色の瞳、そして自信に満ち溢れた笑み。
……ううん、夢の中の『ハインツ』とは少し違う。だけど面影は色濃く感じていた。
隣にはシルバーブロンドの令嬢を連れている。彼女がサラ・フォン・ノウマン侯爵令嬢かな。
彼が私の目の前に来たので、カーテシーで腰を落とす。
「君がメルフィナだね。
私はステファン・ルーカス・グランツシュヴェルト・フォン・ブライテンブルンだ。
同じ魔導学院に通うと聞いている。よろしく頼むよ」
「はい、ジルケ公爵家が娘、メルフィナ・クララ・ゴルデナーシルト・フォン・ジルケでございます。
本日はようこそおいでくださいました」
ステファン殿下の隣から令嬢が告げる。
「私はステファン殿下の婚約者、サラ・タニヤ・ラインクヴェル・フォン・ノウマンですわ。
私も魔導学院に通うことになってますの。よろしくお願いしますね」
穏やかな慈愛に満ちた笑み、それでいて意志の強そうな灰色の瞳。
誰かを思い出す――まさか、『聖女コルネリア』?!
「……こちらこそ、よろしくお願い致しますわ、サラ様」
なんとか言葉を絞り出したけど、なんで『夢の中の人』のそっくりさんが二人も現れるの?
私は混乱しながら、目立たないように二人を観察していった。
見れば見るほど、『ハインツ』と『コルネリア』だ。
シュバイクおじさまと言葉を交わしていたステファン殿下が、ふと私に視線を向けた。
「シュバイク侯爵、少しメルフィナ嬢を借りてもいいか」
おじさまは少し驚いたようだけど、すぐに頷いた。
「ええ、構いませんとも」
ステファン殿下は私の手を取り、テラスに向かって歩き出した。
「少し夜風に当たろう。君も疲れただろう?」
「え、ええ……」
刺すようなサラ様の視線を背中に感じながら、私はステファン殿下にエスコートされてテラスに出た。
****
テラスの端まで行くと、夜空に満月が浮かんで見えた。
二人で月を見上げると、その影がテラスに落ちているのがわかる。
ステファン殿下が告げる。
「君とは初めて会った気がしない」
――何言ってんのこの人?!
「陳腐な口説き文句ですわね」
月を見上げたままステファン殿下が答える。
「どこかで会ったことはないか」
「私は王都に初めて参りました。
殿下にお会いする機会は、本日までなかったはずですわ」
ステファン殿下が私に振り返って告げる。
「だが君の顔を見ていると、どこか懐かしい気持ちになる」
その目には確かな情熱を感じた。
――そんな『ハインツ』と同じ瞳で、私を見ないで!
私はなんとか平静を取り繕って答える。
「殿下、婚約者がある身でそのようなことを仰ってはいけませんわ」
殿下がフッと寂し気な笑みを浮かべた。
「親の決めたことだ。私の意思ではない。
ノウマン侯爵家は有力な貴族、ただそれだけだ」
――これ、マジで誰かに聞かれたらヤバイ話題なのでは~?!
私は背中に冷や汗を流しながら、どう受け流そうか悩んだ。
正直に言えば、『ハインツ』の面影を感じる殿下に言い寄られて悪い気はしない。
美形だと思うし、もし中身も『ハインツ』そっくりなら、男性として申し分がない。
まるで私の中に『カリナ』が居るかのように、今すぐその胸に飛び込みたい衝動を我慢していた。
だけど、さすがに泥沼の関係は嫌だなぁ。
そんな私の複雑な胸中も知らず、ステファン殿下が続ける。
「もしも伴侶を選べるのなら、私は君のような人がいい」
私は困惑しながらも、微笑みを絶やさず答える。
「出会って間もないのに、私の何がわかるというのですか?」
「一目惚れ、と言ったら信じるか」
「お戯れを。そのようなことを仰ってはなりません。
ステファン殿下、お立場をお考え下さい」
「だが本当のことだ」
まだ引かないの?! どんだけグイグイくるのこの王子様?!
「……私のことを知れば、きっと幻滅なさいますよ。
私は男性が夢見る女にはなれませんから」
「構わない。君であれば、それでいい」
本当に諦めないなぁ?! どうやって切り抜けよう……。
――突然、『私』の勘が大音量で警告を発した。
「殿下! 伏せて!」
そのまま殿下を地面に押し倒し、即座に『私』が半透明の防御結界を展開する。
展開し終わった防御結界が、飛来する『なにか』を破裂音と共に弾き返していた。
地面に転がり落ちた『なにか』――黒塗りの矢?!
