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第2章:クラスメイト
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私はお客さんの役をやるため、一度お店の外に出た。
振り返ってみても、ちゃんと喫茶店になっていて、扉の奥でマスターが早苗たちに何かを教えてるのが見える。
……ここが神社かぁ。
ちょっとした感慨を覚えながら、私はドアに手を伸ばした。
私が入店すると、歩美がカウンター席からこちらに歩いてくる。
「いらっしゃいませ、『カフェ・ド・ビジュー・セレニテ』へようこそ。
お客様は一名様ですか」
「はい、そうです」
「ではお席へご案内します。
こちらへどうぞ」
丁寧に手近な席に案内され、メニューを渡された。
私は歩美を見上げて告げる。
「ブレンドを一つ」
「かしこまりました」
歩美は伝票に鉛筆で書きこみ、カウンターに向かって告げる。
「ブレンド一つ入りました」
マスターがうなずいてコーヒーを入れ始める。
歩美がカウンターに戻っていき、コーヒーを入れ終わるのを待っていた。
コーヒーが出来上がると、それをトレイに乗せ静かに歩いてくる。
コトリと小さな音を立てて、カップが私の前に置かれた。
「ごゆっくりどうぞ」
カウンターに戻っていった歩美に、マスターが拍手をしていた。
「よくできてるね。
未経験者なのに迷いがない。
普段から店員の動きを見てるんだね」
歩みが得意気に髪をかき上げた。
「これくらい、当然です」
「――でも、最初にお水を出し忘れてる。
そこだけが減点かな」
歩みが「あっ!」と口を手で押さえていた。
どうやら冷静に見えて、彼女も緊張していたらしい。
マスターがクスクスと笑いながら早苗に告げる。
「次は荒川さんだね。
お客さんの役は、また伊勢佐木さんにお願いしようか」
「はい!」
****
早苗はちょこちょこ手順を忘れかけていたけど、ちょっと待ってあげれば思い出せていた。
マスターがニコリと微笑んで告げる。
「本番でも、今みたいにできれば充分だ。
少しくらいミスしても、怒るようなお客さんはまずこないからね。
もし相手にできないお客さんがいたら、僕が相手をするから安心して」
「はい!」
研修の後片付けをしていると、カランコロンとドアベルが鳴った。
「いらっしゃいませ!」
私たち三人の声が店内に響き渡る。
入ってきたお客さん――顔のない和服のお爺さんが、驚いたようにたじろいでいた。
同時に、早苗と歩美も悲鳴を上げる。
「キャー! お化けー?!」
マスターが楽しそうに口を開く。
「二人とも、落ち着いて。
――三井さん、久しぶりだね。
ごめんね、騒がしくて」
顔のないお爺さん――三井さんが、戸惑うように応える。
「儂はかまわんが……しかし、こりゃ人間かい?
あんたが人間を雇ったって、何年振りだろうねぇ」
「ハハハ! 巫以外を雇ったって意味では、初めてかな?
――荒川さん、接客して」
「――え?! 私ですか?!」
おどおどとした歩美が、マスターと三井さんを交互に眺めた。
マスターが穏やかな表情で歩美に尋ねる。
「接客は無理? じゃあバイトは諦めるってことで、いいかな?」
ハッとした歩美が、マスターの顔を見つめてから自分の頬を両手で叩いた。
「――いえ、できます!」
ゆっくりと歩美が三井さんに近づいて行く――やっぱりちょっと、及び腰かな。
「い、いらっしゃいませ。
『カフェ・ド・ビジュー・セレニテ』へようこそ。
一名様ですか?」
「ああ、そうだよ、お嬢さん」
どこから声を出してるんだろう、三井さん……。
歩美がぎくしゃくした動きで手で示す。
「お席へご案内します。
こちらへどうぞ」
そのまま、三井さんに背中を見せないようにカニ歩きをしながら、席へ案内していく。
……背中を見せるのが怖いのか。
三井さんから楽しそうな声が聞こえる。
「ハッハッハ! 取って食いやしないよ!」
「あはは……」
三井さんがゆっくりと席に座ると、歩美はあわててカウンターに戻り、一息ついていた。
私は歩美を肘で小突きながら告げる。
「歩美、お水お水」
「わ、わかってるってば!」
歩美が冷たいお水を用意して、三井さんの前に持っていき、コトンとコップを置く――手が震えてるなぁ。
三井さんが歩美を見上げて告げる。
「カプチーノ。ダブルで」
渋いものを注文するんだな?!
