純白のガンブレイダー 〜TSアルビノ美少女、産廃職でエンジョイプレイします〜

神無フム

文字の大きさ
43 / 68

賢者の間

しおりを挟む
 ファーストエリアに移動したボク達は、ハチミツをネクターに渡しクエストを完了する。
 10000個ものハチミツを受け取った彼女は、歓喜に震えて綺麗なお辞儀を見せた。

「ありがとうございます。これで一年は不測の事態があっても運営できます」

「えっと、それで報酬は……」

「はい、ではこちらにどうぞ」

 そう言って彼女は報酬の『賢者の間』に案内する為に、その場から二歩だけ後ろに下がる。
 指を擦り鳴らすと、なんと今までネクターが立っていた場所がスライド展開した。

「お、おおおおお……」

「こんな場所に隠されてたのかよ!?」

「これは分かるわけないわ……」

「秘密基地みたいでかっこいい……」

 ビックリするボク達にネクターさんは「後ろについて来てください」と言って階段を下りる。
 その後ろに並んで全員が下りると、他の人が入って来られないように地下の扉は閉じて真っ暗になった。

 直ぐにライトがついて通路を明るく照らす。
 先を進むネクターさんの後に続いて、やたら長い年季のある階段をボク達はひたすら下りる。

 数分くらい掛けて下りた先には、円形で大きな空間が広がっていた。
 中は毎日掃除しているのか、汚れや埃は全くなかった。

「ここはハチミツの貯蔵庫とスキル作工房を兼ねた私の家です。賢者様の部屋はこちらにあります」

 並んでいる部屋の中、ネクターは『K』と刻印された鉄の扉に歩み寄る。
 手をかざしたら、扉はロックが解除されてゆっくり左右にスライド展開した。

 一緒に中に入ってみると室内はベッドと、大きなテーブルが一つあるだけだった。
 研究室というよりは仮眠室みたいな感じだ。

 生活するには物がなさすぎるし、テーブルの上には鍵が一つ残されているだけ。
 もしかしたら自身の研究成果とか、そういった重要な物は残さなかったのかもしれない。

 一先ずボクはテーブルに歩み寄り、鍵についてネクターさんに尋ねた。

「えっと、これは触っても良いかな?」

「それは持っていってください。ここを求める者達がきたら、ここにあるのは全て渡すように言われているので大丈夫です」

「そういうことなら遠慮なく」

 テーブルの上にあった鍵を手にする。
 材質はアイアンやスチールとは全く違う様だ。

 金色に輝いている事から黄金かと思いプロパティを見るが、鍵に関する詳細は全く分からなかった。
 なんだこの見ても触っても分からないアイテムは、まさかバグっているのか。

 そう思った直後、鍵を持つボクの手が純白の光を放つ。
 なんでここで修正の力が。まさか本当にバグっていたのか。

 混乱する中、鍵から女性の声が聞こえてきた。

【〈リバイズ〉を確認。データ照合開始、完了】

【パーティー四人、秘匿データをアンロックします】

「アンロック?」

 意味不明なメッセージを告げられた後、手にしていた鍵が一枚の古代文字で記された紙に変わる。
 変化はそれだけではなく、何もなかった空間に見た事がない大きな台座が四つ出現した。

