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狩人最強の王が住む〈サンクチュアリ城〉の真下には、巨大な地下空間が広がっている。
この地下の存在を知っているのは、城に住む者達と四大ギルドのリーダーと大聖堂の天使達だけ。
多くの狩人達が存在を知らない、広大な地下空間につけられている名は〈アンダーグランド〉。
監理を任されているのは冒険譚にも記されている、偉大なる王の一人である〈冥府の王〉ナイア・ケイオス。
ナイアが住む場所は、地下空間と地上を繋ぐ塔〈パンドラ〉と呼称されている。
塔の外は一種のダンジョンと化していて、希少な鉱石が無限に採取できる仕組み。
鍛冶職人達が使用している素材の大半以上はここから供給されており、そしてもう一つの役割『狩人の処刑場』も兼ねていた。
処刑場は塔の最下層に存在する深淵と繋がっている大穴、そこで彼等はナイアが所有する門番のエサとして消化される。
数万年も地下から這い出てくる、名状しがたき怪物を処理している最強の門番を相手に生き残った者は一人もいない。
ほとんどが許しを請いながら、自身の行いを悔いながら食い殺されている。
オレオール家が国の光ならば、ケイオス家は闇を担っている。
そんな最下層に位置する王の間に、普段〈サンクチュアリ城〉の頂上から出てこない白髪の老人。
──グレンツェン・オレオールが〈アース・メイド〉に案内されて姿を現した。
『あらあら、珍しい客人ね。器ちゃんを成長させるために珍しく地上でアレコレ頑張っているみたいだけど、こんな辺境の地まで足を運ぶなんて一体どういった風の吹き回し?』
偉大なる王にタメ口をきいたのは、塔の主でありエリアを管理する女王ナイア。
かつて彼と共にパーティーを組んでいた妖精は、表情の読めない不気味な笑顔で戦友を歓迎する。
彼女の見た目を一言で表すのならば、長い黒髪の巨乳美女。例えるなら夜の女帝といった印象。
引き締まった身体はモデルのようで、身につけている黒いドレスは妖艶という言葉がピッタリだ。
男性ならば誰もが彼女に見惚れて、『美しい妖精』の姿に熱い思いを抱くことだろう。
しかしナイアの知人達は、その美が獲物を引っ掛けるための罠だと知っている。
過去に多くの狩人達が彼女の沼に沈み、そして取り合って大きな抗争にまで発展した事は一度や二度ではない。
一体どれだけの有力なギルドと狩達が破滅した事か、それを知っている者達は彼女の事を魔女とも呼んでいる。
故にグレンツェンは警戒して、玉座から見下ろすナイアの問いかけに表情を一切変えずに答えた。
『全ては器と聖女の為に、それ以上でもそれ以下でもない』
『いつも口にするのはそれね。器と聖女の為に器と聖女の為にって、もしかして年を取り過ぎてボケちゃった?』
『常に猫かぶっている貴様に言われたくはない。それに私は怒っている。本来であれば一年間は様子見をする予定が、貴様が我慢できずに手出しをしたせいで後始末が大変だったのだぞ』
第一エリアに〈デュラハン〉が出現したのは偶然ではない。
そして第二エリアに、滅多に現れない〈オルトロス〉が現れたのも偶然ではない。
全てはモンスターを支配する術を持っているナイアが、器の覚醒と成長を画策して後先も考えずに強行したのだ。
おかげで巻き込まれた狩人達には口止めをしないといけなくなり、オレオールに所属する騎士達は「またヤツの仕業か」と多数の苦情が出ている。
『ふーん、でもそれって全部貴方がしたわけじゃないわよね。騎士ちゃん達には申し訳ないと思うけど、城の頂上に引きこもって指示しか出していない貴方に頭を下げることではないわ』
『女狐め、相変わらず口だけは達者だな』
『なんとでも言いなさい、私は私のやり方で器ちゃんの手助けをするわ』
苦言を呈されたナイアは否定をしなかった。
それどころか、グレンツェンを目の前にして好き勝手する宣言までした。
相変わらず協調性のない彼女に、グレンツェンは頭痛がして眉間にしわを寄せる。
まったく、コイツは何万年経っても昔から変わらない。
全員が右を向いているときに、平然と左を向いて真逆の進路を突き進む身勝手さ。
自身が興味あることには熱心に行動し、逆に興味ないことは全く手を付けない。
自由奔放の極み、それがナイアのスタンスである。
何でそんな自由人と組んでいるのか、それはクソみたいな性格を考慮しても彼女の保有する力が欠点を補って余りあるから。
