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5.資料室に逃げ込め
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二人はお互いの姿を見ないようにしながら、階段を上っていく。
1階から2階へ。そして3階へ。
しかしチラチラと、二人は見てしまうのだ。
麗奈は服の上からでも豊かな胸が目立つ方だが、それが下着姿になればこぼれんばかりの巨乳が露わだ。
大宮も長身、しかも水泳部で鍛えられていた体で、しなやかな筋肉が晒されている。
二人は煙を吸わないようにしながらなんとか3階まできた。3階はゾンビだちが生まれた問題の部屋がある階だ。
そして資料室 — 大宮が一度ゾンビから避難するために入った — もある。
延田のいる5階のゼミ室に早く薬品の入ったボトルを届けたいが、息も苦しく階段を上る足取りが重くなってきた。
大宮が、疲れてきた麗奈に大丈夫かと目配せをする。魅惑的な肢体をできるだけ視界にいれないようにと大宮は頑張るが、麗奈にとっては好きな大宮に今の自分の姿が見られていると強く意識をしてしまった。
カァァァと麗奈の顔が熱くなる。
「ゃっ」
麗奈は思わずしゃがみこみ、体を隠す。
カランカランっ!
薬品の入ったボトルが麗奈の手から滑り、勢いよく廊下の向こうへと転がっていってしまった。
「あっ!」
大宮が慌ててボトルを取りに行く。
麗奈も自分がボトルを落としてしまったことにすぐに気づき立ちあがる。
「ごめんっ!」
走っていった大宮がすぐにボトルを拾い上げた。そして階段にいる麗奈の元に戻ろうとしたところ、麗奈の近くで何やら蠢く影をとらえた。
グオォ……
「麗奈さんっ、後ろ!」
大宮の強い口調に麗奈はビクっと体を震わせた。とっさに後ろを向くと、そこにはどこに潜んでいたのかゾンビが一体近づいていた。
「ひぃ……」
ゾンビの異様な風貌を近くで見てしまい、麗奈は恐怖から倒れ尻もちをついた。剥き出しの尻や脚が冷たい廊下の床に打ち付けるが、痛みよりも目の前のゾンビへの恐怖の方が強い。
グオオオァッ
「い、いやぁ!」
のそりと近づいてくるゾンビに、咄嗟に口元を押さえていたワンピースを投げつける。
しかしそんな布切れではゾンビは怯まない。
大宮が慌てて階段まで戻ってきた。ゾンビは麗奈に触れそうなところまで近づき、脚を掴もうとしている。
「……ヒッ!」
「危ないっ」
ゾンビが麗奈に触れる寸前のところ。大宮は自分の口元に当てていた服を、ゾンビの首部分に引っ掛けた。そして服を強く引きゾンビが後ろに倒れこむ。
グオォォォォッ
「立って!」
麗奈は大宮に差し出された手を取り、立ちあがる。このまま階段を駆け上がろうとしたところ、先ほどのゾンビが行く手を阻む。
このままでは煙もどんどん吸ってしまう。
「資料室に!」
大宮は、5階へ行くよりもまずは煙を吸わない方がいいだろうと、自分が先ほどまで逃げ込んでいた資料室に麗奈と向かう。
ガチャ!
バタン!
逃げ込んだ二人は資料室のカギを慌ただしく掛けた。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ」
電気は付けない方がいいだろうと、暗い資料室には外の街灯の光だけが窓から漏れている。
先ほどのゾンビはどうやらこの資料室には近づいていないようで、部屋の外は静かだ。部屋には二人の荒い息だけが響く。
「はぁ、はぁ、ごめん、落としちゃって」
麗奈が息を落ち着かせながら大宮に謝る。麗奈がボトルを落とさなければ今頃二人は5階の延田と合流していた。
「気にしないでください」
先に息が落ち着いた大宮は、まだ膝に手をついて屈んでいる麗奈の恰好を見てしまう。
麗奈はワンピースをゾンビに投げつけてしまいもう服は手元にない。
ブラジャーとショーツだけで大宮の目の前にいる。それも屈んだ状態の麗奈の大きな胸は強調されているのだ。荒い息とともに上下する乳房に大宮は目が離せない。
研究室で長時間の作業をともにする先輩であり、最近はプライベートな時間も共有している人の服の下は刺激が強い。
(柔らかそうな肌、むっちりとした腰、そして何よりあの深い谷間を作るたわわなおっぱい……あぁ、見てはいけないのに!)
