純白のガンブレイダー 〜TSアルビノ美少女、産廃職でエンジョイプレイします〜

神無フム

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第二章

チーム結成

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 衝撃的なイベント告知に、ボクはリリーさんの道具屋で緊急会議を開くことにした。
 店の端っこに設けられた大きなテーブルと椅子。
 そこにボク達は腰を据えて話をする。

「あー、解放感がすげぇ!」

「自由って素晴らしいわね!」

 ハチミツ集めから解放されたリッカとユウは、店に来てからずっとハイテンションだった。
 気分は地下労働を乗り越えた感じなのか、二人は感極まって目尻から涙を流している。

 それだけハチミツを、地道に集めるのに苦労したんだろう。
 二人の喜ぶ姿を微笑ましい気持ちで眺めた後、ボクは苦しい思いで打ち壊す発言をした。

「でもごめんね、ハチミツから解放されたばかりなのに集めた理由は──ハチミツなんだ」

 Q、ハチミツ集めが終るとどうなる?

 A、知らんのか、ハチミツ集めが始まる。

 ネットで有名な某海賊の名言が頭の中に浮かぶと同時、完全に硬直した二人はガクガク震えだし。

「ぎゃああああああああああああああああああああ」

「いやああああああああああああああああああああ」

 重労働を終えたばかりの彼女達は、ハチミツというワードを聞いただけで絶望して床に崩れ落ちる。
 その姿は隣で見ていたミカゲ先輩も、苦笑いになり同情する程だった。

「ハイハイ、話は最後まで聞いてね。ハチミツ集めと言っても今回は地道に〈リトルホーネット〉を狩る事じゃないよ。詳細は二人にも来てるイベント告知を見てもらえたら分かると思う」

「……なになに、チーム限定のPVPで上位になると豪華なアイテムがもらえると」

「優勝者の中にハチミツがあるわ……って10000個!? ……ああ、そういえばハチミツ沢山集めないといけないって、シエルがメッセージを送ってきてたわね」

「そう、つまりこれに出場して優勝したら、一気に目標達成できるんだ」

 絶対に参加しなければいけないイベント。
 そしてこれに参加するには、チームの結成が必要不可欠。
 今回を乗り切るために、一時的に誰かのチームに参加するという考えはボクの頭の中になかった。

 やるからには中途半端にしない。
 ボクはアットホームで、エンジョイプレイを目指す。
 自分の最強でフリーダムなチームを作る。

「気が向いたら作ろうと思っていたけど、まさかこんなタイミングで来るとは思わなかったな」

「おお、遂に作るのか!」

「シエルのチームに一番で加入するのは私よ!」

「いや、オレだね!」

「「──決闘だ(よ)!!」」

「話が進まないから、後で二人だけで決着付けてね」

 先ずチームを作る為に最低でも四人は必要。
 当然だけど人数には、この世界の住人であるエミリーさん達やメタちゃん達はカウントされない。

 更に結成するには第一階層で、専用のクエストをクリアしないといけない。
 このクエストは第一階層だし、レベル10程度でクリアできるから問題ではない。

 一番の問題はメンバー集めなのだが、掲示板で募集すると大量に希望者が来ると思うので難しい。
 リッカとユウとミカゲ先輩は確定。フルパーティを組むのなら後二人は必要かな。