え?! 和服ののっぺらぼうが、カプチーノをダブルで飲むの?!
歩美も戸惑いながらマスターに振り向いた。
「マスター、カプチーノダブル、お願いします」
「はーい。ちょっと待ってね」
カウンターの奥の機械を操作しながらマスターが応えた。
いつもはブレンドしか出さないから、機械の準備ができてないみたい。
「マスター、このお店のメニューにカプチーノなんてあったの?」
「裏メニューだよ。
三井さんみたいに頼む人が居るから、機械だけは置いてあるんだ」
なるほど……裏メニューか。
カウンターに戻ってきた歩美と早苗が、心細そうに三井さんを見つめて居た。
私は二人に明るい声で告げる。
「あんな風に、『ちょっと変わったお客さん』が来るだけの、普通の喫茶店だよ」
「普通じゃないでしょ?! のっぺらぼうって妖怪だよ?!」
早苗の声に、三井さんが楽しそうに笑った。
「ハハハ! そう呼ばれるのも、久しぶりだねぇ!」
歩美が不安気に私に尋ねる。
「本当に危なくないの?」
私は指に顎を乗せながら考えてみる。
「んー、危ないって感じは全然しないし。
夜のお客さんに比べたら、全然怖くないよ」
「夜のお客さんって、何者なのよ……」
私はニンマリと微笑んで応える。
「それは、見てからのお楽しみ!」
なんだか、私も楽しくなってきたぞ?
この二人はどんなリアクションをするかな?
「荒川さん、お願いね」
カプチーノが出来上がり、カウンターにカップが置かれた。
歩美は震える手でトレイを持ち、そっとカップを乗せると、ゆっくりと三井さんに近づいて行く。
三井さんはそんな歩美の様子を眺めているようだ――顔の向きしか、わからないけど。
カタカタと音を鳴らしながら、カプチーノのカップが三井さんの前に置かれた。
「ご、ごゆっくりどうぞ……」
「ああ、ありがとう。お嬢さん」
三井さんはカプチーノを口に運び、泡の突いた口元(?)で満足気なため息をつく。
「凄いね、とても濃厚な味わいだ。
若いお嬢さんが三人もいるから、それだけ元気になれるのかな?」
言い方ー?! それだと『女の子が好きなお爺ちゃん』みたいだよ、三井さん!
