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▼ヒロインが悪役?
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お昼休み。私はアイテール・イェーゲルフェルトとランチを取っていた。好きでこの男と一緒にいるわけではない。婚約者としての義務だ。
「ディアーナ、タマヨリとはどうだ? 仲良くしているか?」
サラダをつまみながら、アイテール・イェーゲルフェルトが尋ねてきた。きっと私が、嫉妬にかられてミタマを影でいじめているのではないかと疑っているのだろう。前世の記憶を思い出すまでの私は、アイテール・イェーゲルフェルトにぞっこんだったから。
だけど今の私は違う。アイテール・イェーゲルフェルトが浮かべているのと同じ種類の笑顔を浮かべて、私は答えてやった。
「はい。クラスが違うためなかなかお話しする機会はありませんが、見かければ挨拶をしております」
「そう」
アイテール・イェーゲルフェルトからの返事はこれだけだった。彼がいかに婚約者に興味がないかが分かる。
その時、ずかずかという擬音語がぴったりの足音が聞こえてきたかと思うと、ミタマが私たちのテーブルにやってきた。手にはランチセットが乗ったお盆を持っている。
「アイテール様! 私も一緒に食事しても構いませんかぁ?」
ミタマの言葉に、周囲がざわついた。今、アイテール・イェーゲルフェルトは婚約者である私と食事中。婚約者との逢瀬を邪魔するなんて、マナー違反に他ならない。
私は目だけで周囲を見回した。みんな、ミタマのことを「なんて非常識な」という目で見ている。これはチャンス。私はミタマに向き直った。
「ミタマ、アイテール様と私が婚約者であることは知っているわよね?」
「はい、最初に教えてもらいましたよ?」
「あのね、この国では婚約者との逢瀬に割って入ることはマナー違反なのよ。よっぽどの急用であれば話は別だけれど」
優し気な口調でそう諭すと、ミタマは私を睨んだ。その視線に驚いた。ついこの間までの犬みたいな態度はどこにいった?
私が呆気に取られている間に、彼女はアイテール・イェーゲルフェルトに視線を向けた。いつの間にやらその目には涙が浮かんでいる。
「そうとは知らず、すみません。でも、ひとりで食事をするなんて寂しいなって思ってぇ……そしたらアイテール様の姿が見えたから、私……」
今にも涙を落とすのではないかと思うほどの彼女の態度に、ますます唖然としてしまった。
気まずい沈黙が食堂を襲う。それを破ったのはアイテール・イェーゲルフェルトだった。
「ディアーナ、今日のところはタマヨリも一緒ということで許してもらえないか? タマヨリ、次からは気を付けるように」
「はい! ありがとうございます、アイテール様!」
ミタマが頬を染めながらぱっと顔を輝かす。私は空いた口が塞がらなかった。なんだこの女。
いそいそとアイテール・イェーゲルフェルトの隣に座ったミタマは、食事を始めた。
「そういえばアイテール様が、10歳の時に竜を退治したという話を聞いたんですけど、本当なんですかぁ?」
「……誰からその話を聞いたんだ?」
「オグマです! アイテール様はすごいですね! 私、竜なんて見たことないですけど、絶対怖いですよね。そんなのを10歳で倒しちゃうなんて……みんなの理想の王子様って感じ!」
わざとらしい甘ったるい声に、苛立ちが募っていく。アイテール・イェーゲルフェルトは愛想笑いでミタマの話をいなすが、彼女は気付いていないようでどんどん話を続ける。
食事中にベラベラ話すのもマナーとしてどうかと思うし、話に入ってこない私を何と勘違いしているのか、時々こちらを見ては馬鹿にするかのように勝ち誇ったような笑みを浮かべてみせるのにも腹が立つ。表情に出さないよう、パンと一緒に飲み込む。
その時、はたと気付いた。もしかして彼女は『青天の愛を受けとめて』の読者なのではないか? そして悪役令嬢ものにありがちな、「主人公なのだからみんなから愛されて当然」と思っているタイプなのでは?
