語られる事もなき叙事詩(バラッド)

伊東 馨

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第3部 天の碧落

第5章 カルデロンの裾野 2

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「あたしが始めてアレクに会ったのは、彼が傭兵として雇われた仕事の報酬を受け取る場面でだったわ。出会った場所は、あたしがいた娼館よ」
 エドリスはそう言ってアレクシスとの出会いを話し始めた。
「……女が売られていく先は決まっているわ……。あたしも大抵の子供達と同じようにそうやって故郷を離れたの。とにかく──あたしがいた娼館でトラブルがあって、その解決のために雇われた傭兵達のうちの一人がアレクシスだったのよ」
 トリニティはエドリスの告白に驚いて目を瞠った。突然の告白になんと反応を返したらいいのかも分らずと惑っていると、それを見たエドリスが小さく肩を竦めた。
「支払いは現金だけじゃたりなかったらしく、店の主人は娼婦を代金の換わりに連れて行ってもいいと傭兵達に言ったの。とはいっても、傭兵は普通奴隷を代金代わりに受け取るのは嫌がるんだけど」
「……どうして?」
「旅を一緒にする事になるから足手まといになるし、売ってお金にかえるにしても、買い手が見つかるまでは食事も与えないといけないでしょ? だから娼婦を代金代わりに受け取ろうという人が居なくて……結局、アレクが現金でなく奴隷を受け取る事になったの」
 エドリスはそこまで言うと思い出したように笑った。
「ホント、気のいい人よね。今でこそそれが分るけど、その頃のあたしには残念ながらそれは分らなかったわ。──それにあの憮然とした調子で毒舌で……とてもじゃないけどいい人だなんて思えないじゃない? だから、すごく怨んだの」
 トリニティは身を乗り出して言った。やや声が大きくなるのが自身にも分った。
「どうして? 娼館を出られるのなら、いいことなんじゃないの?」
「ふふ。トリル、あなた娼館がどういうところか知ってる?」
 エドリスが大人びた笑みを唇に乗せた。トリニティには想像もつかない世界を生きてきた大人の笑いだ。
 仕方なくトリニティは首を横に振った。
 エドリスは遠くを見つめるような目を見せたが、そこには苦渋の日々の色は伺えなかった。もちろん、懐かしい思い出であるはずがない。だがトリニティが想像したようなものは何も見出せなかった。
「娼館には女の子が沢山買われてくるの。貧しい村からそんなに沢山の子が集められたんじゃ、館が一杯になるんじゃないかって思うかもしれないけれど、実際はそうじゃないわ。花柳病はもちろん、ちょっとした重い病気になっても治療はしてもらえないから……元気になればいいけど、そのまま死んでしまう子も多かった。二十五歳以上の娼婦は殆ど見当たらなかったけれど、それはきっと──皆その年頃まで生きられないからなのよ」
 エドリスは何でもない事のようにさらりと言って言葉を続けた。
「あたしもその時、病気に掛かっていたの。何の病気かは知らなかったけれど、時々血を吐くようになってた。自分でも分ったわ。──きっと、もう長くはないって」
「そんな……」
「ううん。娼館で働く者は皆、覚悟してた。皆、そういう死に方なの。……ちょうどその時、あたしの他には誰も具合の悪い娘はいなかった。それなのに、アレクはあたしを報酬として引き取る事にしたのよ」
「いかにもアレクらしい……?」
 トリニティは躊躇いがちに言った。アレクシスは外見や態度から受ける印象と中身が違うことくらいならもう知っていた。厳しく冷徹で他人に無関心な態度とは裏腹に、本当は燃えるように熱い鉄のような激しさとそれに見合う優しさを持っている。それに……驚くほど責任感も強い。自分が他者に対してとっているポーズとまったくそぐわない程に。
 それがダンジョンマスターである彼が自分から他者を遠ざけようとする為にとっていた態度だったのだと、いまでは十分に分る。──それほどに、アレクシスが優しいのだと。
「そうね」エドリスは頷いた。「あたしもそう思うわ」