特に王を育てる上で、ナイアの『モンスターを使役する能力』が無ければ計画は成り立たない程。
故にグレンツェンは苦言を口にしても、彼女の事を強く罰することができない現状だった。
『もしやと思うが、あの〈フェスティバル〉も貴様の仕業か』
『狩人ちゃん達もそろそろ刺激が欲しいと思ってね、我ながら良い案だったでしょ』
『地上では天使達に多大な負担が掛かっている、この事が〈四大天使〉達の耳に入ったら激怒するぞ』
『その時はごめんなさーい、てへぺろ? ──て謝ったら、許してもらえるかしら』
やはり頭の中には、お花畑が咲いているのかもしれない。
これ以上話してもムダだと悟ったグレンツェンは、諦めて本題に入る事にした。
『それで〈フェスティバル〉まで故意に引き起こして、次は何をやらかす気なんだ』
『やらかす気だなんて人聞きの悪い、私は娘の為にあの方が目覚めるのをお手伝いしてるだけよ』
『……あの子をだしに使うな、貴様は自分自身が楽しむためにやっているのがバレバレだ』
『信用がないのね、長い付き合いなのにショックだわー』
あっさり見抜かれてしまったが、ナイアはそれでも余裕の態度を崩さない。
彼女はむしろ、グレンツェンとのやり取りを楽しんでいる様子だった。
呆れた顔をする〈極光の王〉と、ずっとニヤニヤしている〈冥府の王〉は数分間ほど沈黙する。
『ふふ、こうして時間をムダにするのも良いけど、せっかくここまで来てくれたんだもの。良いわ教えてあげる』
長い静寂を先に破ったのは、黙る事を苦手とするナイアだった。
彼女は自身とグレンツェンの間に大きなスクリーン映像を表示させると、その中に〈サンクチュアリ国〉の全体図を出した。
全体図に無数の赤い点を見て、グレンツェンは凄く嫌な予感がする。
察した彼の様子に頷き、ナイアはこれから行う事を説明した。
『今から全てのエリアにモンスターを解き放つわ。建物と商人は狙わず、狩人だけを標的としたEランクモンスターを数百体。そして標的である王にはDランクモンスター〈ラーヴァ・ベヒーモス〉をぶつける予定よ』
『貴様、正気か……!?』
今〈フェスティバル〉によって、国に上級と中級のギルドは残っていない。
つまり第三エリアを徘徊するランクのモンスターを、王国騎士と下級ギルドだけで対処しなければいけない。
不幸中の幸いは相手がEランクモンスターである事、現状の地上の戦力で制圧するのは容易であるが……。
一番の問題はGランクの彼が、果してDランクモンスターを倒せるか。
ランクの差は三つも上、中級狩人ですらソロ討伐が大変な怪物。
額に大量の汗を浮かべるグレンツェンに、ナイアは笑みを消して真剣な眼差しで告げる。
『〈ラーヴァ・ベヒーモス〉に彼以外が手を出すことは絶対に許さない、それ以外だったら好きにして良いわ』
『……分かった、貴様の事だ。もしも約束を違えたら、とんでもない厄災を放つつもりだろう?』
『私の事をよくわかっているわね。ええ、その時には遠慮なく〈フェスティバル〉の開催地にSSランクモンスターを追加で一体放たせてもらうわ』
一体相手するのも大変な怪物が二体になれば、現場にいるギルドの狩人達に少なからず被害が出てしまう。
こいつはやると言ったら、本気で実行する真正の愉快犯。王に経験を積ませる上では欠かせない存在である事と〈アンダーグランド〉の底にある大穴の件が無ければ即座に排除するのだが、その二つの手綱を盾にしてナイアは自身の欲求を満たそうと行動する。
違法ポーションなんて、おままごとにしか見えなくなる程にナイアが行う悪行はスケールがでかい。
それでいて実行するだけの力を有しているから、なおさらタチが悪く手が付けられない。
大穴を塞ぐ試みは過去に数え切れない程に実行し、その全てが残念ながら失敗に終わった。
這い出てくる怪物は強大で、現状ではナイアの有する〈魔神〉でなければ対応することができない。
もしも狩人が相対すれば、正気度を失い発狂してしまう。
深い溜息を吐き、グレンツェンは『分かった』と答えて彼女に背中を向けた。
地上にいる騎士団長に指示を出しながら歩き去ろうとする彼の背に、ナイアは最後に一つだけ質問をした。
『グレンツェン、そういえば何で老人の姿をしてるのよ。ご自慢のイケメンがしわだらけじゃない』
『……聖女が幼い時に父親と間違えられた時があってな、それ以来ややこしいからこの格好が定着した。それとこの姿だと、──聖女がおじい様と呼んでくれるのだ』