「――刺客です! 誰か来てください!
殿下をお守りしてください!」
私の突然の行動に驚いていた周囲の衛兵や騎士たちが、慌てて動き出し周囲を取り囲んだ。
それまで感じていた殺気の高まりが薄まっていき、『私』の警告音も鳴りやんだ。
――助かった、のかな。
私は安堵のため息をついた。
ステファン殿下が地面に倒れながら見上げてきて告げる。
「お前はもう魔導術式を使えるのか?」
「……いえ、私も咄嗟のことでしたので、何が何やら。
ただ、体が勝手に動きました」
通常、魔導術式を習うのは魔導学院に通う十五歳以降だ。
私たちと同年代で、こんな魔導を使える人間は居ないはず。
……この防御結界、もしかしなくても『カリナ』の使ってた奴だよね。
あっ?! いけない!
「失礼しました殿下、お怪我はありませんか?」
私は立ち上がってから、殿下に手を差し伸べる。
ステファン殿下は私の手を取り、ゆっくりと立ち上がった。
「……ステファン」
「はい?」
意味が分からず聞き返してしまった。
ステファン殿下がニヤリと微笑んで私に告げる。
「俺のことはステファンと呼び捨てにしろ」
――はぁ?!
殿下は混乱する私に構わず続ける。
「やっぱりお前のことは、初めて会った気がしない。
ずっと遠い昔も、こうして守ってもらっていたような気がする。
そんな奴に敬語など使われては、背中がむず痒くなる」
「いえ殿下、そのような――」
「ステファンだ」
言葉を遮ってまで言うこと?!
「……ステファン様、婚約者がいらっしゃる身だというご自覚が――」
「ステファンだ。様は要らん。敬語も抜け」
く~?! わがままな!
「……ステファン、これでいい?
でもこれ、不敬罪にならないの?」
ステファンがニヤリと満足げに微笑んだ。
「うむ! やはりこうでないとな!
まぁ公の場では控えてくれ」
「言われなくてもそうするよ!」
私は思わず大きなため息をついてしまった。
とんだトラブルメーカーだ。
でも、ステファンの笑顔を見ていると胸が熱くなる。
まるで夢の中で『カリナ』が『ハインツ』を見て居る時みたいに――。
私たちは少しの間、月明かりの下で微笑みを交わしあっていた。
「あーあ、とうとう夕方になっちゃった。
やだなー、逃げ出していーい?」
カタリナがクスリと笑みをこぼす。
「それはお諦めください」
「ちぇー!」
コルセットで締め付けられてるから、食事だって楽しめない。
ただ微笑んで、挨拶をして、顔と名前を覚えるだけの時間だ。
……まぁ、私は人の名前を覚えるのが苦手なんだけども。
公爵家の娘として『それはどうなんだろー?』とは思うんだけど、覚えられない物は仕方がない。
化粧を施し終えたカタリナが告げる。
「メルフィナお嬢様、仕上がりました」
目を開けると、ドレッサーの鏡には金髪をアップに固めて派手なメイクをした自分が映ってる。
「なんで夜会ってこう派手な化粧をするの?!」
「そういうものですので、お諦めください」
もー! 納得いかない!
私はカタリナと共に、侯爵家別邸のホール控室へと向かった。
****
遠くから楽団の演奏が聞こえる。
もう来賓が来てる時間か。
ステファン第一王子だっけ? どんな人なのかなぁ。
王家の親戚だけど、王族と会うのは初めてだ。ちょっと緊張する。
入口のドアがノックされ、シュバイクおじさまが姿を見せた。
「メルフィナ、出番だよ」
「はい、おじさま」
私はおじさまにエスコートされながら、来賓が待つホールへと向かった。
****
――うわ、大勢来てるなぁ。
ホールには数十人の貴族たちの姿があった。
みんなの視線が私に向けられる。
私はジルケ公爵家を背負った気持ちで、背筋を伸ばして歩いていく。
すぐにこちらに来賓たちが近寄ってきて言葉を交わす。
伯爵、侯爵、子爵に男爵。その家族。
覚えられるかーっ?!
