私はあなたを好きじゃない

陽紫葵

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私はあなたを好きじゃない

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職場までは、電車で2駅の距離。どちらも駅から近いし、定期があるので、電車通勤しているが、金曜の帰りだけ歩くことにした。
早く帰れるのもあるし、運動と、金曜は飲む分のカロリー消費も考えて。
入社して2か月が経った頃、いつものように歩いて帰ってた。
家の近くのコンビニに寄ろうとしたら、敷さんに会った。
駐車場に停めた車から出てきた。
「お疲れ様です」
「玲衣ちゃん、お疲れ。今帰り?」
「はい」
一緒に店内に入って、
「今日も歩いてきたの?」
金曜はいつも歩いて帰ると話していた。
「はい」
「偉いね」
「いえ、そんな距離ないですし」
「それでもなぁ」
買い物して出て来てから、
「今日、これから出張なんだ」
「じゃあ、今日は行かないんだ?」
「あぁ、だね。じゃ、また来週な」
と言って、車に乗った。
私は歩きだして、横を車が通り過ぎて行った。
助手席に女性が乗っているのが見えた。
出張って言ったんだから、職場の人なんだろうけど、何だか気になってしまった。
カフェの方を『キッチンSakai』と呼び、バーの方は『バーSakai』と呼んでいた。
その日、9時頃に『バーSakai』に行くと、吉元さんがケータイで誰かと話してて、私に気付いたので、会釈だけした。
その日は久し振りにカウンターに座った。
1杯目のカクテルを飲んでいると、吉元さんが来て、
「玲衣ちゃん、こんばんは」
「こんばんは」
「また、社の方に戻らなきゃいけないんだよ」
「え、吉元さんも?」
「も、って?」
「あぁ、敷さん、出張だって言ってたから」
「そうなんだ?珍しいな、あいつが出張って」
「そうなんですか?」
「玲衣ちゃん、いつもの時間までいる?」
「はい、多分」
「じゃあ、仕事済ませて、すぐ来るから、待ってて」
「はい」
そう言うと、出て行った。
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