赤い糸がほどけた

陽紫葵

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赤い糸がほどけた

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 乎汰くんと結ちゃんは、私のアパートの近くに越してきたので、早く帰れる日はいつも行っていた。
結ちゃんには、最初はお姉ちゃんと呼ばれていたが、いつの間にか、乎汰くんの真似して、香都巴と呼べれるようになった。
2年程して、仕事が忙しくなって、あまり行けなくなった。
4月に配置換えがあり、新入社員の教育係も受け持った。
新入社員と言っても、大学院を2年行って入って来てて、私と同い年の男性・権田尚維だった。
トラブル続きで、残業になる日も多く、そんな日は一緒に食事をして帰ったりして、1か月過ぎた頃には、互いに意識しあう仲になっていた。
同い年だとは言え、今は私の方が上司で、給料ももらっていたので、自然と私が支払う形になることが多かった。地方から出てきた権田くんは生活もキツイと言っていたし。
いずれは、立場も給料も彼の方が上になっていくんだろうけど。
職場では権田くんと呼ぶが、
「俺、苗字で呼ばれるの嫌なんだよ」
と言うんで、尚くんと呼ぶようになった。かと言って、私の事は、変わらず野添さんと呼ぶが。
仕事が落ち着いてからも、仕事帰りにデートすることが多く、乎汰くんの家には行けなくなった。
偶然でも、乎汰くんには見られたくないので、自分の家や、近くで会うのは避けた。
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