番の巫女・改訂版~神様?!突然伴侶になれと言われても困るんですが?!~

みつまめ つぼみ

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第2章:やっぱりむかつくのでもう一度ぶん殴りますね

19.

 そろそろ朝食の時間となり、リオはサロンから引き上げ、ダイニングに向かった。

 リオがダイニングに入ると、既にミルスが先に席に着いていた。

 それを確認したリオが先に声をかける。

「おはよう、ミルス。
 まだ痛い所はある?」

「おはよう、リオ。
 すっかり治ったよ。
 だが、起きたときに既に居なくなっていたから、かなり寂しい思いはしたな」

 苦笑をしながらリオが席に着く。

「あれほど動けないとアピールしていたのに、ちゃっかり両腕で抱き着いてくるんだもの。
 そんな人から、早く逃げたかっただけよ」

 ミルスがぺろりと舌を出した。

「やはりバレていたか。
 あそこまで腕を動かすのも、相当きつかったんだがなぁ」


 朝食を口に運びながら、明るい会話が食堂に響いていた。

 その空気が新鮮で、自然とリオとミルスの顔が綻んでいく。

「ミルス殿下、僭越せんえつながら申し上げます。
 そろそろ出立しませんと、学院に間に合わなくなります」

 控えていた侍従の言葉で、ミルスが時計に目を向ける。

「おっと、うっかり時間を忘れてしまったな。
 ――さぁリオ、行こうか」

 リオが明るい笑顔でうなずき、立ち上がる。

 そのまま会話を交えながら馬車に乗り込み、車内でも会話が続いていた。


「――なんだか不思議ね。
 昨日までとすっかり世界が変わってしまったかのよう」

 ぽつりと漏らしたリオの言葉に、ミルスが笑顔を向ける。

「俺もそう感じるよ。
 少なくとも今、俺の目の前に居るのが『リオ・ウェラウルム』だという実感がある。
 だからかもしれないな」

 リオが目を見張ってミルスを見つめた。

「……私はそう名乗っても構わないのかしら」

 少し寂しそうな笑みで、ミルスが応える。

「……お前が『まだマーベリックでありたい』というなら、俺にそれを止める権利はない」

 リオは静かに首を横に振った。

「ありたいと思っている訳じゃないの。
 まだウェラウルム王家を名乗る自信がないだけよ」

「では、何の問題もない。
 お前はリオ・ウェラウルム第三王子妃。
 正真正銘、俺の妻だ。
 自信がないだなんて、リオらしくない。
 いつものお前のまま、ウェラウルムを名乗れば良い」

「……私らしく、か。
 そうね、確かにこんな態度、私らしくなかったわね。
 あなたの妻として、今日から胸を張って王家を名乗ることにするわ」

 ミルスに再び、輝かんばかりの笑顔が戻る。

「――どうだ? お前には、目の前の男が夫である実感はあるか?」

 リオが赤い瞳をしばたかせ、ミルスの瞳を見つめた。

 そして微笑みを乗せて応える。

「私はリオ・ウェラウルム。あなたの妻よ?
 ならばあなたは我が夫。
 そこに一抹の不安も在りはしないわ」
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