そんな疑念を持っている間に、ランチタイムは終わった。アイテール・イェーゲルフェルトと別れ、次の教室の方向が同じのミタマと並んで廊下を歩く。
廊下には誰もいなかった。ミタマが足を止めた。
「ねぇディアーナ、あなた、転生者なんでしょう?」
私も足を止めた。ミタマを見れば、彼女はにんまりと笑っていた。
「あんたも分かってるんでしょう? ここが『青天の愛を受けとめて』の世界だって。それで悪役令嬢に転生しちゃったもんだから、断罪を回避しようといい子ぶってるってところ? 言っとくけど、それは無駄よ。だって主人公はあなたじゃない、私だもの。アイテールもオグマも、それにあなたの義弟のプルートゥスも、全部私のものになる。ハッピーエンドは私のもの。それがこの世界の決まり。あなたも『青天の愛を受けとめて』のファンなら、諦めて原作通りの悪役令嬢を演じなさい!」
ミタマは私を指さして、そう高らかに宣言した。彼女の言葉に、血管がぶち切れたかのような怒りを覚えた。
「はぁ!? だれがファンですって!? ふざけるんじゃないわよ、大っ嫌いよこんな漫画! ありきたりでつまらない、テーマも深みも何もない、ご都合主義まっしぐら。画面も平坦でのっぺりとしてて、ほとんどキャラの上半身しか描かれてないし、コマ割りも視線誘導が下手くそで読みづらいし、顔はみんな一緒だし、背景ほぼ真っ白だし、こんな漫画のどこがいいっていうのよ! なんでみんな、この漫画を賞賛するのよ!」
恐らく予想していた反応と違ったのだろう、ミタマはぎょっとした顔をした。
私は怒りを抑えるため、一度深く息を吐いた。そしてミタマを睨む。
「私はこんな世界で、また無念のうちに死ぬなんて嫌よ。だから原作なんて知らない。そんなものぶっ壊して、今度こそ私が幸せになってやる」
ぽかんとした様子で私を見ていたミタマは、やがて不敵な笑みを浮かべた。
「そう、ならあがくことね。どうせ無駄だと絶望するだけよ」
そう言ってミタマは踵を返した。私は彼女が見えなくなるまで、その背中を睨み続けた。
見えなくなってから、教室の方向が一緒じゃなかったっけ?と首を傾げた。
「ディアーナ、タマヨリとはどうだ? 仲良くしているか?」
サラダをつまみながら、アイテール・イェーゲルフェルトが尋ねてきた。きっと私が、嫉妬にかられてミタマを影でいじめているのではないかと疑っているのだろう。前世の記憶を思い出すまでの私は、アイテール・イェーゲルフェルトにぞっこんだったから。
だけど今の私は違う。アイテール・イェーゲルフェルトが浮かべているのと同じ種類の笑顔を浮かべて、私は答えてやった。
「はい。クラスが違うためなかなかお話しする機会はありませんが、見かければ挨拶をしております」
「そう」
アイテール・イェーゲルフェルトからの返事はこれだけだった。彼がいかに婚約者に興味がないかが分かる。
その時、ずかずかという擬音語がぴったりの足音が聞こえてきたかと思うと、ミタマが私たちのテーブルにやってきた。手にはランチセットが乗ったお盆を持っている。
「アイテール様! 私も一緒に食事しても構いませんかぁ?」
ミタマの言葉に、周囲がざわついた。今、アイテール・イェーゲルフェルトは婚約者である私と食事中。婚約者との逢瀬を邪魔するなんて、マナー違反に他ならない。
私は目だけで周囲を見回した。みんな、ミタマのことを「なんて非常識な」という目で見ている。これはチャンス。私はミタマに向き直った。
「ミタマ、アイテール様と私が婚約者であることは知っているわよね?」
「はい、最初に教えてもらいましたよ?」
「あのね、この国では婚約者との逢瀬に割って入ることはマナー違反なのよ。よっぽどの急用であれば話は別だけれど」
優し気な口調でそう諭すと、ミタマは私を睨んだ。その視線に驚いた。ついこの間までの犬みたいな態度はどこにいった?
