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おまけ
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俺はいつも通り、昼の11時過ぎくらいに起きる。
昨日の夜は嶺にいちゃんと一緒だったから、ごちゃごちゃしてる部屋のクレーンゲームで取ったぬいぐるみに囲まれたベッドで目覚めた。
嶺にいちゃんは大学らしく、隣にはもう居なかった。
真冬だけどうちは全館空調だから寝具も薄い布団でも寒くなくて、部屋を出ても廊下も洗面室も暖かい。
顔を洗って、歯を磨いたら、用意された今日の服に着替えるため自分の部屋に行き、白と淡いブルーの色の斜めストライプのパジャマを脱いで、でかいベッド上に投げた。
置いてあったのはオーバーサイズ気味の真っ白なTシャツ。それとショートパンツ。こっちも同じ白。
その下にボクサーパンツが置いてある。下着が今日はある!
と一瞬喜んだけどその下着は、親指と人差し指をくっつけたくらいの大きさのピンクと赤のハート柄が生地いっぱいに散りばめられたものだった。
ハートかあ‥。
なんか嫌な予感。バレンタインは明日だけどな。
俺は素直に用意された服装に着替え終えるとパジャマを洗面室のバスケットに入れてリビングに行った。
ドアを開け、広いリビングを見渡すけど誰もいない。けど人の気配はする。
部屋の中程まで進むと、凱にいちゃんがリビングの向こうのキッチンに立ってた。
「ああ、おはよう。京」
分厚い身体に、少しぴっちりとした白のカットソーとスエットにいつも使ってるベージュのエプロン。エプロンはシンプルな首から下げて腰紐が前で結ぶ風になってるやつ。
「おはよ、凱にいちゃん学校は?」
「休んだ。今日は京と過ごすから。ごはん用意出来てるよ」
「食べるー」
オープンキッチンの目の前にあるゆったりとした6人掛けのテーブルの真ん中の席に座ると、凱にいちゃんは冷蔵庫から瓶入りのオレンジジュースをコップに注いで持ってきてくれた。
凱にいちゃんはコップをテーブルに置くと、俺のこめかみあたりにちゅうしてキッチンに戻る。
テーブルの上にはトマトとブロッコリーとパンチェッタのサラダ。
「それ食べて待ってて」
凱にいちゃんはフライパンを温め始めた。
のんびりと晴れ渡る気持ちのいい冬の青空を見ながらサラダを食べ終え少しするとホットケーキが出てきた。手のひらくらいのハート型のホットケーキの上に一回りくらい小さなハート型の目玉焼き。それに添えてあるウインナーまでハート型に飾り切りされている。
「う。わぁー‥」
「ほんとは明日がよかったけど、僕は今日になっちゃったから」
なんとなく聞くと、どうやら五色叔父さんと凱にいちゃんと嶺にいちゃん三人でバレンタインを俺と誰が過ごすかで揉めたらしい。
あったかいホットケーキはふわふわでバター香りがとてもよくて、塩胡椒した黄身をソースにして食べるととても美味しい。
凱にいちゃんも一緒にお昼ご飯みたいで、焼き上がったホットケーキを隣で食べた。
食事が終わって片付けが終わっても凱にいちゃんはキッチンで動いてる。なんかボウルとか小麦粉とか出してる。
「何作ってんの」
「バレンタインのケーキ。出来たら一緒に食べよう」
「何ケーキ?」
「ガトーショコラ」
俺、それチョコがギュッとしてて好き。
「ふうん」
でもバレるのなんか恥ずかしくてさりげない態度をしたつもりだったけど、凱にいちゃんにはそれがバレているのか、「京、かわいい」って言ってぎゅっと抱きしめてきた。そんでちょっと屈んでおでこのあたりをちゅっ、ちゅっ、って何度もキスされた。
ようやく凱にいちゃんが俺から離れると、俺は暖かい日差しの差し込むリビングのソファでごろごろしながら甘い匂いが漂うまでスマホでゲームをしながら遊んだ。
俺はいつも通り、昼の11時過ぎくらいに起きる。
昨日の夜は嶺にいちゃんと一緒だったから、ごちゃごちゃしてる部屋のクレーンゲームで取ったぬいぐるみに囲まれたベッドで目覚めた。
嶺にいちゃんは大学らしく、隣にはもう居なかった。
真冬だけどうちは全館空調だから寝具も薄い布団でも寒くなくて、部屋を出ても廊下も洗面室も暖かい。
顔を洗って、歯を磨いたら、用意された今日の服に着替えるため自分の部屋に行き、白と淡いブルーの色の斜めストライプのパジャマを脱いで、でかいベッド上に投げた。
置いてあったのはオーバーサイズ気味の真っ白なTシャツ。それとショートパンツ。こっちも同じ白。
その下にボクサーパンツが置いてある。下着が今日はある!
