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第五章 求むるは何を欲するものなり

間話 ガーランドの者たち

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 ルインが地底から地上に戻る前の話。
 
 快鉄屋でベルディスを待つライラロがいた。

「もー、ベルディスったらなんなのよ本当にもー。
そんなにじらすのが好きなの? 
焦がしつくすつもりなのかしら? ベルディスったら。そうだわ。あの白いドレスを着て待っていましょう! そしたらそのまま……きゃー」
「おーいライラロ。いるかー。あれ、お前何やってるんだ?」
「なぁんだハーヴァルじゃない。あんたこっちきてたの?」
「ライデンからの指令だよ。デイスペルの調査と
不審なやつをみたっていう情報があってな。
常闇のカイナの幹部
かもっていうんで全員こいとさ」
「はーあ? なんで私がいかなきゃいけないのよ。いやよ。
いーや。このあとベルディスと結婚式なの!」
「夢の旅行はいいが、ベルディスなら先に行っちまったぞ」
「行く! 行くわよ! 行けばいいんでしょ! もう!」

 
 そう言うと彼女は外に出た。
「あら狂犬、久しぶりね」
「けっ追っかけ犬が。だれが狂犬だコラ、ああ!?」
「あ、いいものあげるわよ、ほら」

 そう言ってお菓子を放り込む。

「てめ、何食わせやがった、ころやろぉ……」
「じゃあねー、私先行くから」

 そういうとライラロはどこかへ行ってしまった。

「あれ、ライラロはどうした? セフィア」
「えー? らんれすかー? られれすかー?」
「げっ。なんでこんなとこで酔っぱらってんだよお前は。
全くこれからデイスペルへ行くって時に、はぁ……」
「今、ためいきをつきらしたね? どーせあらしは、おいてけば
いいんれすよーだ」
「だめだこりゃ、背負っていくか、仕方ないな」

 ハーヴァルは苦労人である。これだけ個性あふれるメンバーの間を
どうにかとりつくろえるのは彼の器量だろう。

 ハーヴァルは専用の飛昇船に乗りこみ、デイスペルへと
向かった。

 全員をデイスペルに集めたライデンは重要なことを伝える。
「しばらく沈静化していた常闇のカイナの動きが活発化してきた。
幹部の中では下っ端だが、暗鬼を見たという情報が入っている。
奴は姿を変え形を変えるので捕まえるチャンスは限られている。
そのため君たち全員を呼んだ。
奴を探し出して捕獲。困難な場合は抹殺。
以上だ」
「一ついいですかい? 大将」
「なんだね、ハーヴァル」
その情報はどこからでてきたんですかい?」
「……ドラディニア大陸、ミディ騎士団長からだ」
「へぇ……なんでそんなとこから情報が出てくるんですかい?」
「たまたまこちらへ来る用事があり、見かけたそうだ。竜眼でな。彼もギルドーガの戦いで
多くの死者をだしていたから探っていたようだ」
「なるほどねえ。情報源が確かならさっさと探しに行きましょう」

「頼む。私はここにいるから何かあれば報告を」

 そう言い残しライデンは建物の中に消えて行った。

 そして全員別行動で探しているうちに、事件は起こったのだった。
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