「でも、その頃のあたしにはそんな事は分らなかったわ。だから、あたしはこう思ったの──前に噂で聞いたことがあって──こんな時、傭兵の中には、わざと具合の悪い女を貰う人もいるんですって。つまり……女を次の町まで連れて行くには、食事代も掛かるし、足手まといでもあるでしょ? だから、わざと死んでもかまわないような女を選んで、食事も与えず、楽しむだけ楽しんだら、置き去りにするんですって。中には、もっとひどい事を愉しみにする男もいるんだって聞いていたわ。元気でない女を選ぶ理由は……まだ元気な女を置き去りにするよりは、言い訳が立つから……良心への言い訳が……」
 トリニティは女の置かれた立場のあまりの弱さに、息が継げなかった。激しい憤りを感じる前に、そのあまりの酷く過酷な生に憎しみさえ覚えた。
「そんな──そんなのって、ない!」
「もちろん、ただの噂として聞いただけだから、大げさだったのかもしれないけど……。でも、当時のあたしにはそんな事は分らなくて。そんな事もあるかもしれないって思っていたわ。だから、その日の晩、アレクがあたしの包まっていた毛布を剥ぎ取って、胸元に手を置いてきたときには『ほら、やっぱりあの噂は本当だったんだ』って思ったわ」
「生きて娼館を出られた喜びよりも、あたしを連れ出したアレクへの憎しみの方が大きかった。だってそうでしょ……? あたし達女は、いつも男にいいように扱われる……。どんなに理不尽に扱われても、どうする事も出来ないのよ」
 エドリスは話を続けたが、トリニティはショックのあまりエドリスの話の続きをあまり聞けなくなってしまった。
 心臓を誰かが乱暴に掴みあげたような気がした。
「この男は、あたしを散々もてあそんだ後此処へ捨てていく気なんだって──あたし、本気でそう思ったんだけど──違ったわ。フフっ! 驚いた?」
 余程に目を丸くしていたのか、それともショックを受けたような顔をしていたものか。エドリスがトリニティの顔を覗き込みながら、安心させるように悪戯っぽく笑った。
「胸に手を置いて──何かを喋って──そうしたら、病気で胸が苦しかったのが治ったの。旅は続けたし……彼はあたしにちゃんと食料を与えてくれたし……。どうやら彼が魔法であたしの病気を治してくれたらしい事だけは──旅を続けるうちに、だんだん分ってきたんだけど」
「彼はあたしを途中の町や村で売ろうとしたの。……後になってじっくり考えたら分るんだけど、なるべくいい奉公先を見つけてくれようとしていたのね……ただ単純に売って手放そうとはしなかったわ。でも、その時のあたしにはそこまでは分らなかった。アレクの事を世の中の理不尽な事の代表のように感じていて……とにかく、彼のことを憎くて怨んだわ」
 エドリスは一息ついて、話の先を続けた。四年も前のことでも鮮明に覚えているらしく、遠い昔を思い出そうとする素振りを見せるでもなくすらすらとトリニティに話して聞かせた。
「彼は旅路を急いでいたようだったわ。……結局、あたしを手放す機会を失ったまま、この家まで来てしまったのよ。冬が来る前に、此処に戻らなくちゃいけなかったからなのね。彼はあたしを此処において冬中どこかにいってしまった」
 ダンジョンに篭もりに行ったのだ。トリニティはそう思った。
 果たしてエドリスはアレクシスがダンジョンマスターだと言う事を知っているのだろうか……。トリニティはそれを考えながら、少し楽しそうにその頃の事を語るエドリスを見つめた。
「春になるとどこかからか戻ってきて、また出稼ぎに行った。次の年の秋、また当たり前のようにアレクシスは此処へ戻ってきて……そのときには、タヴィを連れてきてくれたわ」
 エドリスは椅子に深く腰掛け、椅子の背にもたれた。身を浮かせるようにして天井を仰いだ。
「最初の冬は一人きりで過ごしたし……時間は沢山あったから、色々な事を考えられたわ。たぶんアレクは──あたしをあの娼館から助け出してくれたんだと言う事とか。あのままだったらあたし、間違いなく死ぬはずだったんだわ……とか。──それから、なるべくいい奉公先を見つけてくれようとしていた事とか、病気を治してくれた事とか……。色々思い至って……あたし、まだ彼にお礼も言ってなかったなって思ったりもした。彼が帰ってきたら、まず真っ先にそれを言わなくちゃって。挙句に、大事な事を思い出して──信じられる? あたし、まだその時、彼の名前さえ知らなかったのよ! 此処へくるまでの間中、彼のことを怨んでいたから、名前なんて聞きもしなかったの! 笑っちゃうわよね!」
 エドリスは両手に握りこんだ器を揉みこむように握り返した。器の中に僅かに残った湯に視線をやりながら、心だけは四年も前に飛んだように一言一言を噛み締めるように語った。