大宮は自らの邪な感情を振り払うように、「とりあえず今の状況を教授に電話します!」と普段より大きな声で伝えた。
「うん……、はぁ、そっか、ここも内線あるね。電話してみよう」
ようやく息が落ち着いてきた麗奈も、目の前の好きな男の姿と自分の姿に気づき、息切れではない原因で顔を紅潮させる。
しかし恥ずかしがっては余計に恥ずかしいし、自分が変に恥ずかしがったせいで先ほどはボトルを落としたのだ。ここは裸同然でも平気だと虚勢をはり、内線をかける大宮のもとへと麗奈も駆け寄った。
1階から2階へ。そして3階へ。
しかしチラチラと、二人は見てしまうのだ。
麗奈は服の上からでも豊かな胸が目立つ方だが、それが下着姿になればこぼれんばかりの巨乳が露わだ。
大宮も長身、しかも水泳部で鍛えられていた体で、しなやかな筋肉が晒されている。
二人は煙を吸わないようにしながらなんとか3階まできた。3階はゾンビだちが生まれた問題の部屋がある階だ。
そして資料室 — 大宮が一度ゾンビから避難するために入った — もある。
延田のいる5階のゼミ室に早く薬品の入ったボトルを届けたいが、息も苦しく階段を上る足取りが重くなってきた。
大宮が、疲れてきた麗奈に大丈夫かと目配せをする。魅惑的な肢体をできるだけ視界にいれないようにと大宮は頑張るが、麗奈にとっては好きな大宮に今の自分の姿が見られていると強く意識をしてしまった。
カァァァと麗奈の顔が熱くなる。
「ゃっ」
麗奈は思わずしゃがみこみ、体を隠す。
カランカランっ!
薬品の入ったボトルが麗奈の手から滑り、勢いよく廊下の向こうへと転がっていってしまった。
「あっ!」
大宮が慌ててボトルを取りに行く。
麗奈も自分がボトルを落としてしまったことにすぐに気づき立ちあがる。
「ごめんっ!」
走っていった大宮がすぐにボトルを拾い上げた。そして階段にいる麗奈の元に戻ろうとしたところ、麗奈の近くで何やら蠢く影をとらえた。
グオォ……
「麗奈さんっ、後ろ!」
大宮の強い口調に麗奈はビクっと体を震わせた。とっさに後ろを向くと、そこにはどこに潜んでいたのかゾンビが一体近づいていた。
「ひぃ……」
ゾンビの異様な風貌を近くで見てしまい、麗奈は恐怖から倒れ尻もちをついた。剥き出しの尻や脚が冷たい廊下の床に打ち付けるが、痛みよりも目の前のゾンビへの恐怖の方が強い。
グオオオァッ
「い、いやぁ!」
のそりと近づいてくるゾンビに、咄嗟に口元を押さえていたワンピースを投げつける。
しかしそんな布切れではゾンビは怯まない。
大宮が慌てて階段まで戻ってきた。ゾンビは麗奈に触れそうなところまで近づき、脚を掴もうとしている。
「……ヒッ!」
「危ないっ」
ゾンビが麗奈に触れる寸前のところ。大宮は自分の口元に当てていた服を、ゾンビの首部分に引っ掛けた。そして服を強く引きゾンビが後ろに倒れこむ。
グオォォォォッ
「立って!」
麗奈は大宮に差し出された手を取り、立ちあがる。このまま階段を駆け上がろうとしたところ、先ほどのゾンビが行く手を阻む。
このままでは煙もどんどん吸ってしまう。
「資料室に!」
大宮は、5階へ行くよりもまずは煙を吸わない方がいいだろうと、自分が先ほどまで逃げ込んでいた資料室に麗奈と向かう。
ガチャ!
バタン!
逃げ込んだ二人は資料室のカギを慌ただしく掛けた。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ」
電気は付けない方がいいだろうと、暗い資料室には外の街灯の光だけが窓から漏れている。
先ほどのゾンビはどうやらこの資料室には近づいていないようで、部屋の外は静かだ。部屋には二人の荒い息だけが響く。
「はぁ、はぁ、ごめん、落としちゃって」
麗奈が息を落ち着かせながら大宮に謝る。麗奈がボトルを落とさなければ今頃二人は5階の延田と合流していた。
「気にしないでください」
先に息が落ち着いた大宮は、まだ膝に手をついて屈んでいる麗奈の恰好を見てしまう。
麗奈はワンピースをゾンビに投げつけてしまいもう服は手元にない。
ブラジャーとショーツだけで大宮の目の前にいる。それも屈んだ状態の麗奈の大きな胸は強調されているのだ。荒い息とともに上下する乳房に大宮は目が離せない。
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(柔らかそうな肌、むっちりとした腰、そして何よりあの深い谷間を作るたわわなおっぱい……あぁ、見てはいけないのに!)
大宮は自らの邪な感情を振り払うように、「とりあえず今の状況を教授に電話します!」と普段より大きな声で伝えた。
「うん……、はぁ、そっか、ここも内線あるね。電話してみよう」
ようやく息が落ち着いてきた麗奈も、目の前の好きな男の姿と自分の姿に気づき、息切れではない原因で顔を紅潮させる。
しかし恥ずかしがっては余計に恥ずかしいし、自分が変に恥ずかしがったせいで先ほどはボトルを落としたのだ。ここは裸同然でも平気だと虚勢をはり、内線をかける大宮のもとへと麗奈も駆け寄った。
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