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カラオケ

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三限が終わり昼休み裕太と一緒に昼弁当を食べている時、

「~♪~♪♪~♪。」

「由紀?」

「~♪?…なんだ?」

鼻歌を歌っていると裕太がにこにこしながらこちらを見て、なんか企んでそう…

「放課後カラオケ行かね?」

「行く。」

突然言われたカラオケへの誘い、もちろん行くと言いましたよ?

「と、言うわけでやって来ましたばんばん!」

「まね〇ねこでも良くね?近いし」

っと裕太は聞いてくる。

「招かれてないからだめ」

「いやそういう名前の店だろ」

なんか言ってる裕太を無視し店に突撃であります。

「とりま行くぞ」

「わかったから、スキップするな見える。」

「何が?」

「言う?」

「言ったら恥ずかしくて泣く」

「じゃあ言わん」

てな感じで店に裕太と手を繋いで入ります。何故手を?

「なんで繋ぐ?」

「心配だからだ」

「俺そこまで子供じゃ…」

「入口ではしゃいでた奴がよく言うな?」

ごもっともで、

「高校生2人?ですね。」

「そうです。」

「えっと、その子高校生ですか…?」

「ん、これ手帳」

「えぇ?ほんとですね。はい、では2時間でよろしいでしょうか?」

「はい」

「…アイスとホットどちらにしますか?」

「アイス!…あ、うぅ…」

思ったより大きく声が出てしまい赤面してしまう。

「俺もアイスで」

「ふふ、アイスですね?こちらコップです。場所は10号室です。」

「分かりました。ほら由紀行くぞ?」

「…うん。わかった。」

手を引かれながら10号室に向かう、後ろから暖かい視線が向けられてそうだが無視だ!

「あ、そういやあいつら由紀の事心配してたぞ?」

「あー、どんな感じで伝えてるんだ?」

あいつらとは八上やがみ戸島とじまという2人の友達のことだ

「病気ってことにしてる」

「確かにこれは性転換病とか言う名前そう?ってかこれ病気で良いよか?」

「病名まんまじゃん、まぁ確かに病気の域越してるよなそれ」

外見全くの別人、こんな病気があってたまるかって話?になるだろう。

「んで?何歌うよ」

「ボカロでよくね?」

「いつも聞いてるしな?」

2人して笑いながら色々とリストアップしていく、

「最初裕太だな?俺ちょっと飲み物行ってくるわ」

「俺のもよろしく、オレンジで」

「混ぜてくる!」

「やめれ!」

拒否されてしまった。

「ぶー、行ってきます。」

「ほんとにやるなよ?」

「…フリ?」

「混ぜたらホラゲー実況な」

「行ってきます。」

混ぜるのやめよう、うん。

「ただいま」

中に入ると裕太が最後のサビを歌っているところだった。

「んっしょ…よし」

「~♪!…はぁー!時々高いパートが辛い!」

「お疲れー、入れてきたよ?はいこれ」

「お、ありがと…混ぜてないよな?」

「……ないよ?」

「そうか」

うん、水とオレンジだから混ぜてはないよね?だってオレンジジュースって水とオレンジを割って作られてるもん!…だよね?知らんけど

「由紀、マイク」

「え?」

「次由紀だろ?」

「あ、うん!」

とまぁそんなこんなで、

「喉が痛い…」

「いやぁ歌ったな」

「ほとんど歌ったの俺だけどな?由紀ずっとジュースに夢中だったよな?ん?」

俺は最初の1回歌ったあと、ジュースを飲むことに夢中になってしまい他の曲を全部裕太が歌っていた。

「そ、ソンナコトナイヨ?」

「片言じゃんか…受付員のひとも笑ってたぞ?」

「うぅ…」

聞くとドリンクバーで何にするか首を傾げながら悩む俺が可愛かったとのこと、

「うぁぁ…」

「それ聞いた俺はどうすれば良かったんだ?悔やめばいいのか?」

「なぜ悔やむ?現在進行形で俺が悔やんでるわ!」

「え?ついて行けばその所撮れたのにって?」

「悔やみ度が上がるだけだ!しかもそれ俺にとって黒歴史と化すやつ!」

「そんな由紀が見てみたいな」

「鬼!悪魔!」

「ん?ホラゲーしたいって?」

「い、言ってないよ!?」

「まぁすることは確定事項だけどな」

「へぇ?」

「由紀、最初のオレンジジュース…混ぜたろ?」

「え…な、なんの事?」

なぜバレた…。俺は真っ白になった頭で答えを探す。

「味、薄かったなぁ…」

「…くっ、入れすぎたか!」

「ちなみに何入れた?」

「水」

「納得…ホラゲー決定な?」

「あ…」

俺はホラゲーをすることになってしまった。

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