4 / 39
①
赤い糸がほどけた
しおりを挟む
中3になってから、同じクラスに転校生がやって来た。
彼女・夏生は、お父さんの赴任先で会ったことがあった。
私は、小2の夏休みに1度だけ、お父さんに会いに行ったのだ。
行く前は少しだけ楽しみだった。
でも、知らない人ばかりで、言葉も通じない。
怖いって思って、ずっと、帰りたいって言っていた。
10日間の予定を5日間に短縮し、帰ることにした朝、夏生家族に会った。
夏生のお父さんは現地出身の外国人で、うちのお父さんの同僚だった。
お母さんは日本人で、夏生はいわゆるハーフだった。
名前も、お父さんは、モンテロ・レイル・マサキと言い、夏生も坂上・モンテロ・夏生と、両方の名字が付いてた。ちなみに、お母さんは、誠子さんとゆう。
夏生は人懐っこくて、私も気持ちが解れた。
お父さんは仕事だったので、代わりに空港まで送ってくれて、私たちは帰った。
その時以来の再会だった。
夏生のあの性格は健在で、すぐに誰とでも話していた。
それでも、私と1番仲良かった。
毎日が楽しかったのだけど、難点は、男の子にモテルこと。
私も、乎汰くんの事は諦め、隣のクラスに好きな子が出来た。
でも、夏生に話したら、私も好きになっちゃった、と。そして、いつの間にか、その彼と付き合ってた。
高校になってからもそうだ。
同じ高校に行き、変わらず、仲良くしていた。
高校に入る頃、お母さんもお父さんの所に引っ越すことになり、私は寮に入ることにした。寮のある学校を選んだのだ。全寮制ではないので、夏生は自宅から通いだった。
私たちが引っ越した後、お父さんの会社の社宅として使われると聞いた。
家具や、電化製品の使えるものはそのままにし、運べないものはトランクルームと、新条家に置いてもらった。私の本などは乎汰くんの部屋の本棚に勝手に入れた。可乃子さんの許可は得たけど。
「乎汰も使ってないんだから」
って。
高校に入学したすぐに、3年生の先輩を好きになった。
夏生にはすぐに気付かれた。
夏生が、
「私が代わりに言ってきてあげる」
と、任せてしまったのが間違いだった。
「ごめん、逆に告られた」
と。
そうゆうことがある度に、乎汰くんに会いに行って、愚痴ってた。
話しているうちに、涙が溢れ、そんな私を、乎汰くんは抱きしめてくれる。
やっぱ私、乎汰くんが好きだ、と思う。
乎汰くんには絶対、夏生を会わせたくない。
彼女・夏生は、お父さんの赴任先で会ったことがあった。
私は、小2の夏休みに1度だけ、お父さんに会いに行ったのだ。
行く前は少しだけ楽しみだった。
でも、知らない人ばかりで、言葉も通じない。
怖いって思って、ずっと、帰りたいって言っていた。
10日間の予定を5日間に短縮し、帰ることにした朝、夏生家族に会った。
夏生のお父さんは現地出身の外国人で、うちのお父さんの同僚だった。
お母さんは日本人で、夏生はいわゆるハーフだった。
名前も、お父さんは、モンテロ・レイル・マサキと言い、夏生も坂上・モンテロ・夏生と、両方の名字が付いてた。ちなみに、お母さんは、誠子さんとゆう。
夏生は人懐っこくて、私も気持ちが解れた。
お父さんは仕事だったので、代わりに空港まで送ってくれて、私たちは帰った。
その時以来の再会だった。
夏生のあの性格は健在で、すぐに誰とでも話していた。
それでも、私と1番仲良かった。
毎日が楽しかったのだけど、難点は、男の子にモテルこと。
私も、乎汰くんの事は諦め、隣のクラスに好きな子が出来た。
でも、夏生に話したら、私も好きになっちゃった、と。そして、いつの間にか、その彼と付き合ってた。
高校になってからもそうだ。
同じ高校に行き、変わらず、仲良くしていた。
高校に入る頃、お母さんもお父さんの所に引っ越すことになり、私は寮に入ることにした。寮のある学校を選んだのだ。全寮制ではないので、夏生は自宅から通いだった。
私たちが引っ越した後、お父さんの会社の社宅として使われると聞いた。
家具や、電化製品の使えるものはそのままにし、運べないものはトランクルームと、新条家に置いてもらった。私の本などは乎汰くんの部屋の本棚に勝手に入れた。可乃子さんの許可は得たけど。
「乎汰も使ってないんだから」
って。
高校に入学したすぐに、3年生の先輩を好きになった。
夏生にはすぐに気付かれた。
夏生が、
「私が代わりに言ってきてあげる」
と、任せてしまったのが間違いだった。
「ごめん、逆に告られた」
と。
そうゆうことがある度に、乎汰くんに会いに行って、愚痴ってた。
話しているうちに、涙が溢れ、そんな私を、乎汰くんは抱きしめてくれる。
やっぱ私、乎汰くんが好きだ、と思う。
乎汰くんには絶対、夏生を会わせたくない。
0
あなたにおすすめの小説
彼の過ちと彼女の選択
浅海 景
恋愛
伯爵令嬢として育てられていたアンナだが、両親の死によって伯爵家を継いだ伯父家族に虐げられる日々を送っていた。義兄となったクロードはかつて優しい従兄だったが、アンナに対して冷淡な態度を取るようになる。
そんな中16歳の誕生日を迎えたアンナには縁談の話が持ち上がると、クロードは突然アンナとの婚約を宣言する。何を考えているか分からないクロードの言動に不安を募らせるアンナは、クロードのある一言をきっかけにパニックに陥りベランダから転落。
一方、トラックに衝突したはずの杏奈が目を覚ますと見知らぬ男性が傍にいた。同じ名前の少女と中身が入れ替わってしまったと悟る。正直に話せば追い出されるか病院行きだと考えた杏奈は記憶喪失の振りをするが……。
壊れていく音を聞きながら
夢窓(ゆめまど)
恋愛
結婚してまだ一か月。
妻の留守中、夫婦の家に突然やってきた母と姉と姪
何気ない日常のひと幕が、
思いもよらない“ひび”を生んでいく。
母と嫁、そしてその狭間で揺れる息子。
誰も気づきがないまま、
家族のかたちが静かに崩れていく――。
壊れていく音を聞きながら、
それでも誰かを思うことはできるのか。
思い出さなければ良かったのに
田沢みん
恋愛
「お前の29歳の誕生日には絶対に帰って来るから」そう言い残して3年後、彼は私の誕生日に帰って来た。
大事なことを忘れたまま。
*本編完結済。不定期で番外編を更新中です。
私と彼の恋愛攻防戦
真麻一花
恋愛
大好きな彼に告白し続けて一ヶ月。
「好きです」「だが断る」相変わらず彼は素っ気ない。
でもめげない。嫌われてはいないと思っていたから。
だから鬱陶しいと邪険にされても気にせずアタックし続けた。
彼がほんとに私の事が嫌いだったと知るまでは……。嫌われていないなんて言うのは私の思い込みでしかなかった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる