BloodyHeart

真代 衣織

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優撃シールド

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 リリアと羽月は顔を見合わせ、反対側に出る。
「死ねぇー‼︎」
 重機関銃を構えるチャイニーズマフィアがいる。
 咄嗟に、リリアは前に出てシールドを出す。
 右手に刀を持ったまま、リリアは左手のシールドに力を込める。
「こっちだけ通せるか?」
 自身を護ろうとするリリアの肩を、羽月はマシンピストルで叩きながら問い掛けた。
「……っやった事ないです」
 やった事どころか、そんな事が出来る魔人すら見た事はない。
 弱気な目を向け、リリアは答える。
「やってみろ。コントロールは優れている」
 前代未聞の難題だが、羽月の様子から見て、やるしかなさそうだ。
「……は、はいっ!」
 コントロールする事だけに、リリアは集中しようと弱気を振り切った。
 羽月が撃った銃弾は、見事にシールドを通過した。
 シールドは維持されている。
 重機関銃を掃射するチャイニーズマフィアが倒れる。
 銃を構えたヒューマロイド、鉄パイプを振り回すヒューマロイドが次々に駆け付けて来る。
 羽月はリリアの鎖骨付近に左手を当て、右肩の上から腕を伸ばし、続けて銃弾を四発放った。……が、四発目でシールドは消えてしまう。
 銃を撃つヒューマロイドが二人に迫る。
 羽月はリリアを左腕に抱えて銃弾を避け、床を半転しながらマシンピストルを撃ち、ヒューマロイドを仕留めた。
「っご、ごめんなさい! 羽月さん、大丈夫ですか?」
 直ぐに片膝を着き、銃で最後の一人を仕留めた羽月に、リリアは膝立ちで謝罪する。
「出来んじゃねぇか……。やるな」
 ニヤリと、羽月は不敵に笑った。
「で、でも……。破れちゃったし……」
「今のが初だろっ? 三ヶ月で完璧に出来そうだ」
 立ち上がり、羽月は余裕を見せ、煙草を取り出し火を点けた。
 心配そうな顔のリリアも立ち上がる。
 煙がかからないように、羽月はリリアの頭を軽く掴み、反対側を向けさせた。
 もう、慣れっこなんだ……。
 私と違って死ぬかもしれなかったのに……。
 対照的にリリアは動揺し続けていた。
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