だけど顔は微笑みを絶やさず、こう答える。
「ジルケ公爵家が娘、メルフィナ・クララ・ゴルデナーシルト・フォン・ジルケでございます。
王都の社交界でもよろしくお願い致しますわね」
さすがに外面を取り繕うぐらいはできる。
そうこうしてると、おじさまが私に告げる。
「さぁ、ステファン殿下がお見えだよ」
おじさまの視線の先、貴族たちの向こう側に揺れる金髪が見えた。
人混みを抜けて来たその姿――それに私は言葉を失った。
――ハインツ?!
緩く伸ばした金髪、翡翠色の瞳、そして自信に満ち溢れた笑み。
……ううん、夢の中の『ハインツ』とは少し違う。だけど面影は色濃く感じていた。
隣にはシルバーブロンドの令嬢を連れている。彼女がサラ・フォン・ノウマン侯爵令嬢かな。
彼が私の目の前に来たので、カーテシーで腰を落とす。
「君がメルフィナだね。
私はステファン・ルーカス・グランツシュヴェルト・フォン・ブライテンブルンだ。
同じ魔導学院に通うと聞いている。よろしく頼むよ」
「はい、ジルケ公爵家が娘、メルフィナ・クララ・ゴルデナーシルト・フォン・ジルケでございます。
本日はようこそおいでくださいました」
ステファン殿下の隣から令嬢が告げる。
「私はステファン殿下の婚約者、サラ・タニヤ・ラインクヴェル・フォン・ノウマンですわ。
私も魔導学院に通うことになってますの。よろしくお願いしますね」
穏やかな慈愛に満ちた笑み、それでいて意志の強そうな灰色の瞳。
誰かを思い出す――まさか、『聖女コルネリア』?!
「……こちらこそ、よろしくお願い致しますわ、サラ様」
なんとか言葉を絞り出したけど、なんで『夢の中の人』のそっくりさんが二人も現れるの?
私は混乱しながら、目立たないように二人を観察していった。
見れば見るほど、『ハインツ』と『コルネリア』だ。
シュバイクおじさまと言葉を交わしていたステファン殿下が、ふと私に視線を向けた。
「シュバイク侯爵、少しメルフィナ嬢を借りてもいいか」
おじさまは少し驚いたようだけど、すぐに頷いた。
「ええ、構いませんとも」
ステファン殿下は私の手を取り、テラスに向かって歩き出した。
「少し夜風に当たろう。君も疲れただろう?」
「え、ええ……」
刺すようなサラ様の視線を背中に感じながら、私はステファン殿下にエスコートされてテラスに出た。
****
テラスの端まで行くと、夜空に満月が浮かんで見えた。
二人で月を見上げると、その影がテラスに落ちているのがわかる。
ステファン殿下が告げる。
「君とは初めて会った気がしない」
――何言ってんのこの人?!
「陳腐な口説き文句ですわね」
月を見上げたままステファン殿下が答える。
「どこかで会ったことはないか」
「私は王都に初めて参りました。
殿下にお会いする機会は、本日までなかったはずですわ」
ステファン殿下が私に振り返って告げる。
「だが君の顔を見ていると、どこか懐かしい気持ちになる」
その目には確かな情熱を感じた。
――そんな『ハインツ』と同じ瞳で、私を見ないで!
私はなんとか平静を取り繕って答える。
「殿下、婚約者がある身でそのようなことを仰ってはいけませんわ」
殿下がフッと寂し気な笑みを浮かべた。
「親の決めたことだ。私の意思ではない。
ノウマン侯爵家は有力な貴族、ただそれだけだ」
――これ、マジで誰かに聞かれたらヤバイ話題なのでは~?!
私は背中に冷や汗を流しながら、どう受け流そうか悩んだ。
正直に言えば、『ハインツ』の面影を感じる殿下に言い寄られて悪い気はしない。
美形だと思うし、もし中身も『ハインツ』そっくりなら、男性として申し分がない。
まるで私の中に『カリナ』が居るかのように、今すぐその胸に飛び込みたい衝動を我慢していた。
だけど、さすがに泥沼の関係は嫌だなぁ。
そんな私の複雑な胸中も知らず、ステファン殿下が続ける。
「もしも伴侶を選べるのなら、私は君のような人がいい」
私は困惑しながらも、微笑みを絶やさず答える。
「出会って間もないのに、私の何がわかるというのですか?」
「一目惚れ、と言ったら信じるか」
「お戯れを。そのようなことを仰ってはなりません。
ステファン殿下、お立場をお考え下さい」
「だが本当のことだ」
まだ引かないの?! どんだけグイグイくるのこの王子様?!