「だから春になって……彼が帰ってきたら、まず名前を聞こうと思ったわ。それから、お礼を言おうと。──あたし、アレクに感謝しているわ。彼は別にあたしを奴隷として扱ったりはしないわ。この家に住む──当然の人間として、ごく普通に接してくれるの。もちろん、タヴィにもね。……不思議ね。あたし、あんな人始めてみたわ。とはいえ、別に優しいって言うわけじゃないんだけど」
 最後の一言を含み笑うように言ってエドリスは顔をあげ、トリニティをまっずぐに覗き込んだ。
「──でも、あなたは違うのね。彼と共に、アレクがいつも冬に行く場所へ行くんでしょう?」
 トリニティにはエドリスのその言葉が、『家族にはなれないのね』と残念に思う気持ちと『自分達が言った事のない場所へアレクに連れて行ってもらえるのね』という嫉妬の気持ちの両者が込められているように感じた。
「冬にアレクが何処に行くのか知っているの?」
 もし知っているのなら、自分こそ嫉妬の念を抱いてしまうかもしれないと心の底で僅かに思いながらもトリニティが尋ねると、エドリスは首を横に振った。
「いいえ。アレクはそれについては話した事もないわ。もちろん聞いたこともない」
「──どうして聞かないの?」
「どうして? もし、あたし達に必要な事なら、アレクは必ず話してくれるわ。でも話そうとしないのは、きっと、知らない方がいい事だからよ」
 トリニティは思わず頷いてしまった。アレクシスは何度かトリニティにも言ったはずだ。彼が魔王のダンジョンマスターだと言う事は、『知らない方がいい』のだと。知ってしまえば、後には引けなくなると。
「あなたは彼が何処に行くのか知っているの?」
 今度はエドリスがトリニティに尋ねる番だった。
「いいえ。あたしも知らない。ただ、そこに行けば、あたしのこの病が治る方法が書いてある書物が見つかるかもしれないって。無理は承知でも一緒にそこへ行ったほうがいいって──そうしないと、春まで待ってたら……あたし……もう間に合わないかも知れないから……」
    俯き加減に答えるトリニティにエドリスが得心顔で頷いた。
「……やっぱり病気だったのね」
「誰にも治せないって言われたの。それでアレクがもしかしらたそこで分るかも──って」
 トリニティは空っぽになった器を掌の中で弄びながら、もじもじと呟いた。
「彼って、優しいわよね……? きついし、厳しいし。別に優しくなんかないみたいなんだけど──」
 エドリスが苦笑しながら頷いた。
「あたしもそう思うわ。不器用だなって。それにしても」エドリスは口元に手をやると、ふふっと笑った。「あなたって不思議」
「あたし──?」
「ええ」エドリスが頷く。「トリルって、十歳くらいよね? でも、あなたと話してると、なんだか同じ年頃くらいの子と話してるみたいな気がするわ」
 言われたトリニティは唇をかんで足元を見つめた。……エドリスの言う事は本当は当たっているのだ。
 だがそれを口に出して言うことは、今のトリニティには許されなかった。
 自分が逃亡中の身だという事を忘れるわけにはいかないのだった。
 黙りこんだトリニティを見てエドリスは気まずくなったのか、すこしそわそわとした素振りを見せた。ちょうどその時、アレクシスとタヴィが猟から獲物をさげて帰ってきた。
 扉が元気に開け放たれる。最初に飛び込んできたのはタヴィだった。
「トリル!」
 その笑顔が、狩の成果を告げていた。
 タヴィはその年齢でありながら一人前に背に大きな狩猟用の鉈を背負っていた。投げつけて獲物を屠る事も出来るし、仕留めた獲物の解体にも使える、刃渡りが長く柄も長い、やや浅い角度のついた鉈だ。一人前の猟師の格好だった。
 エドリスが立ち上ると腰に手を当て苦笑した。
「やれやれ──だわね、タヴィ。帰ってくるなり、開口一番『トリル』ですって?」
「べ、別に、俺」
 タヴィが顔を赤くしながらどもった。どもりながらもトリニティの方に目をやり、満面の笑みを浮かべた。新しく仲間が増えたことをこれ以上ないくらい喜んでいるのだった。
 そのタヴィの頭を軽くエドリスが叩いた。
「こらこら。その喜びよう! 分ってる? トリルはあくまでもお客様なんだからね? 此処であたし達と暮らすことになるわけじゃないのよ?」
「わかってるよっ! ──けど、いいだろっ? 別に!」
 タヴィが頭を押さえながら反発した。本当に、本当の兄弟のように仲がいい。
 トリニティは答えられない気まずさから開放されて、安堵の息をついて立ち上がった。
そして、タヴィに狩の成果の程を聞こうと口を開いた。