マスターが軽やかに笑う。
「あはは! そうだね、友達が揃ったことで、伊勢佐木さんの力が増したみたいだ。
やっぱり友達と一緒の方が、心が元気になれるのかもね」
私はきょとんとしながらマスターに尋ねる。
「私の元気が、そんなに影響するんですか?」
マスターがニコリと微笑んで、艶めかしい眼差しを寄越してくる。
「もちろんだとも。
心の力が強いほど、巫の力が増すからね。
伊勢佐木さんは最初から心が強い人だったけど、友達と一緒の方が『力が湧く』気にならない?」
その視線に思わずドキッとした。
まぁ、一人で接客対応してるよりは頼もしく感じられるけど。
私が曖昧にうなずくと、マスターが楽しそうにうなずいた。
「細かなことは、わからなくても大丈夫だよ。
君たちがお店にいれば、それだけ美味しいメニューを提供できる。
それだけわかっていれば充分さ」
私は振り返って、早苗たちと一緒に三井さんがカプチーノを飲む姿を見守っていた。
早苗がぽつりと告げる。
「……どこから飲んでるんだろう、三井さん」
それは、誰にも答えがわからない疑問だった。
振り返ってみても、ちゃんと喫茶店になっていて、扉の奥でマスターが早苗たちに何かを教えてるのが見える。
……ここが神社かぁ。
ちょっとした感慨を覚えながら、私はドアに手を伸ばした。
私が入店すると、歩美がカウンター席からこちらに歩いてくる。
「いらっしゃいませ、『カフェ・ド・ビジュー・セレニテ』へようこそ。
お客様は一名様ですか」
「はい、そうです」
「ではお席へご案内します。
こちらへどうぞ」
丁寧に手近な席に案内され、メニューを渡された。
私は歩美を見上げて告げる。
「ブレンドを一つ」
「かしこまりました」
歩美は伝票に鉛筆で書きこみ、カウンターに向かって告げる。
「ブレンド一つ入りました」
マスターがうなずいてコーヒーを入れ始める。
歩美がカウンターに戻っていき、コーヒーを入れ終わるのを待っていた。
コーヒーが出来上がると、それをトレイに乗せ静かに歩いてくる。
コトリと小さな音を立てて、カップが私の前に置かれた。
「ごゆっくりどうぞ」
カウンターに戻っていった歩美に、マスターが拍手をしていた。
「よくできてるね。
未経験者なのに迷いがない。
普段から店員の動きを見てるんだね」
歩みが得意気に髪をかき上げた。
「これくらい、当然です」
「――でも、最初にお水を出し忘れてる。
そこだけが減点かな」
歩みが「あっ!」と口を手で押さえていた。
どうやら冷静に見えて、彼女も緊張していたらしい。
マスターがクスクスと笑いながら早苗に告げる。
「次は荒川さんだね。
お客さんの役は、また伊勢佐木さんにお願いしようか」
「はい!」
****
早苗はちょこちょこ手順を忘れかけていたけど、ちょっと待ってあげれば思い出せていた。
マスターがニコリと微笑んで告げる。
「本番でも、今みたいにできれば充分だ。
少しくらいミスしても、怒るようなお客さんはまずこないからね。
もし相手にできないお客さんがいたら、僕が相手をするから安心して」
「はい!」
研修の後片付けをしていると、カランコロンとドアベルが鳴った。
「いらっしゃいませ!」
私たち三人の声が店内に響き渡る。
入ってきたお客さん――顔のない和服のお爺さんが、驚いたようにたじろいでいた。
同時に、早苗と歩美も悲鳴を上げる。
「キャー! お化けー?!」
マスターが楽しそうに口を開く。
「二人とも、落ち着いて。
――三井さん、久しぶりだね。
ごめんね、騒がしくて」
顔のないお爺さん――三井さんが、戸惑うように応える。
「儂はかまわんが……しかし、こりゃ人間かい?
あんたが人間を雇ったって、何年振りだろうねぇ」
「ハハハ! 巫以外を雇ったって意味では、初めてかな?
――荒川さん、接客して」
「――え?! 私ですか?!」
おどおどとした歩美が、マスターと三井さんを交互に眺めた。
マスターが穏やかな表情で歩美に尋ねる。
「接客は無理? じゃあバイトは諦めるってことで、いいかな?」
ハッとした歩美が、マスターの顔を見つめてから自分の頬を両手で叩いた。
「――いえ、できます!」
ゆっくりと歩美が三井さんに近づいて行く――やっぱりちょっと、及び腰かな。
「い、いらっしゃいませ。
『カフェ・ド・ビジュー・セレニテ』へようこそ。
一名様ですか?」
「ああ、そうだよ、お嬢さん」
どこから声を出してるんだろう、三井さん……。
歩美がぎくしゃくした動きで手で示す。
「お席へご案内します。
こちらへどうぞ」
そのまま、三井さんに背中を見せないようにカニ歩きをしながら、席へ案内していく。
……背中を見せるのが怖いのか。
三井さんから楽しそうな声が聞こえる。
「ハッハッハ! 取って食いやしないよ!」
「あはは……」
三井さんがゆっくりと席に座ると、歩美はあわててカウンターに戻り、一息ついていた。
私は歩美を肘で小突きながら告げる。
「歩美、お水お水」
「わ、わかってるってば!」
歩美が冷たいお水を用意して、三井さんの前に持っていき、コトンとコップを置く――手が震えてるなぁ。
三井さんが歩美を見上げて告げる。
「カプチーノ。ダブルで」
渋いものを注文するんだな?!
え?! 和服ののっぺらぼうが、カプチーノをダブルで飲むの?!
歩美も戸惑いながらマスターに振り向いた。
「マスター、カプチーノダブル、お願いします」
「はーい。ちょっと待ってね」
カウンターの奥の機械を操作しながらマスターが応えた。
いつもはブレンドしか出さないから、機械の準備ができてないみたい。
「マスター、このお店のメニューにカプチーノなんてあったの?」
「裏メニューだよ。
三井さんみたいに頼む人が居るから、機械だけは置いてあるんだ」
なるほど……裏メニューか。
カウンターに戻ってきた歩美と早苗が、心細そうに三井さんを見つめて居た。
私は二人に明るい声で告げる。
「あんな風に、『ちょっと変わったお客さん』が来るだけの、普通の喫茶店だよ」
「普通じゃないでしょ?! のっぺらぼうって妖怪だよ?!」
早苗の声に、三井さんが楽しそうに笑った。
「ハハハ! そう呼ばれるのも、久しぶりだねぇ!」
歩美が不安気に私に尋ねる。
「本当に危なくないの?」
私は指に顎を乗せながら考えてみる。
「んー、危ないって感じは全然しないし。
夜のお客さんに比べたら、全然怖くないよ」
「夜のお客さんって、何者なのよ……」
私はニンマリと微笑んで応える。
「それは、見てからのお楽しみ!」
なんだか、私も楽しくなってきたぞ?
この二人はどんなリアクションをするかな?
「荒川さん、お願いね」
カプチーノが出来上がり、カウンターにカップが置かれた。
歩美は震える手でトレイを持ち、そっとカップを乗せると、ゆっくりと三井さんに近づいて行く。
三井さんはそんな歩美の様子を眺めているようだ――顔の向きしか、わからないけど。
カタカタと音を鳴らしながら、カプチーノのカップが三井さんの前に置かれた。
「ご、ごゆっくりどうぞ……」
「ああ、ありがとう。お嬢さん」
三井さんはカプチーノを口に運び、泡の突いた口元(?)で満足気なため息をつく。
「凄いね、とても濃厚な味わいだ。
若いお嬢さんが三人もいるから、それだけ元気になれるのかな?」
言い方ー?! それだと『女の子が好きなお爺ちゃん』みたいだよ、三井さん!
マスターが軽やかに笑う。
「あはは! そうだね、友達が揃ったことで、伊勢佐木さんの力が増したみたいだ。
やっぱり友達と一緒の方が、心が元気になれるのかもね」
私はきょとんとしながらマスターに尋ねる。
「私の元気が、そんなに影響するんですか?」
マスターがニコリと微笑んで、艶めかしい眼差しを寄越してくる。
「もちろんだとも。
心の力が強いほど、巫の力が増すからね。
伊勢佐木さんは最初から心が強い人だったけど、友達と一緒の方が『力が湧く』気にならない?」
その視線に思わずドキッとした。
まぁ、一人で接客対応してるよりは頼もしく感じられるけど。
私が曖昧にうなずくと、マスターが楽しそうにうなずいた。
「細かなことは、わからなくても大丈夫だよ。
君たちがお店にいれば、それだけ美味しいメニューを提供できる。
それだけわかっていれば充分さ」
私は振り返って、早苗たちと一緒に三井さんがカプチーノを飲む姿を見守っていた。
早苗がぽつりと告げる。
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