「うわー、なんかすごいことになった」

「ほー、隠されてたのか」

「アニメとか漫画だと、良くあるヤツね」

「ミカゲ、こういうの大好き……」

 用途の分からない台座に近づき、リッカ達は物珍しそうに観察する。
 隣にいるネクターさんは口を半開きにして、その光景に対し驚きの余り固まっていた。

「生まれた時からここにいますが、このような現象は一度も見た事ない……」

「あの台座ってなんだろう?」

「すみません、私にもさっぱり……」

 取りあえず古代文は後でエミリーさん達に渡すとして、ボクは謎の台座に近付いてみた。

【〈ワイズマン・ファクトリー〉をご利用しますか?】

「え、なにそれ」

【この台座に所持されている武器を置くことで、一度だけワンランク上にアップグレードできます。アップグレードした武器は元に戻せないのでお気を付けください】

「もしかして〈ヴァリアブル・ガンソード〉を強化できる?」

 試しに召喚した相棒を台座に置いてみる。
 するとメニュー画面が出現して【〈イルシデイション・ガンソード〉にアップグレードできます】と表記された。

 最大強化値は──驚異の『50』!!
 ボクのガンソードの最大強化値は20、つまり単純性能でいうと二倍以上のスペックを持つ事を意味する。
 一応念のために強化後のプロパティを確認してみた。

「要求値はINT500、ギリギリクリアしているね………って、弾丸装填数が六発に増えるの!?」

 今までは五発を使い切ったら再装填していたが、一発増えるのは凄く有り難いし。

「なによりもスゴイのは一回の装填で〈ゼクス・ブースト〉が使用できるようになることだよ」

 超絶強化されたガンソード、こんなのアップグレードしない選択なんて有り得ない。
 迷わずに『OK』ボタンをタッチしたら、白銀のガンソードは剣身に天使の刻印が施されて生まれ変わった。

「……これは、すごい」 

 グリップを持っただけで、このガンソードがどれだけヤバいのか伝わってくる。
 回転式弾倉に六発の弾丸を込めたボクは試しに一振りしてみた。

「うん、良い重さだ」

「オレの盾もスゴイ事になったぞ!」

「私は杖を強化したわ、これなら第三層攻略まで一緒に戦えそうね」

「……ミカゲは弓を強化したよ」

 各々相棒を強化して、先程イベントに勝利した時以上に頬が緩んでいる。
 ただ残念なのは強化を終えた後〈ワイズマン・ファクトリー〉は役目を終えて消滅した。

「それじゃ、セーフエリアに帰ろうか……と言いたいところだけど」

「まだなにか用が?」

「前にネクターさんの貯蔵庫が汚染にやられたって聞きました。今はどうなっているんですか」

「えっと……無事だったハチミツは避難させて、部屋は封鎖を……」

「案内してください、ボクならそれを除去できるので」

「え、でもそこまでお世話になるには」

「気にしないで下さい、報酬はこの部屋に十二分に貰えたのでアフターサービスみたいなやつです」

「あ、ありがとうございます!」

 それからボクは貯蔵庫に案内してもらい、部屋全体を真っ黒に染めていた汚染を触れて除去した。
 ダメになったと思われたハチミツは、なんと修正の力によって復活。

 ネクターさんはそこで、ボク達が持ってきたハチミツで『完全毒無効スキル』を四つ作りプレゼントしてくれた。
 武器の強化に加えて、ボスで一番厄介な毒の無効化を獲得。

 もはや負ける要素が無くなったボク達は、彼女に見送られてノースエリアに帰還した。
 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ダンジョン冒険者にラブコメはいらない(多分)~正体を隠して普通の生活を送る男子高生、実は最近注目の高ランク冒険者だった~

エース皇命
ファンタジー
 学校では正体を隠し、普通の男子高校生を演じている黒瀬才斗。実は仕事でダンジョンに潜っている、最近話題のAランク冒険者だった。  そんな黒瀬の通う高校に突如転校してきた白桃楓香。初対面なのにも関わらず、なぜかいきなり黒瀬に抱きつくという奇行に出る。 「才斗くん、これからよろしくお願いしますねっ」  なんと白桃は黒瀬の直属の部下として派遣された冒険者であり、以後、同じ家で生活を共にし、ダンジョンでの仕事も一緒にすることになるという。  これは、上級冒険者の黒瀬と、美少女転校生の純愛ラブコメディ――ではなく、ちゃんとしたダンジョン・ファンタジー(多分)。 ※小説家になろう、カクヨムでも連載しています。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

大和型戦艦、異世界に転移する。

焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。 ※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム

ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。 けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。 学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!? 大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。 真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。

処理中です...