あの日のこと

①

あの日のこと

それでも、夜、夢の中でうなされた。
胸が苦しくなって、起きた。
気付いた昇矢くんが、
「どうした？」
「私、やっぱ、昇矢くんのそばにいるべきじゃないよね？」
「何言ってるんだよ？」
「だって、昇矢くんは、慶子さんみたいな、美人な人が好きなんでしょ？」
「あのなぁ」
「だって・・・」
「俺は、里桜が好きだから、側に居たいって思うんだよ。好みとか関係ない。俺は、里桜が好きなんだから」
そう言われても、涙が止まらず、昇矢くんは抱きしめ、そしてキスをした。
徐々に気持ちも落ち着き眠れた。
そんな日が、3日続いた。
その夜、ベッドで、
「里桜」
私の上に被さるようにキスをし、服をめくりあげて、胸を舐めて、吸いついた。
「ん・・・」
昇矢くんは、何も言わず、全身舐めた。
「もう、大丈夫だ」
「え？」
「里桜の不安は、俺が消す」
「昇矢くん」
抱きついて、私からキスをした。
その日から、うなされることはなかった。