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ハッピーバースディ 1
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翌朝。少年が起きると、父親はいませんでした。これはいつものことです。
行き先はだいたい分かっています。自分の鍛冶場か、町です。
いつもと違うのは、囲炉裏のある部屋の端っこに、白鬼がひとり、ぽつんと座り込んでいることでした。
彼女の手首を縛る縄は、傍の柱にくくりつけられています。
白鬼を気にしながら朝ご飯を作り終えた少年は、それを2人分装うと、ひとつを白鬼の前に置きました。
ジロリと、紫色の目が少年を睨みます。
「お前の分。どれから食う?」
彼女はうんともすんとも言いません。
どうしようか迷った挙句、試しに少年は川魚を、白鬼の口元まで持って行きました。
白鬼はちらりと魚に目をやりました。そして大きく口を開けました。鋭い牙が2本、きらりと光ります。
そして、少年の右手にがぶりと食らいつきました。
「痛っ!」
少年は目を白黒させました。べちょりと音を立てて、魚は床に落ちます。
「食わねえのかよ?」
白鬼は口を開きません。その代わり、小さく頷きました。
少年は膝で頬杖をつきました。
「ふーん。じゃあ、何を食べるんだ?」
「魂」
突然しゃべった白鬼に、息子は目を丸くしました。
「魂を食べる。どんな魂でもいいんだけど、いちばん美味しいのは人間の魂。黒いものほど美味しいの」
白鬼は薄く笑って、舌なめずりをしました。
「ねえあなた、この縄を解いてちょうだい。逃がしてくれたら、私の肉をあげるわ」
「肉?」
少年は首をかしげました。
「知らないの? 私の肉を食べれば、不老不死になれるのよ」
「へー」
「どう、欲しいでしょ? この縄を解くだけでそれが手に入るのよ」
「いやいらん」
その返答に、白鬼はあんぐりと口を開きました。
「はぁー!? もうちょっとしっかり考えなさい! 不老不死よ!? あなただって人なら、死にたくないでしょう!?」
「いや別に。死ぬときが来たらしょうがないと思う」
さらりと言う少年に、白鬼は呆気に取られました。
行き先はだいたい分かっています。自分の鍛冶場か、町です。
いつもと違うのは、囲炉裏のある部屋の端っこに、白鬼がひとり、ぽつんと座り込んでいることでした。
彼女の手首を縛る縄は、傍の柱にくくりつけられています。
白鬼を気にしながら朝ご飯を作り終えた少年は、それを2人分装うと、ひとつを白鬼の前に置きました。
ジロリと、紫色の目が少年を睨みます。
「お前の分。どれから食う?」
彼女はうんともすんとも言いません。
どうしようか迷った挙句、試しに少年は川魚を、白鬼の口元まで持って行きました。
白鬼はちらりと魚に目をやりました。そして大きく口を開けました。鋭い牙が2本、きらりと光ります。
そして、少年の右手にがぶりと食らいつきました。
「痛っ!」
少年は目を白黒させました。べちょりと音を立てて、魚は床に落ちます。
「食わねえのかよ?」
白鬼は口を開きません。その代わり、小さく頷きました。
少年は膝で頬杖をつきました。
「ふーん。じゃあ、何を食べるんだ?」
「魂」
突然しゃべった白鬼に、息子は目を丸くしました。
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白鬼は薄く笑って、舌なめずりをしました。
「ねえあなた、この縄を解いてちょうだい。逃がしてくれたら、私の肉をあげるわ」
「肉?」
少年は首をかしげました。
「知らないの? 私の肉を食べれば、不老不死になれるのよ」
「へー」
「どう、欲しいでしょ? この縄を解くだけでそれが手に入るのよ」
「いやいらん」
その返答に、白鬼はあんぐりと口を開きました。
「はぁー!? もうちょっとしっかり考えなさい! 不老不死よ!? あなただって人なら、死にたくないでしょう!?」
「いや別に。死ぬときが来たらしょうがないと思う」
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