幽霊の足跡

ジャメヴ

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アルファポリス

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犯人が現場に戻ってくるような心理行動を防衛的露出行動と言う。例えば、浮気をして帰って来た時などに、「いやあ、今日は上司から食事に誘われちゃって」などと、普段なら言わないような事を自分から先に言って、恋人や奥さんの様子を伺うのだ。不意に「今日遅かったわね」と言われると、気が動転して上手く返せなくなるのを防ぐ為、心構えをして対応しようという心理なのだろう。だが、こういう場合、逆に気付かれてしまう事が多い◆

「ありがとうございます。先程、お電話した小牧です。では、あちらの警察官にお話願えますか。私も後で向かいます」
「分かりました」
そこへ、来客だと思ったのか、家政婦が近付いて来た。初対面だと言っていたので、そのリアクションを確認する。美園の顔を見ても、特に変わった反応は無いようだ。だが、美園が警察官斉藤の方へ向いた後、家政婦の様子がおかしくなったのを俺は見逃さなかった。俺は家政婦に話し掛ける。
「どうかしましたか?」
「い、いえ、何でもありません」
絶対何かあっただろ!  と突っ込むのを飲み込んだ時、後ろから日吉に声を掛けられる。
「小牧さん」
日吉が俺を呼んだ後、スマホを見せながら言う。
「これを見て下さい」
「ん?  これは?」
「アルファポリスっていう小説投稿サイトです。学はこのサイトに『GAKU』というペンネームでミステリー小説を載せているんです。この部分を読んで下さい」
「……ベランダに干されてあったレインコートが落ちた上を通って部屋に入り殺害した後、バケツで水を撒いた為、足跡が残らなかった!  これは今回の殺害方法か?!  という事は、学……いや、そうか!  だから、さっき、様子がおかしくなったんだな」
「何かあったんですか?」
「家政婦が、奥さんの香水の残り香がしたって言っていたのは美園の香水だ!」
「どういう事ですか?  2人が同じ香水を使うなんて偶然ありますか?」
「偶然じゃないんだ。透は奥さんに不倫がバレないように、美園に同じ香水をプレゼントしたんだろう」
「なるほど、そういう事ですか」
「これなら息子にもバレ難くなるし、一石二鳥だからな。そうか、美園が犯人なら、凶器に繋がる何かを持っている可能性がある」

俺は篠原美園が犯人だと確信した。そこで、ふと、学の事を思い出し、ゾッとした。

  まさか、学も美園に殺されているのか?
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