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②
コトハジメ
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その日は金曜日だった。
次の日は休みなので、ゆっくり出来る。
須賀先輩と、その日のうちに依里さんに会いに行った。
初めて、先輩の車に乗った。
「どうした?」
「え、うん、初めてだなって」
「俺の車?」
「うん」
意外にも、軽の車だった。
「お金貯めてるからさ」
依里さんの家までは、車だと1時間弱で行けた。
いつもは電車なので、乗り換えも併せて2時間くらいかかる。
自宅の駐車場に車を停め、
「まさかまだ寝てないだろうな」
茶の間の灯りは消えてた。
須賀先輩は玄関の鍵を開け、
「ただいま」
と言ったが返答はなく、一緒に中に入っていくと、依里さんの部屋からうっすら灯りが漏れてた。
「母さ~ん」
と言うと、扉が開いて
「何よ、こんな時間に」
「いいだろ」
「あら、橙香ちゃん、いらっしゃい」
「こんばんは」
3人、ソファーに座って、
「橙香がさ、母さんの琴、買うって」
「泰之が頼んだんでしょ?」
「違うの、私が、」
「いいのよ、誤魔化さなくても」
「心配してくれてるんだよ、橙香も」
「もういいわ、売らない」
「母さん?」
「なんか、馬鹿らしくなってきたわね。本当は、ここ、出たくないって思ってた。内心、自棄になってた。でもね、もういい。心機一転、始めようかな」
「大丈夫?」
「お父さんが遺してくれたのと、母さんが細々貯めてたものがあるの。それは、泰之のため、自分の老後のためにって思ってたの。こればかりは、絶対に万寿には渡さない」
万寿とは、先輩のお姉さんだ。
「だからね、そのお金を使って、部屋借りたいの、協力して」
「一人で住むの?」
「そうよ」
「俺も一緒じゃダメ?」
「いいけど」
私も、とは流石には言えない。
次の日は休みなので、ゆっくり出来る。
須賀先輩と、その日のうちに依里さんに会いに行った。
初めて、先輩の車に乗った。
「どうした?」
「え、うん、初めてだなって」
「俺の車?」
「うん」
意外にも、軽の車だった。
「お金貯めてるからさ」
依里さんの家までは、車だと1時間弱で行けた。
いつもは電車なので、乗り換えも併せて2時間くらいかかる。
自宅の駐車場に車を停め、
「まさかまだ寝てないだろうな」
茶の間の灯りは消えてた。
須賀先輩は玄関の鍵を開け、
「ただいま」
と言ったが返答はなく、一緒に中に入っていくと、依里さんの部屋からうっすら灯りが漏れてた。
「母さ~ん」
と言うと、扉が開いて
「何よ、こんな時間に」
「いいだろ」
「あら、橙香ちゃん、いらっしゃい」
「こんばんは」
3人、ソファーに座って、
「橙香がさ、母さんの琴、買うって」
「泰之が頼んだんでしょ?」
「違うの、私が、」
「いいのよ、誤魔化さなくても」
「心配してくれてるんだよ、橙香も」
「もういいわ、売らない」
「母さん?」
「なんか、馬鹿らしくなってきたわね。本当は、ここ、出たくないって思ってた。内心、自棄になってた。でもね、もういい。心機一転、始めようかな」
「大丈夫?」
「お父さんが遺してくれたのと、母さんが細々貯めてたものがあるの。それは、泰之のため、自分の老後のためにって思ってたの。こればかりは、絶対に万寿には渡さない」
万寿とは、先輩のお姉さんだ。
「だからね、そのお金を使って、部屋借りたいの、協力して」
「一人で住むの?」
「そうよ」
「俺も一緒じゃダメ?」
「いいけど」
私も、とは流石には言えない。
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