「……私のことを知れば、きっと幻滅なさいますよ。
私は男性が夢見る女にはなれませんから」
「構わない。君であれば、それでいい」
本当に諦めないなぁ?! どうやって切り抜けよう……。
――突然、『私』の勘が大音量で警告を発した。
「殿下! 伏せて!」
そのまま殿下を地面に押し倒し、即座に『私』が半透明の防御結界を展開する。
展開し終わった防御結界が、飛来する『なにか』を破裂音と共に弾き返していた。
地面に転がり落ちた『なにか』――黒塗りの矢?!
「――刺客です! 誰か来てください!
殿下をお守りしてください!」
私の突然の行動に驚いていた周囲の衛兵や騎士たちが、慌てて動き出し周囲を取り囲んだ。
それまで感じていた殺気の高まりが薄まっていき、『私』の警告音も鳴りやんだ。
――助かった、のかな。
私は安堵のため息をついた。
ステファン殿下が地面に倒れながら見上げてきて告げる。
「お前はもう魔導術式を使えるのか?」
「……いえ、私も咄嗟のことでしたので、何が何やら。
ただ、体が勝手に動きました」
通常、魔導術式を習うのは魔導学院に通う十五歳以降だ。
私たちと同年代で、こんな魔導を使える人間は居ないはず。
……この防御結界、もしかしなくても『カリナ』の使ってた奴だよね。
あっ?! いけない!
「失礼しました殿下、お怪我はありませんか?」
私は立ち上がってから、殿下に手を差し伸べる。
ステファン殿下は私の手を取り、ゆっくりと立ち上がった。
「……ステファン」
「はい?」
意味が分からず聞き返してしまった。
ステファン殿下がニヤリと微笑んで私に告げる。
「俺のことはステファンと呼び捨てにしろ」
――はぁ?!
殿下は混乱する私に構わず続ける。
「やっぱりお前のことは、初めて会った気がしない。
ずっと遠い昔も、こうして守ってもらっていたような気がする。
そんな奴に敬語など使われては、背中がむず痒くなる」
「いえ殿下、そのような――」
「ステファンだ」
言葉を遮ってまで言うこと?!
「……ステファン様、婚約者がいらっしゃる身だというご自覚が――」
「ステファンだ。様は要らん。敬語も抜け」
く~?! わがままな!
「……ステファン、これでいい?
でもこれ、不敬罪にならないの?」
ステファンがニヤリと満足げに微笑んだ。
「うむ! やはりこうでないとな!
まぁ公の場では控えてくれ」
「言われなくてもそうするよ!」
私は思わず大きなため息をついてしまった。
とんだトラブルメーカーだ。
でも、ステファンの笑顔を見ていると胸が熱くなる。
まるで夢の中で『カリナ』が『ハインツ』を見て居る時みたいに――。
私たちは少しの間、月明かりの下で微笑みを交わしあっていた。
1
あなたにおすすめの小説
<完結>溺愛最強 ~気づいたらゲームの世界に生息していましたが、悪役令嬢でもなければ断罪もされないので、とにかく楽しむことにしました~
夏笆(なつは)
恋愛
「おねえしゃま。こえ、すっごくおいしいでし!」
弟のその言葉は、晴天の霹靂。
アギルレ公爵家の長女であるレオカディアは、その瞬間、今自分が生きる世界が前世で楽しんだゲーム「エトワールの称号」であることを知った。
しかし、自分は王子エルミニオの婚約者ではあるものの、このゲームには悪役令嬢という役柄は存在せず、断罪も無いので、攻略対象とはなるべく接触せず、穏便に生きて行けば大丈夫と、生きることを楽しむことに決める。
醤油が欲しい、うにが食べたい。
レオカディアが何か「おねだり」するたびに、アギルレ領は、周りの領をも巻き込んで豊かになっていく。
既にゲームとは違う展開になっている人間関係、その学院で、ゲームのヒロインは前世の記憶通りに攻略を開始するのだが・・・・・?
