嫉妬が憧憬に変わる時

ジャメヴ

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迷探偵永遠

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ガチャ……バタン
  俺はドアを開けて廊下へ出た。階段の上から下を見ると折り畳みの机の上に弁当とペットボトルのお茶が置いてあり、食べながら監視をしているようだ。

  丸刈りの男も高級寿司じゃない。やっぱり、スパイダーマンにボコボコにされたのか?  部屋にいる大学生2人も当然弁当だろうな。俺はラッキーだったのかも知れない。丸刈りの男と茶髪の男は話をしていないようだ。多分、他人なのだろう。

  俺は一応トイレに行くと隣に洗面台と風呂がある。風呂もあるじゃないか!  と驚いた。もちろん、王の部屋に風呂があるのは分かっているけど、俺は風呂無しと聞いていたので、来客用の風呂が無いと思っていたのだけど、あった。覗いてみると、かなりデカい。

  マジかよ~。何で入れないんだ?  いっそのこと、皆で裸の付き合いをすれば仲良くなれるのに。あっ、それは駄目だな。監視役が居なくなっちゃうからな。でも、交代で監視するんだから休憩の人が順番に入れるじゃないか。いや、それも駄目か……。顔を見られちゃうからな。良い風呂あるのに入れないのはショックだな~。

  俺は無類の風呂好きだ。風呂好きと言っても、家の風呂ではなく、温泉や銭湯などの大きな湯船で身体全体を伸ばして浸かるのが好きだった。この別荘にはかなり大きな湯船が有るようだ。
  俺が少し肩を落としながら部屋へ戻ろうとした時、ふとショーケースを見ると何か違和感があったので、2度見をする。

  フォークが無い!  先程まであった筈の純金製であろうフォークが無くなっている。明らかに取った奴がいる。誰だ?  ロマンスグレーの髪の執事が外出した時が怪しい。

  俺は階段を上がり、監視役の二人を見る。

  監視役の2人が1番怪しいとなるのか?  絶対に見ているだろうからな。ただ丸刈りの男は関係無い筈だから共犯では無く、ノータッチという感じなんだろうか?

  俺は一先ず自分の部屋へ戻る。 
ガチャ……バタン
  スマホを見ると山田さんから返信が入っていた。
『それはおかしいな。お前は西大空手部の坂井直樹って伝えてるからな。達人は見ただけで実力が分かるって言うからそれじゃないか?  (笑)』
俺は返信を送る。
『褒め言葉ととっておきますよ。それより、皆西大なんですか?  頭良いんですね』

  西大生のようなエリートなら、盗みを働いたりしないか……。となると丸刈りの男が本命になったな。彼だけ素性が分からない。茶髪の男にそれとなく聞いてみるか?  ただ、西大仲間の犯行だった場合、ややこしくなってしまう。どうしたものか……。

ガチャ……バタン
  俺は部屋を出た。
ガチャ……バタン
  すると直ぐに背の低い男も部屋を出て来て、手には食べ終わった空の弁当を持っている。しかも、純金製のフォークを持っている!  訳が分からないので、本人に聞いてみようと背の低い男に尋ねる。
「すみません」
「うん?」
背の低い男は無愛想に振り返る。
「そのフォークって……」
「ああ、俺、箸が使えないんだわ。だから、ちょうど良いフォークがあったんで借りたんだわ」
「……」
「これ、多分純金だわ。重さが違う。食べ難かったけど、普通の弁当でも高級感が味わえて旨かったわ」
背の低い男は俺にそう告げると洗面台にフォークを洗いに行った。

  な、何て図々しい奴なんだ。人の家の、しかも、超高級な食器を勝手に使うとは……。

  背の低い男は純金製のフォークをショーケースに返した。こうして、俺の勘違い探偵は幕を閉じた。
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