真剣な顔で熱弁するグレンツェンに、ナイアは下らないと思い失笑するのであった。
この地下の存在を知っているのは、城に住む者達と四大ギルドのリーダーと大聖堂の天使達だけ。
多くの狩人達が存在を知らない、広大な地下空間につけられている名は〈アンダーグランド〉。
監理を任されているのは冒険譚にも記されている、偉大なる王の一人である〈冥府の王〉ナイア・ケイオス。
ナイアが住む場所は、地下空間と地上を繋ぐ塔〈パンドラ〉と呼称されている。
塔の外は一種のダンジョンと化していて、希少な鉱石が無限に採取できる仕組み。
鍛冶職人達が使用している素材の大半以上はここから供給されており、そしてもう一つの役割『狩人の処刑場』も兼ねていた。
処刑場は塔の最下層に存在する深淵と繋がっている大穴、そこで彼等はナイアが所有する門番のエサとして消化される。
数万年も地下から這い出てくる、名状しがたき怪物を処理している最強の門番を相手に生き残った者は一人もいない。
ほとんどが許しを請いながら、自身の行いを悔いながら食い殺されている。
オレオール家が国の光ならば、ケイオス家は闇を担っている。
そんな最下層に位置する王の間に、普段〈サンクチュアリ城〉の頂上から出てこない白髪の老人。
──グレンツェン・オレオールが〈アース・メイド〉に案内されて姿を現した。
『あらあら、珍しい客人ね。器ちゃんを成長させるために珍しく地上でアレコレ頑張っているみたいだけど、こんな辺境の地まで足を運ぶなんて一体どういった風の吹き回し?』
偉大なる王にタメ口をきいたのは、塔の主でありエリアを管理する女王ナイア。
かつて彼と共にパーティーを組んでいた妖精は、表情の読めない不気味な笑顔で戦友を歓迎する。
彼女の見た目を一言で表すのならば、長い黒髪の巨乳美女。例えるなら夜の女帝といった印象。
引き締まった身体はモデルのようで、身につけている黒いドレスは妖艶という言葉がピッタリだ。
男性ならば誰もが彼女に見惚れて、『美しい妖精』の姿に熱い思いを抱くことだろう。
しかしナイアの知人達は、その美が獲物を引っ掛けるための罠だと知っている。
過去に多くの狩人達が彼女の沼に沈み、そして取り合って大きな抗争にまで発展した事は一度や二度ではない。
一体どれだけの有力なギルドと狩達が破滅した事か、それを知っている者達は彼女の事を魔女とも呼んでいる。
故にグレンツェンは警戒して、玉座から見下ろすナイアの問いかけに表情を一切変えずに答えた。
『全ては器と聖女の為に、それ以上でもそれ以下でもない』
『いつも口にするのはそれね。器と聖女の為に器と聖女の為にって、もしかして年を取り過ぎてボケちゃった?』
『常に猫かぶっている貴様に言われたくはない。それに私は怒っている。本来であれば一年間は様子見をする予定が、貴様が我慢できずに手出しをしたせいで後始末が大変だったのだぞ』
第一エリアに〈デュラハン〉が出現したのは偶然ではない。
そして第二エリアに、滅多に現れない〈オルトロス〉が現れたのも偶然ではない。
全てはモンスターを支配する術を持っているナイアが、器の覚醒と成長を画策して後先も考えずに強行したのだ。
おかげで巻き込まれた狩人達には口止めをしないといけなくなり、オレオールに所属する騎士達は「またヤツの仕業か」と多数の苦情が出ている。
『ふーん、でもそれって全部貴方がしたわけじゃないわよね。騎士ちゃん達には申し訳ないと思うけど、城の頂上に引きこもって指示しか出していない貴方に頭を下げることではないわ』
『女狐め、相変わらず口だけは達者だな』
『なんとでも言いなさい、私は私のやり方で器ちゃんの手助けをするわ』
苦言を呈されたナイアは否定をしなかった。
それどころか、グレンツェンを目の前にして好き勝手する宣言までした。
相変わらず協調性のない彼女に、グレンツェンは頭痛がして眉間にしわを寄せる。
まったく、コイツは何万年経っても昔から変わらない。
全員が右を向いているときに、平然と左を向いて真逆の進路を突き進む身勝手さ。
自身が興味あることには熱心に行動し、逆に興味ないことは全く手を付けない。
自由奔放の極み、それがナイアのスタンスである。
何でそんな自由人と組んでいるのか、それはクソみたいな性格を考慮しても彼女の保有する力が欠点を補って余りあるから。
特に王を育てる上で、ナイアの『モンスターを使役する能力』が無ければ計画は成り立たない程。
