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⑴
私は秘書?
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その後、持ち場に戻って、最後の仕事を終わらせて、支社長室へ。
上篠さんは待ってたように、
「じゃあ、行こうか」
と言った。
うちの社の駐車場は、ビルの裏手にある。エレベーターに乗り、
「丹代はあまり変わらないな」
「子供っぽいって事ですか?」
「いい意味若いってことだよ」
「いい意味ね」
「俺は?」
「え?そうですねぇ・・・」
見つめていると恥ずかしくなって、顔を逸らした。
6階で他の人も乗ってきたので、話は中断した。
車まで行き、鍵を開けてから、
「運転、お願いします」
「おぉ」
私は助手席に座った。
上篠さんは難なく運転し、やっぱ、この方が安心だ。
「いつから?車」
「上篠さんが転勤した後、7月にボーナスで車買って、それからですね」
「なるほどな。免許は持ってるって言ってたもんな」
「うん」
「俺がいた頃は、俺が送り迎えしてたから、いらなかったわけだ」
そうゆう言い方しなくても。確かに、仲良くなってからは、ほぼ一緒で。仕事以外でも。
上篠さんが向こうに出かけていく日以外は。
「なんかさ、あれだな。ブランクのせい?ちょっと緊張するな」
「上篠さんでも?」
「何だよ、その言い方。俺だって緊張くらいするよ」
「そっか」
「琳の部屋は、前と一緒?」
あ、今、琳って呼んだ。これは仕事モードではない。
「ううん。引っ越したよ、2年前に」
「そっか。行ってもいい?」
「え?」
「今日じゃなくて、その内な」
「あ、うん」
会社から30分程でホテルに着いた。
「会社からちょっと距離あるけど、駅から近いからさ」
確か、特急が停まる駅が近くにある。
車を路肩に停め、
「ありがとな」
「明日の朝は?」
「あぁそうだな。来てくれる?」
「はい」
「8時な。その前にロビーで待ってるから」
「はい」
車を降りて、席を変わった。
すぐに走り出し、思った。
上篠さんは変わっていない。あのころと変わらない接し方だ。
緊張すると言ったけど。
優しくて、強引で、そこが何だか心地よくて、惹かれて行ったのだ。
でも、もう、前のようにはいかない。
前だって、私は本命ではなかった。
それでも、まだ結婚はしていなかった。
今は違う。
上篠さんは待ってたように、
「じゃあ、行こうか」
と言った。
うちの社の駐車場は、ビルの裏手にある。エレベーターに乗り、
「丹代はあまり変わらないな」
「子供っぽいって事ですか?」
「いい意味若いってことだよ」
「いい意味ね」
「俺は?」
「え?そうですねぇ・・・」
見つめていると恥ずかしくなって、顔を逸らした。
6階で他の人も乗ってきたので、話は中断した。
車まで行き、鍵を開けてから、
「運転、お願いします」
「おぉ」
私は助手席に座った。
上篠さんは難なく運転し、やっぱ、この方が安心だ。
「いつから?車」
「上篠さんが転勤した後、7月にボーナスで車買って、それからですね」
「なるほどな。免許は持ってるって言ってたもんな」
「うん」
「俺がいた頃は、俺が送り迎えしてたから、いらなかったわけだ」
そうゆう言い方しなくても。確かに、仲良くなってからは、ほぼ一緒で。仕事以外でも。
上篠さんが向こうに出かけていく日以外は。
「なんかさ、あれだな。ブランクのせい?ちょっと緊張するな」
「上篠さんでも?」
「何だよ、その言い方。俺だって緊張くらいするよ」
「そっか」
「琳の部屋は、前と一緒?」
あ、今、琳って呼んだ。これは仕事モードではない。
「ううん。引っ越したよ、2年前に」
「そっか。行ってもいい?」
「え?」
「今日じゃなくて、その内な」
「あ、うん」
会社から30分程でホテルに着いた。
「会社からちょっと距離あるけど、駅から近いからさ」
確か、特急が停まる駅が近くにある。
車を路肩に停め、
「ありがとな」
「明日の朝は?」
「あぁそうだな。来てくれる?」
「はい」
「8時な。その前にロビーで待ってるから」
「はい」
車を降りて、席を変わった。
すぐに走り出し、思った。
上篠さんは変わっていない。あのころと変わらない接し方だ。
緊張すると言ったけど。
優しくて、強引で、そこが何だか心地よくて、惹かれて行ったのだ。
でも、もう、前のようにはいかない。
前だって、私は本命ではなかった。
それでも、まだ結婚はしていなかった。
今は違う。
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