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終章
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無事に社交界に返り咲いたエレナの元に、フェリクスとジョージアナが訪ねてきた。
ブルーウィング・ホールの応接室で、ライアンと二人で出迎えた。
「会いにきてくれて嬉しいよ、フェリクス、ジョージアナ」
ライアンが言うのを、エレナは隣で二人にお辞儀をすると二人の反応を待った。
「こんにちは公爵夫人」
ジョージアナが淡々と言った。
「どうぞエレナと…」
エレナは、ジョージアナに微笑みかけた。
父の新しい妻など、歓迎されないことなどわかっていた事だが、かつて屈託なく話しかけてくれたことを思うと、胸が痛む。
「…あのねエレナ…、わたくしは貴女がどうとかじゃなくて、その…色々と複雑なのよ」
ジョージアナは、躊躇いつつも話し出した。
エレナはうなずいて、ジョージアナの言葉を聞いた。
「お母様とお父様は子供の時から仲が悪いっていうのも知っていたし、だから仕方がないってわかっているわ」
ジョージアナはぽつぽつと話し出す
「…はい…」
エレナなうなずいて返した。
「わたくしももう大人だし、お父様が結婚することも特に気にならないって言えばうそになるのだけれど…」
ジョージアナは続ける。
「…ええ…気にならない事はないでしょうね…」
「それで、何が言いたいのかと言うと…貴女を母とは呼べないけれど、お父様の奧さんとしては歓迎したいということなの」
えっ?とエレナはジョージアナを見た。
「お母様の事を思えば、こんなことを言うのもいけないとは思うけれど、この間の舞踏会で見かけたお父様と貴女がとても幸せそうで…お父様が幸せなら良いのじゃないかと思ったのよ」
つまり…認めてくれるのだろうか…。
「そう…貴女を家族として、歓迎したいと思うの…」
ジョージアナは改めて言い直した。
「あぁー、もう。お兄様、黙ってないで話してよ。お願い」
言われたフェリクスは苦笑すると
「つまり、父上もエレナも一緒に邸に帰りませんか?」
とライアンとエレナを交互に見て言った。
「フェリクスは…それで構わないのか?」
ライアンが声をかけた。
「…母に会いに行けば、それは生き生きと楽しそうに過ごしていた。父上もエレナといると幸せそうに見えた。だから、私としてはそれで、良い、と思う」
エレナはライアンを見て、ジョージアナとフェリクスを見た。
思いもよらない申し出だった。
「ジョージアナも、これから結婚を考えてるし、私も婚約をしたばかりで邸を切り盛りする女主人が不在というのはやはり良くない」
「お前が早く結婚をして、ルナが女主人としてで良いんじゃないのか?」
フェリクスはちらりとライアンを見ると
「ルナはまだ若いし、婚約はしたけれど、結婚はもう少し後だと思ってる」
きっぱりと言い切った。
「それとも一緒に住みたくないとか?父上は」
フェリクスが軽くライアンを睨む
「…いや…思いもしなかったのでね…」
くっくっとライアンは、笑った。
エレナは、泣きそうになり、
「レディ ジョージアナ…抱きしめてもいいかしら」
「ええ、もちろんよ」
ジョージアナはエレナに笑ってみせた。
フェリクスにもそしてライアンにやはり似ている。
そっと腕を回すと、ジョージアナの方がエレナより背が高く、どちらが抱きしめてるのかわからないくらいだ。
そっとジョージアナもエレナの背に手を回した。
「…ねぇ…エレナ、ちゃんと食べてるの?」
「…えっ?」
食べてるかと言われれば食べている…。
「なんなの?この細さは?」
肩をしっかりと掴まれてエレナは驚いた。
「これまで知り合った女性の中でだんとつに細くて、華奢過ぎるわよ!」
心配そうに言われてエレナは目を丸くした。
こんな風に心配されるなんて、少し嬉しいかも知れない。
「ちゃんと食べているから大丈夫よ」
くすりと笑って言うと、
「本当?」
ジョージアナはエレナを見てライアンを見ると
「心外だな…」
とライアンは眉をしかめた。
ジョージアナは肩を竦めると
「それはそうと!弟に会いたいの、良いでしょう?」