故にグレンツェンは苦言を口にしても、彼女の事を強く罰することができない現状だった。
『もしやと思うが、あの〈フェスティバル〉も貴様の仕業か』
『狩人ちゃん達もそろそろ刺激が欲しいと思ってね、我ながら良い案だったでしょ』
『地上では天使達に多大な負担が掛かっている、この事が〈四大天使〉達の耳に入ったら激怒するぞ』
『その時はごめんなさーい、てへぺろ? ──て謝ったら、許してもらえるかしら』
やはり頭の中には、お花畑が咲いているのかもしれない。
これ以上話してもムダだと悟ったグレンツェンは、諦めて本題に入る事にした。
『それで〈フェスティバル〉まで故意に引き起こして、次は何をやらかす気なんだ』
『やらかす気だなんて人聞きの悪い、私は娘の為にあの方が目覚めるのをお手伝いしてるだけよ』
『……あの子をだしに使うな、貴様は自分自身が楽しむためにやっているのがバレバレだ』
『信用がないのね、長い付き合いなのにショックだわー』
あっさり見抜かれてしまったが、ナイアはそれでも余裕の態度を崩さない。
彼女はむしろ、グレンツェンとのやり取りを楽しんでいる様子だった。
呆れた顔をする〈極光の王〉と、ずっとニヤニヤしている〈冥府の王〉は数分間ほど沈黙する。
『ふふ、こうして時間をムダにするのも良いけど、せっかくここまで来てくれたんだもの。良いわ教えてあげる』
長い静寂を先に破ったのは、黙る事を苦手とするナイアだった。
彼女は自身とグレンツェンの間に大きなスクリーン映像を表示させると、その中に〈サンクチュアリ国〉の全体図を出した。
全体図に無数の赤い点を見て、グレンツェンは凄く嫌な予感がする。
察した彼の様子に頷き、ナイアはこれから行う事を説明した。
『今から全てのエリアにモンスターを解き放つわ。建物と商人は狙わず、狩人だけを標的としたEランクモンスターを数百体。そして標的である王にはDランクモンスター〈ラーヴァ・ベヒーモス〉をぶつける予定よ』
『貴様、正気か……!?』
今〈フェスティバル〉によって、国に上級と中級のギルドは残っていない。
つまり第三エリアを徘徊するランクのモンスターを、王国騎士と下級ギルドだけで対処しなければいけない。
不幸中の幸いは相手がEランクモンスターである事、現状の地上の戦力で制圧するのは容易であるが……。
一番の問題はGランクの彼が、果してDランクモンスターを倒せるか。
ランクの差は三つも上、中級狩人ですらソロ討伐が大変な怪物。
額に大量の汗を浮かべるグレンツェンに、ナイアは笑みを消して真剣な眼差しで告げる。
『〈ラーヴァ・ベヒーモス〉に彼以外が手を出すことは絶対に許さない、それ以外だったら好きにして良いわ』
『……分かった、貴様の事だ。もしも約束を違えたら、とんでもない厄災を放つつもりだろう?』
『私の事をよくわかっているわね。ええ、その時には遠慮なく〈フェスティバル〉の開催地にSSランクモンスターを追加で一体放たせてもらうわ』
一体相手するのも大変な怪物が二体になれば、現場にいるギルドの狩人達に少なからず被害が出てしまう。
こいつはやると言ったら、本気で実行する真正の愉快犯。王に経験を積ませる上では欠かせない存在である事と〈アンダーグランド〉の底にある大穴の件が無ければ即座に排除するのだが、その二つの手綱を盾にしてナイアは自身の欲求を満たそうと行動する。
違法ポーションなんて、おままごとにしか見えなくなる程にナイアが行う悪行はスケールがでかい。
それでいて実行するだけの力を有しているから、なおさらタチが悪く手が付けられない。
大穴を塞ぐ試みは過去に数え切れない程に実行し、その全てが残念ながら失敗に終わった。
這い出てくる怪物は強大で、現状ではナイアの有する〈魔神〉でなければ対応することができない。
もしも狩人が相対すれば、正気度を失い発狂してしまう。
深い溜息を吐き、グレンツェンは『分かった』と答えて彼女に背中を向けた。
地上にいる騎士団長に指示を出しながら歩き去ろうとする彼の背に、ナイアは最後に一つだけ質問をした。
『グレンツェン、そういえば何で老人の姿をしてるのよ。ご自慢のイケメンがしわだらけじゃない』
『……聖女が幼い時に父親と間違えられた時があってな、それ以来ややこしいからこの格好が定着した。それとこの姿だと、──聖女がおじい様と呼んでくれるのだ』
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