颯爽と走るあなたを追いかけて

陽紫葵

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颯爽と走るあなたを追いかけて

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彼、夏弥くんを初めて見たのは、半年前。
うちの近くの砂浜で、一人座って、海を眺めていた。
私は小4で、学校の帰りだった。
見かけない人だし、気になって、近付いて行って、
「何してるの?」
と声をかけた。
「え?あぁ、見てただけ」
「海を?」
「あぁ」
私も横に座った。
「地元の子?」
「うん」
「何年?」
「4年」
「そうやって、知らない人に声かけてもいいの?」
「嫌?」
「え?」
「希世と話したくない?」
「希世ちゃんってゆうだ?」
「うん。お兄さんは?」
「俺は、夏弥」
「何歳?」
「大学生だよ」
「ふぅん」
「ここって泳げないの?」
「うん。ここは波が高くなるからダメなんだって」
「そうなんだ?残念だなぁ」
「泳ぎたいなら、他にあるよ」
「いや、別に泳ぎたいわけじゃないけどね」
「なぁんだ、そうなの?」
「あ、魚食べれるとこある?」
「あるよ。あの上の家見えるでしょ?」
「うん」
「あそこ、希世ん家。民宿してるの」
「へぇ、民宿か。じゃあ、泊れる?」
「うん、泊れるよ、多分」
「多分?」
「お父さんに聞かないとわからない」
「そっか」
「でも、行こうよ」
「いいの?」
「いいの」
私は夏弥くんの手を繋ぎ、歩き出した。
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