未来からの降霊

ジャメヴ

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  シンプルな部屋だ、と言うより、ほとんど物が無い。チラッと目をやると、奥の部屋に段ボールが見えた。
「あれ?  引っ越してきたばっかり?」
「そうなんだ。ちょっとまだ片付けられてなくて……」
そんな話をしながらベランダに着いた。窓を開けて、彼は私のパンプスを置く。ベランダにはスリッパもサンダルも無い。引っ越ししてきたばかりなので無いのだと思う。
  私はパンプスを履き、ベランダに出る。彼はサンダルが無いのでベランダには出ずに、部屋の中から顔だけを出して話す。「あっち見て」と彼が指差した方向に目をやると、うっすらとだけど、ビルの隙間から東京タワーっぽいものが見えた。
「わあ、凄~い!」
別に感動は無かったけど、彼に良い印象を与える為、驚いて見せた。だけど、内心は疑問を感じていた。確かに東京タワーは見えるけど、これならライトアップされた夜の方が絶対綺麗に見える筈だから。やっぱり夜は他の女の子を呼ぶのかな、という考えが頭を過った。
  彼は東京タワー近くの高層ビルの説明をする。説明を聞けば聞く程、他の子にも同じ事を言っているのかな、と思ってしまう。彼は1通り説明をした後、部屋に戻るよう促した。
その時、ブワッと気圧差でベランダの窓ガラスが揺れた。玄関のドアが開いたんだと思った。
「ヤバい、妻だ。隠れて」
「えっ?!」
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