小説家になろうにも掲載しています。
本編完結済み。
続きのお話を、掲載中です。
続きのお話も、完結しました。
忘れ去られた婚約者
かべうち右近
恋愛
『僕はレベッカしか選ばない』
甘い声音でそう話したはずの王太子サイラスは、レベッカを忘れてしまった。
レベッカは、王太子サイラスと付き合っていることを、ある事情により隠していた。舞踏会で関係を公表し、婚約者に指名される予定だったのに、舞踊会の夜にサイラスは薬を盛られて倒れ、記憶喪失になってしまう。
恋人が誰なのかわからないのをいいことに、偽の恋人が次々と名乗りをあげ王太子の婚約者の座を狙ってくる。おかげで不信に陥ったサイラスに、レベッカは自分が恋人だと名乗り出せなくなってしまった。
サイラスの記憶喪失を解消するため、薬師兼魔女であるレベッカは恋人であることを隠しながら、事件調査を協力することになった。そうして記憶が戻らないまま二人の距離は再び近づいていく。だが、そんなおりにサイラスの偽の恋人を名乗りでた令嬢たちが、次々と襲われる事件も起き始めて……!?
※他のサイトにも掲載しています。
毎日更新です。
行き遅れのお節介令嬢、氷の公爵様と結婚したら三人娘の母になりました
鳥柄ささみ
恋愛
お節介焼きで困っている人を放っておけないシアは、数多のご令嬢達から人気の令嬢だ。毎日ファンレターが届き、社交界に出れば令嬢に取り囲まれるほどである。
けれど、それに反比例するように男性からの人気はなく、二十七だというのに嫁の貰い手もないため、毎日母から小言をもらっていた。
そんなある日のこと、突然公爵家から縁談の話が。
シアは公爵家がなぜ自分に縁談など持ち掛けるのかと訝しく思いつつ話を受けると、なんと公爵の後妻として三人の娘の母代わりになれと言われる。
困惑するも、自分へ縁談を持ちかけた理由を聞いて、お節介なシアは嫁ぐこと決めたのだった。
夫になるレオナルドはイケメンなのに無表情で高圧的。三人の娘も二女のアンナを除いて長女のセレナも三女のフィオナもとても反抗的。
そんな中でもお節介パワーを発揮して、前向きに奮闘するシアの物語。
※他投稿サイトにも掲載中
身代わりで呪いの公爵に嫁ぎましたが、聖女の力で浄化したら離縁どころか国一番の溺愛妻になりました〜実家が泣きついてももう遅い〜
しょくぱん
恋愛
「お前のような無能は、死神の生贄にでもなっていろ」
魔力なしの無能と蔑まれ、家族に虐げられてきた伯爵令嬢レティシア。 彼女に命じられたのは、近づく者すべてを病ませるという『呪いの公爵』アレクシスへの身代わり結婚だった。
鉄格子の馬車で運ばれ、たどり着いたのは瘴気に満ちた死の城。 恐ろしい怪物のような男に殺される――。 そう覚悟していたレティシアだったが、目の前の光景に絶望よりも先に別の感情が湧き上がる。
(な、何これ……汚すぎるわ! 雑巾とブラシはどこ!?)
実は、彼女が「無能」と言われていたのは、その力が『洗浄』と『浄化』に特化した特殊な聖女の魔力だったから。
レティシアが掃除をすれば、呪いの瘴気は消え去り、枯れた大地には花が咲き、不気味だった公爵城はまたたく間にピカピカの聖域に塗り替えられていく。 さらには、呪いで苦しんでいたアレクシスの素顔は、見惚れるほどの美青年で――。
「レティシア、君は一体何者なんだ……? 体が、こんなに軽いのは初めてだ」
冷酷だったはずの公爵様から、まさかの執着と溺愛。 さらには、呪いが解けたことで領地は国一番の豊かさを取り戻していく。
一方で、レティシアを捨てた実家は、彼女の『浄化』を失ったことで災厄に見舞われ、今さら「戻ってきてくれ」と泣きついてくるが……。
「私は今、お城の掃除と旦那様のお世話で忙しいんです。お引き取りくださいませ」
これは、掃除を愛する薄幸令嬢が、その愛と魔力で死神公爵を救い、最高に幸せな居場所を手に入れるまでのお話。
大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!
古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。
その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。
『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』
昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。
領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。
一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――
【大賞・完結】地味スキル《お片付け》は最強です!社畜OL、異世界でうっかり国を改革しちゃったら、騎士団長と皇帝陛下に溺愛されてるんですが!?
