信じていれば

陽紫葵

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信じていれば

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 翌日、午後から次の仕事の打ち合わせがあると、久し振りにレコード会社に行った。そう、歌の仕事だと言うのだけど、詳しくは聞かされていない。マネージャーに着いて会議室に行くと、
「こんにちは、万帆ちゃん」
え?隼人くんだった。
「お久しぶりです」
「そうだな」
マネージャーは出て行き、2人きりになった。
「あの時は、悪かったな。急にあんな事になって」
「いえ、別に隼人くんが悪いわけじゃないし」
「それでもな、俺たちも制作側に関わってきてたから、責任感じてたし」
「バンド・・・」
バンドは解散したと聞いている。
「あぁ、あの後、色々ともめてな。今、俺はプロデュースとかやってて、それで、次の仕事、万帆ちゃんにも参加してほしくて」
「参加って、どんな?」
「ドラマの主題歌や劇中歌の曲なんだけど、万帆ちゃんに歌って欲しいなって」
「ドラマですか・・・」
不安そうに答えると、
「売り出したいアーティストがいてさ、高校生なんだけど、その彼と一緒に歌って欲しいんだ。ただし、名前、顔を伏せて、仮面で」
「仮面?」
「ま、びっくりするよね?彼はまだ無名だから、何かインパクトが欲しい。そこに万帆ちゃんの名を出したら、ネームバリューとしてはいいかなって思ったんだけど、でも、それじゃ、ちょっと、その名に頼り過ぎちゃうかなって。でさ、万帆ちゃん自身も、いいきっかけがある方がいいと思うんだよ。で、思いついた、ってわけ」
まだ、ピンとこなくて、頭をかしげていると、
「最後まで名を隠すわけじゃない。その辺はドラマスタッフとも打ち合わせしてて、最終回に、劇中に歌うシーンを作る。で、その時に顔出しする、ってね。どう?興味ない?」
「そう言われても・・・」
「そうだよな、急に言われても戸惑うよな」
「うん」
「俺はさ、あれからずっと、万帆ちゃんの事、気になってた。舞台の仕事してるって事は聞いてたけど。また、仕事したいなって、思ってて」
「ありがとうございます」
「悪い話じゃないと思うんだけどなぁ」
それはわかる。でも、すぐに返事していいのかなぁ?
「その人って、どんな・・・?」
「俺らと同じ、奈良出身なんだよ」
「へぇ、そうなんだ?」
え?俺らって、私の事も入ってる?
「ロックとゆうより、ポップスだな。ギターとキーボードもやっている」
「聴いてみたい」
「今、レコーディングスタジオにいるから、行ってみるか?」
「はい」
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