(続く)



+-----------------------------+
|        「語バラ(裏)」    
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『激突! 遊園地でラブラブデート!』



トリニティ:「わ~、楽しいっ! あたし、ここに来たの初めてなんだ!」

アレクシス:「そうか、そりゃよかったな」

トリニティ:「ね、このアイスおいしいよ? アレクも食べなさいよ」

アレクシス:「俺には寒いこの季節にアイスを食べる奴の気が知れないな」

トリニティ:「ふ~ん……。アレクって意外と年寄りくさいんだね。──まあ、あたしより2コ上だけどさ」

アレクシス:「……。……」

トリニティ:「あれ? 否定しないんだ?」

アレクシス:「──いや、何も言う気になれないだけだ」

トリニティ:「なによう! ブーっ! どうせあたしはお子様ですよーだ!」

アレクシス:「そういう態度がお子様なんだろ」

トリニティ:「ブーブー! ──。……ふふっ。でも、他の人たち、あたし達の事誰も不思議そうに見ないわね」

アレクシス:「? どういうことだ?」

トリニティ:「だって、本編だったら、あたしとアレクって妙な取り合わせじゃない? 結構、道行く人が振り返るでしょ」

アレクシス:「まあ、そりゃあ……。本編では──どうやってるか分らないが、外見が十歳児のサイズに縮んでるからな。それにあの特殊メイク、目立つに決まってる」

トリニティ:「ブー! 詐欺だよね~? ヒロイン役だっていうから喜んだのに、あんな格好させる? それに、王女様役だっていうからドレスが着られると思って喜んだのに、まだ一度も着たことがないんだよ! いつも木綿の貫頭衣! 絶対詐欺だよ!」

アレクシス:「……でもまぁ、今は普通に十八歳の歳格好だからな。別段目立ってないぞ?」

トリニティ:「えへへ! こうやってアレクとデートしてても誰も不思議そうに見ないしね! 本編の格好でデートしてたら、絶対親子に見えちゃうわよね!?」

アレクシス:「親子──?」

トリニティ:「あ! アレクって目つき悪いから、それとも『人攫いと攫われた子供の図』──かしら?」

アレクシス:「自分で言うなって! だが──別に、俺はお前が十歳児の格好をしてても別に困らないぞ?」

トリニティ:「え──? アレク、それって……つまり……」

アレクシス:「そう、つまり……」

トリニティ:「守備範囲ってことっ!?」

アレクシス:「そう──。 ! いや! 違うぞ!?」

トリニティ:「やだ! アレク! 『十歳児と遊園地でデートの図』でも別に困らないってことは、つまり、そういうことでしょっ!?」

アレクシス:「いや! そういうことじゃなくって……」

トリニティ:「いやー、ショックー!」

アレクシス:「だから聞けって! 俺は別に相手がお前なら見た目はどうでもって言いたかっただけで……」

トリニティ:「やーだー! 皆がロリコンって言ってもあたしだけは信じなかったのに……! いや……ブツブツ……十八歳のあたしでもOKなんだから、ロリってワケじゃないんだ別に……つまり、守備範囲がグーンと広く、オールオッケーってこと……? それはそれでショックが──」

アレクシス:「聞けよ、聞いてくれ頼むから……聞いてください……」

(完)
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