私が呆気に取られている間に、彼女はアイテール・イェーゲルフェルトに視線を向けた。いつの間にやらその目には涙が浮かんでいる。
「そうとは知らず、すみません。でも、ひとりで食事をするなんて寂しいなって思ってぇ……そしたらアイテール様の姿が見えたから、私……」
今にも涙を落とすのではないかと思うほどの彼女の態度に、ますます唖然としてしまった。
気まずい沈黙が食堂を襲う。それを破ったのはアイテール・イェーゲルフェルトだった。
「ディアーナ、今日のところはタマヨリも一緒ということで許してもらえないか? タマヨリ、次からは気を付けるように」
「はい! ありがとうございます、アイテール様!」
ミタマが頬を染めながらぱっと顔を輝かす。私は空いた口が塞がらなかった。なんだこの女。
いそいそとアイテール・イェーゲルフェルトの隣に座ったミタマは、食事を始めた。
「そういえばアイテール様が、10歳の時に竜を退治したという話を聞いたんですけど、本当なんですかぁ?」
「……誰からその話を聞いたんだ?」
「オグマです! アイテール様はすごいですね! 私、竜なんて見たことないですけど、絶対怖いですよね。そんなのを10歳で倒しちゃうなんて……みんなの理想の王子様って感じ!」
わざとらしい甘ったるい声に、苛立ちが募っていく。アイテール・イェーゲルフェルトは愛想笑いでミタマの話をいなすが、彼女は気付いていないようでどんどん話を続ける。
食事中にベラベラ話すのもマナーとしてどうかと思うし、話に入ってこない私を何と勘違いしているのか、時々こちらを見ては馬鹿にするかのように勝ち誇ったような笑みを浮かべてみせるのにも腹が立つ。表情に出さないよう、パンと一緒に飲み込む。
その時、はたと気付いた。もしかして彼女は『青天の愛を受けとめて』の読者なのではないか? そして悪役令嬢ものにありがちな、「主人公なのだからみんなから愛されて当然」と思っているタイプなのでは?
そんな疑念を持っている間に、ランチタイムは終わった。アイテール・イェーゲルフェルトと別れ、次の教室の方向が同じのミタマと並んで廊下を歩く。
廊下には誰もいなかった。ミタマが足を止めた。
「ねぇディアーナ、あなた、転生者なんでしょう?」
私も足を止めた。ミタマを見れば、彼女はにんまりと笑っていた。
「あんたも分かってるんでしょう? ここが『青天の愛を受けとめて』の世界だって。それで悪役令嬢に転生しちゃったもんだから、断罪を回避しようといい子ぶってるってところ? 言っとくけど、それは無駄よ。だって主人公はあなたじゃない、私だもの。アイテールもオグマも、それにあなたの義弟のプルートゥスも、全部私のものになる。ハッピーエンドは私のもの。それがこの世界の決まり。あなたも『青天の愛を受けとめて』のファンなら、諦めて原作通りの悪役令嬢を演じなさい!」
ミタマは私を指さして、そう高らかに宣言した。彼女の言葉に、血管がぶち切れたかのような怒りを覚えた。
「はぁ!? だれがファンですって!? ふざけるんじゃないわよ、大っ嫌いよこんな漫画! ありきたりでつまらない、テーマも深みも何もない、ご都合主義まっしぐら。画面も平坦でのっぺりとしてて、ほとんどキャラの上半身しか描かれてないし、コマ割りも視線誘導が下手くそで読みづらいし、顔はみんな一緒だし、背景ほぼ真っ白だし、こんな漫画のどこがいいっていうのよ! なんでみんな、この漫画を賞賛するのよ!」
恐らく予想していた反応と違ったのだろう、ミタマはぎょっとした顔をした。
私は怒りを抑えるため、一度深く息を吐いた。そしてミタマを睨む。
「私はこんな世界で、また無念のうちに死ぬなんて嫌よ。だから原作なんて知らない。そんなものぶっ壊して、今度こそ私が幸せになってやる」
ぽかんとした様子で私を見ていたミタマは、やがて不敵な笑みを浮かべた。
「そう、ならあがくことね。どうせ無駄だと絶望するだけよ」
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