と一瞬喜んだけどその下着は、親指と人差し指をくっつけたくらいの大きさのピンクと赤のハート柄が生地いっぱいに散りばめられたものだった。
ハートかあ‥。
なんか嫌な予感。バレンタインは明日だけどな。
俺は素直に用意された服装に着替え終えるとパジャマを洗面室のバスケットに入れてリビングに行った。
ドアを開け、広いリビングを見渡すけど誰もいない。けど人の気配はする。
部屋の中程まで進むと、凱にいちゃんがリビングの向こうのキッチンに立ってた。
「ああ、おはよう。京」
分厚い身体に、少しぴっちりとした白のカットソーとスエットにいつも使ってるベージュのエプロン。エプロンはシンプルな首から下げて腰紐が前で結ぶ風になってるやつ。
「おはよ、凱にいちゃん学校は?」
「休んだ。今日は京と過ごすから。ごはん用意出来てるよ」
「食べるー」
オープンキッチンの目の前にあるゆったりとした6人掛けのテーブルの真ん中の席に座ると、凱にいちゃんは冷蔵庫から瓶入りのオレンジジュースをコップに注いで持ってきてくれた。
凱にいちゃんはコップをテーブルに置くと、俺のこめかみあたりにちゅうしてキッチンに戻る。
テーブルの上にはトマトとブロッコリーとパンチェッタのサラダ。
「それ食べて待ってて」
凱にいちゃんはフライパンを温め始めた。
のんびりと晴れ渡る気持ちのいい冬の青空を見ながらサラダを食べ終え少しするとホットケーキが出てきた。手のひらくらいのハート型のホットケーキの上に一回りくらい小さなハート型の目玉焼き。それに添えてあるウインナーまでハート型に飾り切りされている。
「う。わぁー‥」
「ほんとは明日がよかったけど、僕は今日になっちゃったから」
なんとなく聞くと、どうやら五色叔父さんと凱にいちゃんと嶺にいちゃん三人でバレンタインを俺と誰が過ごすかで揉めたらしい。
あったかいホットケーキはふわふわでバター香りがとてもよくて、塩胡椒した黄身をソースにして食べるととても美味しい。
凱にいちゃんも一緒にお昼ご飯みたいで、焼き上がったホットケーキを隣で食べた。
食事が終わって片付けが終わっても凱にいちゃんはキッチンで動いてる。なんかボウルとか小麦粉とか出してる。
「何作ってんの」
「バレンタインのケーキ。出来たら一緒に食べよう」
「何ケーキ?」
「ガトーショコラ」
俺、それチョコがギュッとしてて好き。
「ふうん」
でもバレるのなんか恥ずかしくてさりげない態度をしたつもりだったけど、凱にいちゃんにはそれがバレているのか、「京、かわいい」って言ってぎゅっと抱きしめてきた。そんでちょっと屈んでおでこのあたりをちゅっ、ちゅっ、って何度もキスされた。
ようやく凱にいちゃんが俺から離れると、俺は暖かい日差しの差し込むリビングのソファでごろごろしながら甘い匂いが漂うまでスマホでゲームをしながら遊んだ。
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