エレナはうなずくと、1度部屋を出て子供部屋にジョエルを迎えに行った。
ジョエルはちょうど機嫌よくて、おむつも替えてお乳を飲んだ所だった。
「ジョエル、ご機嫌ね…貴方のお兄様とお姉様が来てくれたのよ」
笑うようになったジョエルを抱き上げると、エレナはライアンたちが待つ部屋に戻った。
「ジョージアナ、弟のジョエルよ。抱いてやってくれるかしら?」
エレナはジョージアナにジョエルを抱かせた。
「あら、意外と重いのね!はじめましてジョエル。わたくしはジョージアナよ、ジーで良いわよ」
と意外と気さくに話しかける。
「ジョージアナ。まだ話せないよ…」
フェリクスが呆れ口調で言った。
「じゃあどうぞお兄様」
ジョージアナが隣のフェリクスにジョエルを抱かせる。
「ジョージアナ…!無理だって。落としたら大変じゃないか」
慌ててるフェリクスは珍しい。
「おいおい、危ないな…」
とライアンが立ち上がりジョエルを慣れた手つきで、抱き上げた。父をみてジョエルが笑うと、ジョージアナが
「可愛いわね、年の離れた弟も良いものね」
とにこやかに言った。
フェリクスが、ライアンとジョエルを見て彼もまた嬉しそうな表情をしていた。
「ありがとうフェリクス卿…訪ねてきてくれて、そして一緒に住もうと言ってくれて。とても嬉しいわ」
エレナは微笑んだ。
出来るなら、また姉のように家族として接してほしい…
少なくとも、今の彼には軽蔑や怒りは見えない、その事が何よりエレナを慰めた。
「いや…当然の事だ…」
彼は優しく笑みを浮かべた。
そこにはエレナの幸せを喜ぶフェリクスの思いがある。
ライアンと共にウィンスレット公爵邸に、エレナは公爵の妻として無事に迎え入れられた。
これから、公爵夫人としてやっていく事は大変な事であったが、様々な事を乗り越えて、家族が出来た今、とても幸せで何でもやってみせるとエレナは思った。
ライアンがいて、友人としてブレンダとイーディスとエドナ。
そして愛する息子のジョエル、そして迎え入れてくれたライアンの息子のフェリクスとジョージアナがいる。エレナの幸せを願ってくれるグレンとアイヴィー…。
…それは、エレナがようやく手に入れた何よりも大切なもの…。
ブルーウィング・ホールの応接室で、ライアンと二人で出迎えた。
「会いにきてくれて嬉しいよ、フェリクス、ジョージアナ」
ライアンが言うのを、エレナは隣で二人にお辞儀をすると二人の反応を待った。
「こんにちは公爵夫人」
ジョージアナが淡々と言った。
「どうぞエレナと…」
エレナは、ジョージアナに微笑みかけた。
父の新しい妻など、歓迎されないことなどわかっていた事だが、かつて屈託なく話しかけてくれたことを思うと、胸が痛む。
「…あのねエレナ…、わたくしは貴女がどうとかじゃなくて、その…色々と複雑なのよ」
ジョージアナは、躊躇いつつも話し出した。
エレナはうなずいて、ジョージアナの言葉を聞いた。
「お母様とお父様は子供の時から仲が悪いっていうのも知っていたし、だから仕方がないってわかっているわ」
ジョージアナはぽつぽつと話し出す
「…はい…」
エレナなうなずいて返した。
「わたくしももう大人だし、お父様が結婚することも特に気にならないって言えばうそになるのだけれど…」
ジョージアナは続ける。
「…ええ…気にならない事はないでしょうね…」
「それで、何が言いたいのかと言うと…貴女を母とは呼べないけれど、お父様の奧さんとしては歓迎したいということなの」
えっ?とエレナはジョージアナを見た。
「お母様の事を思えば、こんなことを言うのもいけないとは思うけれど、この間の舞踏会で見かけたお父様と貴女がとても幸せそうで…お父様が幸せなら良いのじゃないかと思ったのよ」
つまり…認めてくれるのだろうか…。
「そう…貴女を家族として、歓迎したいと思うの…」
ジョージアナは改めて言い直した。
「あぁー、もう。お兄様、黙ってないで話してよ。お願い」
言われたフェリクスは苦笑すると
「つまり、父上もエレナも一緒に邸に帰りませんか?」
とライアンとエレナを交互に見て言った。
「フェリクスは…それで構わないのか?」
ライアンが声をかけた。
「…母に会いに行けば、それは生き生きと楽しそうに過ごしていた。父上もエレナといると幸せそうに見えた。だから、私としてはそれで、良い、と思う」
エレナはライアンを見て、ジョージアナとフェリクスを見た。
思いもよらない申し出だった。
「ジョージアナも、これから結婚を考えてるし、私も婚約をしたばかりで邸を切り盛りする女主人が不在というのはやはり良くない」
「お前が早く結婚をして、ルナが女主人としてで良いんじゃないのか?」
フェリクスはちらりとライアンを見ると
「ルナはまだ若いし、婚約はしたけれど、結婚はもう少し後だと思ってる」
きっぱりと言い切った。
「それとも一緒に住みたくないとか?父上は」
フェリクスが軽くライアンを睨む
「…いや…思いもしなかったのでね…」
くっくっとライアンは、笑った。
エレナは、泣きそうになり、
「レディ ジョージアナ…抱きしめてもいいかしら」
「ええ、もちろんよ」
ジョージアナはエレナに笑ってみせた。
フェリクスにもそしてライアンにやはり似ている。
そっと腕を回すと、ジョージアナの方がエレナより背が高く、どちらが抱きしめてるのかわからないくらいだ。
そっとジョージアナもエレナの背に手を回した。
「…ねぇ…エレナ、ちゃんと食べてるの?」
「…えっ?」
食べてるかと言われれば食べている…。
「なんなの?この細さは?」
肩をしっかりと掴まれてエレナは驚いた。
「これまで知り合った女性の中でだんとつに細くて、華奢過ぎるわよ!」
心配そうに言われてエレナは目を丸くした。
こんな風に心配されるなんて、少し嬉しいかも知れない。
「ちゃんと食べているから大丈夫よ」
くすりと笑って言うと、
「本当?」
ジョージアナはエレナを見てライアンを見ると
「心外だな…」
とライアンは眉をしかめた。
ジョージアナは肩を竦めると
「それはそうと!弟に会いたいの、良いでしょう?」
エレナはうなずくと、1度部屋を出て子供部屋にジョエルを迎えに行った。
ジョエルはちょうど機嫌よくて、おむつも替えてお乳を飲んだ所だった。
「ジョエル、ご機嫌ね…貴方のお兄様とお姉様が来てくれたのよ」
笑うようになったジョエルを抱き上げると、エレナはライアンたちが待つ部屋に戻った。
「ジョージアナ、弟のジョエルよ。抱いてやってくれるかしら?」
エレナはジョージアナにジョエルを抱かせた。
「あら、意外と重いのね!はじめましてジョエル。わたくしはジョージアナよ、ジーで良いわよ」
と意外と気さくに話しかける。
「ジョージアナ。まだ話せないよ…」
フェリクスが呆れ口調で言った。
「じゃあどうぞお兄様」
ジョージアナが隣のフェリクスにジョエルを抱かせる。
「ジョージアナ…!無理だって。落としたら大変じゃないか」
慌ててるフェリクスは珍しい。
「おいおい、危ないな…」
とライアンが立ち上がりジョエルを慣れた手つきで、抱き上げた。父をみてジョエルが笑うと、ジョージアナが
「可愛いわね、年の離れた弟も良いものね」
とにこやかに言った。
フェリクスが、ライアンとジョエルを見て彼もまた嬉しそうな表情をしていた。
「ありがとうフェリクス卿…訪ねてきてくれて、そして一緒に住もうと言ってくれて。とても嬉しいわ」
エレナは微笑んだ。
出来るなら、また姉のように家族として接してほしい…
少なくとも、今の彼には軽蔑や怒りは見えない、その事が何よりエレナを慰めた。
「いや…当然の事だ…」
彼は優しく笑みを浮かべた。
そこにはエレナの幸せを喜ぶフェリクスの思いがある。
ライアンと共にウィンスレット公爵邸に、エレナは公爵の妻として無事に迎え入れられた。
これから、公爵夫人としてやっていく事は大変な事であったが、様々な事を乗り越えて、家族が出来た今、とても幸せで何でもやってみせるとエレナは思った。
ライアンがいて、友人としてブレンダとイーディスとエドナ。
そして愛する息子のジョエル、そして迎え入れてくれたライアンの息子のフェリクスとジョージアナがいる。エレナの幸せを願ってくれるグレンとアイヴィー…。
…それは、エレナがようやく手に入れた何よりも大切なもの…。
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