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
【第18回ファンタジー小説大賞で大賞をいただきました】→【規約変更で書籍化&コミカライズ「確約」は取り消しになりました。】
佐藤美佳子(サトウ・ミカコ)、享年28歳。死因は、過労。連日の徹夜と休日出勤の果てに、ブラック企業のオフィスで静かに息を引き取った彼女が次に目覚めたのは、剣と魔法のファンタジー世界だった。
新たな生を受けたのは、田舎のしがない貧乏貴族の娘、ミカ・アシュフィールド、16歳。神様がくれた転生特典は、なんと《完璧なる整理整頓》という、とんでもなく地味なスキルだった。
「せめて回復魔法とかが良かった……」
戦闘にも生産にも役立たないスキルに落胆し、今度こそは静かに、穏やかに生きたいと願うミカ。しかし、そんな彼女のささやかな望みは、王家からの突然の徴収命令によって打ち砕かれる。
「特殊技能持ちは、王宮へ出仕せよ」
家族を守るため、どうせ役立たずと追い返されるだろうと高をくくって王都へ向かったミカに与えられた任務は、あまりにも無謀なものだった。
「この『開かずの倉庫』を、整理せよ」
そこは、数百年分の備品や資材が山と積まれ、あまりの混沌ぶりに探検隊が遭難したとまで噂される、王家最大の禁足地。
絶望的な光景を前に、ミカが覚悟を決めてスキルを発動した瞬間――世界は、彼女の「お片付け」が持つ真の力に震撼することになる。
これは、地味スキルでうっかり国のすべてを最適化してしまった元社畜令嬢が、カタブツな騎士団長や有能すぎる皇帝陛下にその価値を見出され、なぜか過保護に甘やかされてしまう、お仕事改革ファンタジー。
「無能」と捨てられた少女は、神の愛し子だった――。 凍てつく北の地で始まる、聖獣たちと冷徹公爵による「世界一過保護な」逆転生活。
秦江湖
恋愛
魔法適性「鑑定」がすべてを決める、黄金の国ルミナリス。 名門ベルグラード公爵家の末娘アデリーンは、十五歳の鑑定式で、前代未聞の『鑑定不能(黒の沈黙)』を叩き出してしまう。
「我が家の恥さらしめ。二度とその顔を見せるな」
第一王子からは婚約破棄を突きつけられ、最愛の三人の兄たちからも冷酷な言葉とともに、極寒の地「ノースガル公国」へ追放を言い渡されたアデリーン。
着の身着のままで雪原に放り出された彼女が出会ったのは、一匹の衰弱した仔狼――それは、人間には決して懐かないはずの『伝説の聖獣』だった。
「鑑定不能」の正体は、魔力ゼロなどではなく、聖獣と心を通わせる唯一の力『調律師』の証。
行き倒れたアデリーンを救ったのは、誰もが恐れる氷の公爵ゼノスで……。
「こんなに尊い存在を捨てるとは、黄金の国の連中は正気か?」
「聖獣も、私も……お前を離すつもりはない」
氷の公爵に拾われ、聖獣たちに囲まれ、これまでの不遇が嘘のような「極上溺愛」を享受するアデリーン。
一方で、彼女を捨てた黄金の国は、聖獣の加護を失い崩壊の危機に直面していた。
慌ててアデリーンを連れ戻そうとする身勝手な王族たち。
しかし、彼らの前には「復讐」の準備を終えたアデリーンの兄たちが立ちはだかる。
「遅いよ。僕らのかわいい妹を泣かせた罪、一生かけて償ってもらうからね」
これは、すべてを失った少女が、真の居場所と愛を見つけるまでの物語。
【コミカライズ決定】魔力ゼロの子爵令嬢は王太子殿下のキス係
ayame@アンジェリカ書籍化決定
恋愛
【ネトコン12受賞&コミカライズ決定です!】私、ユーファミア・リブレは、魔力が溢れるこの世界で、子爵家という貴族の一員でありながら魔力を持たずに生まれた。平民でも貴族でも、程度の差はあれど、誰もが有しているはずの魔力がゼロ。けれど優しい両親と歳の離れた後継ぎの弟に囲まれ、贅沢ではないものの、それなりに幸せな暮らしを送っていた。そんなささやかな生活も、12歳のとき父が災害に巻き込まれて亡くなったことで一変する。領地を復興させるにも先立つものがなく、没落を覚悟したそのとき、王家から思わぬ打診を受けた。高すぎる魔力のせいで身体に異常をきたしているカーティス王太子殿下の治療に協力してほしいというものだ。魔力ゼロの自分は役立たずでこのまま穀潰し生活を送るか修道院にでも入るしかない立場。家族と領民を守れるならと申し出を受け、王宮に伺候した私。そして告げられた仕事内容は、カーティス王太子殿下の体内で暴走する魔力をキスを通して吸収する役目だったーーー。_______________
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる