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ファイヤートラップ
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五階の共用廊下で、避難袋が入っている筈の箱から、内藤一家の構成員は銃を取った。
「おいっ! 全員、武器は持ったなっ⁉︎」
「ああっ、準備万端だ!」
顔を見合わせ、それぞれが最適と判断した位置に着く。
構成員とヒューマロイドの男達は、動き出したエレベーターを睨み身構えた。
上がって来たエレベーターのドアが開く。
狙いを定めた男達は、拳銃を乱射した。……が、そこには誰もいない。
仕掛けられていた火炎瓶が爆発した。
炎を纏う爆風に、男達の悲鳴が巻き上がる。
防火シャッターが下り、何人も閉じ込められた。天井に備えられたスプリンクラーと消火ガスが作動する。
反対側でも、同様の事態が起きている。
辛うじて五階から逃げられた男達は、裏手の非常階段を我れ先にと走り下りる。
直後、一人が狙撃された。
狙撃したのは伊吹だ。
近くのビル屋上から、オートマチック方式の狙撃銃で狙っている。
取り乱した男達は、非常階段を将棋倒しに崩れ落ちていった。
「何だっ⁉︎ 此処にいて大丈夫か?」
「大丈夫です! このマンションの災害設備は万全です!」
「なら、共用廊下が安全か……?」
三階にいる構成員とヒューマロイドは困惑していた。
困惑している中、共用廊下の端にある窓から銃弾が乱射された。
廊下にいた構成員が二人、銃弾に倒れる。
組まれている足場に片手で掴まり、マシンピストルを撃ちながら、羽月は窓を蹴破った。
「弾幕張れぇ‼︎」
構成員とヒューマロイドは、壁の窪みとエレベーター付近に寄り、銃で応戦する。
羽月はグローブからシールドを出し、マシンピストルからゴッドスターに銃を持ち替える。
羽月は、エレベーターホールの天井を撃った。
天井の瓦礫と爆煙に、男達は腕で目をガードし、その場から退く。
爆煙の中からピンクの刃と共に、リリアが現れた。
手には刀、頭に小羽、尻尾を出して背中に羽はない。
対魔人用ではない銃を撃ってくる構成員と、鉄パイプを振り回すヒューマロイドを、リリアは斬り倒す。
廊下の窪みから銃を撃つ構成員を、羽月は右手のゴッドスターで壁を撃ち、左手のマシンピストルで仕留める。
二種類の銃を使い、エレベーターホール迄の敵を、あっという間に倒した。
エレベーター前にいるリリアと並ぶ。
直後、互いに察知した。
「四時三分と三時五十八分です!」
羽月が着けている、ウェアラベル端末の画面から位置する方向を、リリアは叫んだ。
リリアは目の前に短刀を出す。
一メートル飛ぶと短刀は一時消え、狙撃対象の一メートル前に現れ、頭を貫いた。
短刀の角度を見て、もう片方は羽月が揃って撃った。
戦闘ドローンが爆発する。
羽月は、スマートフォンを手に取った。
リリアが狙撃した相手は、戦闘ドローンを操縦するチャイニーズマフィアだった。
戦闘ドローンに気付いた羽月は、操縦者がいると分かるが、位置は特定出来ていなかった。
エレベーターホールに外壁はなく、ガラスで囲ってある。
スマートフォンのカメラを拡大させ、ガラスの先を確認した。
ブルーシートが風になびき、舞い上がると見えた。
見える角度は限られるが、百メートル先のビル、屋上側の階段に血痕と立てれた黒いケースがある。羽月には見慣れたケース、中身は狙撃銃だ。
あの位置が狙える……。これなら……。
口には出さずに、羽月は策と一緒にスマートフォンを仕舞った。
「おいっ! 全員、武器は持ったなっ⁉︎」
「ああっ、準備万端だ!」
顔を見合わせ、それぞれが最適と判断した位置に着く。
構成員とヒューマロイドの男達は、動き出したエレベーターを睨み身構えた。
上がって来たエレベーターのドアが開く。
狙いを定めた男達は、拳銃を乱射した。……が、そこには誰もいない。
仕掛けられていた火炎瓶が爆発した。
炎を纏う爆風に、男達の悲鳴が巻き上がる。
防火シャッターが下り、何人も閉じ込められた。天井に備えられたスプリンクラーと消火ガスが作動する。
反対側でも、同様の事態が起きている。
辛うじて五階から逃げられた男達は、裏手の非常階段を我れ先にと走り下りる。
直後、一人が狙撃された。
狙撃したのは伊吹だ。
近くのビル屋上から、オートマチック方式の狙撃銃で狙っている。
取り乱した男達は、非常階段を将棋倒しに崩れ落ちていった。
「何だっ⁉︎ 此処にいて大丈夫か?」
「大丈夫です! このマンションの災害設備は万全です!」
「なら、共用廊下が安全か……?」
三階にいる構成員とヒューマロイドは困惑していた。
困惑している中、共用廊下の端にある窓から銃弾が乱射された。
廊下にいた構成員が二人、銃弾に倒れる。
組まれている足場に片手で掴まり、マシンピストルを撃ちながら、羽月は窓を蹴破った。
「弾幕張れぇ‼︎」
構成員とヒューマロイドは、壁の窪みとエレベーター付近に寄り、銃で応戦する。
羽月はグローブからシールドを出し、マシンピストルからゴッドスターに銃を持ち替える。
羽月は、エレベーターホールの天井を撃った。
天井の瓦礫と爆煙に、男達は腕で目をガードし、その場から退く。
爆煙の中からピンクの刃と共に、リリアが現れた。
手には刀、頭に小羽、尻尾を出して背中に羽はない。
対魔人用ではない銃を撃ってくる構成員と、鉄パイプを振り回すヒューマロイドを、リリアは斬り倒す。
廊下の窪みから銃を撃つ構成員を、羽月は右手のゴッドスターで壁を撃ち、左手のマシンピストルで仕留める。
二種類の銃を使い、エレベーターホール迄の敵を、あっという間に倒した。
エレベーター前にいるリリアと並ぶ。
直後、互いに察知した。
「四時三分と三時五十八分です!」
羽月が着けている、ウェアラベル端末の画面から位置する方向を、リリアは叫んだ。
リリアは目の前に短刀を出す。
一メートル飛ぶと短刀は一時消え、狙撃対象の一メートル前に現れ、頭を貫いた。
短刀の角度を見て、もう片方は羽月が揃って撃った。
戦闘ドローンが爆発する。
羽月は、スマートフォンを手に取った。
リリアが狙撃した相手は、戦闘ドローンを操縦するチャイニーズマフィアだった。
戦闘ドローンに気付いた羽月は、操縦者がいると分かるが、位置は特定出来ていなかった。
エレベーターホールに外壁はなく、ガラスで囲ってある。
スマートフォンのカメラを拡大させ、ガラスの先を確認した。
ブルーシートが風になびき、舞い上がると見えた。
見える角度は限られるが、百メートル先のビル、屋上側の階段に血痕と立てれた黒いケースがある。羽月には見慣れたケース、中身は狙撃銃だ。
あの位置が狙える……。これなら……。
口には出さずに、羽月は策と一緒にスマートフォンを仕舞った。
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