「ボクは実際に自分の目で見て、チームに勧誘していこうと思う。ミカゲ先輩もそれで良いですか?」

「え、なんでミカゲに聞くの?」

 話を振られた彼女は、キョトンとした顔になる。
 まるで観客としてきたのに、話を振られたような反応だった。

「だってこのチームで、ミカゲ先輩は一番の年長さんじゃないですか」

「……え、もしかして……シエルさんのチームに入って良いの?」

「良いに決まってるじゃないですか。むしろ仲間だから、ここまでついてきてくれたと思ったんですけど……」

「仲間……」

 すごく嬉しそうで、どこか悲しい記憶を思い出すような呟き。
 ミカゲ先輩はなにか言おうとして中断し、ギュッと目を強く閉じた。

 それはボクだけが見た、とても一瞬の出来事だった。
 まばたきをしたら次の瞬間、彼女は普段ゲーム内で見せる凛とした顔に戻っていた。

「うん、ありがとう」

「……二人はまだケンカしてるみたいですし、このまま二人でチーム作るクエスト受けに行きましょうか」

「「ごめんなさい、もう止めるから置いてかないで下さい!」」

 ボクがそう言うと、取っ組み合いをしていたリッカとユウは綺麗な土下座をした。

 まったく、この二人は……。
 呆れるボクの横で、ミカゲ先輩は楽しそうに笑っていた。






 第一階層に戻り村長から絆のクエストを受けたボク達。
 サードエリアにある絆のメダル集め。
 最後にメダルが指し示すダンジョンを攻略する事で、無事にクエストを終えた。

 塔を使って第二階層に戻ってきたボク達は、茶屋で『名物あんころ餅』を手に一休みする。
 菓子楊枝ようじを使い、あんに包まれたモチを半分切り分けて口に運ぶ。

 和菓子は凄く甘い印象だけど、ゲームの薄味効果の影響か程良い感じになっている。
 緑茶っぽい飲み物を一口飲み。
 一息ついたボクは口を開いた。

「チーム名はどうしようかな、なにも考えてないや」

「よし、シエルアイラブにしようぜ」

「私は 白姫愛好会が良いと思うわ」

「二人とも却下で、ガチなのかネタなのか判断に困るのはやめて……」

 もはや自分でチームを作ってやってくれ、と言いたくなるレベルだった。
 真剣な顔でダメか、と呟くおバカコンビに呆れていたら、隣に座っていたミカゲ先輩がすっと目をそらす。

「ミカゲ先輩は、良い感じの名前ありますか」

「……自由がテーマなら、エターナルフリーダムとか」

「永遠の自由、意味はシンプルに良い感じですね。少々厨二病感がありますけど」

「はいはーい、私が最強の名前考えたわ! その名も──エターナルシエル!」

「ダサいので却下、それとリーダーの名前を入れると自意識過剰って思われるから無しだよ」

「ギクッ!」

 どうやらユウの次に言おうと思っていたリッカも、チーム名にボクの名前が入っていたようだ。
 手を挙げようとしていた彼女は、そっと大人しく着席した。

「ミカゲは思ったんだけど、シエルさんが決めたら誰も反対しないんじゃないかな」

「あ、いや……実はボク、ネーミングセンスないので……」

「え、そうなの?」

「はい、ボクが考えちゃうと例えばですが……エンジョイ勢の集い、とか」

「なるほど……」

 ここから四人で真剣に話し合うも、これといってしっくりする名前は出てこなかった。
 仕方ないので各自持ち帰りで、チームの名前を考える事にしたら。

 真っ暗な上空に輝く、夜空を再現した星々を見あげたボクはふと一つだけ思いついた。

「星は……使いたいな」

 それは本当に、ぽろっと口から出た呟き。
 普通ならば聞き逃しそうなくらい、小さな言葉だったのだが。
 リッカとユウは鋭敏に聞き取った。

「ふーん、星って事はスターか?」

「スターね……そういえば私達って、シエルを中心に繋がってるのよね」

「繋がり……スターの繋がり」

 ボクの呟きから始まった連想ゲーム。
 ミカゲ先輩がそれらをまとめると、三人同時にハッと何か思いついたような顔をする。
 彼女達は視線を合わせ、いっせーのーで声を揃え。

「「「スターリンク!」」」

 どうだ、と言わんばかりに三人はボクを見た。

「うん、良いね!」

 こうしてボク達のチーム名は決まった。

 星が繋ぐ仲間達──〈スターリンク〉に。
 
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