異世界転生 我が主のために ~不幸から始まる絶対忠義~ 冒険・戦い・感動を織りなすファンタジー

紫電のチュウニー

文字の大きさ
432 / 1,085
第三章 舞踏会と武闘会

第三百七十八話 イネービュへ伝えた遊び ロブロード!

しおりを挟む
「そろそろ戻るぞ二人共」
「うわぁ! いきなり背後から話かけるなよブネ」
「こうでもしないといつまでたってもひっついておるだろう、貴様らは」

 ごもっともです。大変失礼しました! 
 きっと今頃メルザは真っ赤に違いない。

「それで、子を持つ準備までは終わったのだろうな」
「ぶふっ、げほっ、げほっ。おい! こんな所でそんな事するわけないだろ!」

 メルザの手は汗でびっしょりだ。俺たちはブネにしてやられた。

「なんだまだ済んでおらんのか。つまらぬ。まぁよい。そっちは後だ。
イネービュ様が呼んでおる。例の遊び道具についてだ」
「そうだったな。その前にブネ。イネービュに加工してもらった指輪の事だけど、これの材質ってなんだ?」
「メルゼナイト硝子という、この海底でしか産生出来ない特殊性質の物だ。貴様らもここまでに幾度か
目にしたであろう。あれの精錬された物。非常に貴重なものだ」
「そうか。やっぱり硝子製のものだよな。つまりただの硝子なら簡単に構築できるか?」
「可能だろう。一体どうするつもりだ? 硝子加工であればエーナを呼んでおく」
「あいつが得意なのか。それじゃ頼むよ。内容は……」

 一通りブネに伝えると、俺たちは四層へと運ばれる。
 食事などを一通り取っていると、ぼんやりだが目が見えるようになってきた。
 これでどうにか確認できる。メルザと密接に接していなかったから少し早めに戻ったが、以前より
目の技を行使すると酷くなっている気がする。注意しないとな……。

「マミムメモマミムメモヤ、ユ……」
「ようエーナ。硝子の加工はどうだ?」
「ヨを取らないで欲しい。あなたに頼まれていたもの。これだよね。うまくできたかな」
「ここをこう……ボタンのような形に出来るか? あー、そう、表面がつるつるに……色入れは
また今度にしてひとまずこれだけあれば説明できる。しかし凄いな。その手はどうなってるんだ。
なんで硝子をそんな風に加工できるんだ?」

 このエーナ。指で持った硝子細工をいとも簡単に変化させている。熱でも発してるのか? 
 十分戦えたんじゃないかこいつは……。

「あなたの説明は意味不明だけど、あなたの要望をかなえたらこうなった。
これで一体何をするというの? どんな遊びが生まれるの? その物語を綴りたいけどいい?」
「落ち着けって。イネービュを呼んできてくれ。それと台を一つ」
「いい加減イネービュ様を呼び捨てにするのはやめて欲しいな。幾らイネービュ様でもそのうち怒られる」
「う……なんかイネービュって親近感があるっていうか、なんでだろう。他人の感じがしないんだよ」
「それはあなたとイネービュ様が一度繋がったから。イネービュ様もそのせいであなたがお気に入り」
「まぁ、気を付けるよ」
「やっぱりいい。イネービュ様が許してるならエーナには何も言う事はできないの」

 すーっと消えてイネービュを呼びに行くエーナ。つかみどころがまるでない。ティソーナは
エーナの大ファンのようだが……少し不気味感もある。
 あいつのツボが俺にはわからん! 

「やぁ。待たせたね。ただの硝子を使う単純な遊びって聞いたけど」
「ああ。おはじきという古き伝統の遊びだよ。台の上にこの平べったい硝子を並べるだろ? 
そして欲しい硝子を決める。今は色とか入ってないからみんな無色透明だけどさ。これに好きな色や
デザインを模様する。そしてこれが欲しい! というのがあったらそれめがけて指ではじいて
当てるんだ。ただしそこに条件がある」
「ほうほう。つまりこれは……硝子ではなく貴重なアーティファクトなどをかけて遊ぶ事もできる。
そう言いたいのかい?」
「先読みされたか。そうだ。それで条件だが、これはその商品の貴重さによって引き上げたり引き下げたり
できる。例えばよく遊ばれるのが間遠し。ある定めた二点のおはじきを決め、その間を
はじいたおはじきがその二つにぶつからずに間を通し、欲しいおはじきにぶつけたら取得できる。
通すものにぶつかったら失敗だ。またはじきすぎて落下しても失敗。ぶつけたものが落下しても失敗だ」
「実に面白そうだ。早速やってみたい」
「それじゃここを狙って、こうだ!」

 すーっと間を通して狙ったものへこちりとあたる。よし、加減もうまくいったぞ! 

「流れる彗星のような動きが美しい。おお……これは星でやってみてもいいかもしれない。
衝突させればその星は生き残れる。外したら宇宙の藻屑……とかね」
「おい! おっかない遊びに変えるなよ! 星を破壊する遊びじゃないよ!」

 俺もブネも頭を抱える。仕方ない。エーナに頼んで指定してもらった色を入れよう。
 とりあえず星を壊されたら困るので、太陽及び水星から冥王星までのデザインを説明しておはじきに
してもらった。

「これは、君のいた銀河系の星々だね。これが地球……美しい星だ。これは確かに欲しくなる。
エーナ。銀河系以外の星々を幾つか作れるかな。これは他の神々にも話そう。
色々なおはじきを用意して……人や魔物、武器などを象ったおはじきを構築しよう。
それらに強弱をつけて……うん、当てた時の衝撃能力を数値化して……よし。ルイン、再び
はじいて当ててくれないか」
「え? あ、ああ。今の短時間で何をどうしたらこうなるんだ?」

 俺はおはじきを再び指ではじき、地球色にしあがったそれに当ててみた。当たると同時に上部に数値が出る。大した威力ではないので数値は三とでた。

「この数値がこれを手に入れる値までいけばこの地球型おはじきが手に入るようにした。
ちなみに数値は六千五百だ。まだまだ足りないね」
「……おい。ぶっ壊す勢いでやっても取れないだろ、それ……」
「材質もただの硝子ではなく希少な鉱石などにしたらより白熱しそうだね。いいよ、実に楽しい遊びだ。
君は秀才だ。この遊びに名前をつけよう。おはじきなんて名前ではもうないだろう」
「追加で殆どイネービュが考えたよな……そうだな、それじゃロブロード……なんてのはどうだ? 
主を奪うって意味だけど。実際手に入れられるのは主じゃないけどな」
「いいね。素晴らしいよ。これはゲンドールの世界でも流行るだろう。いや、流行らせてこようか。
ディオ、エークシ。お願いしようかな」
『はっ』
「これは予想以上だったね。何か追加でお礼をしようと思うけど、何がいい?」
「そうだな、それじゃ加工技術を教えてくれないか? 俺もロブロードを行いたいが、あんな
風に数値化できたりしないし」
「君はレピュトの手甲があるから、あれで製作すれば可能だろう。あの手甲は非常に高性能。戦い以外に
多くの事ができる。やり方は教えるね。
技術だけだと褒美としては足りない。加工用の貴金属と宝石を提供しよう。後で町に送っておくから
開封してみてくれ。面白いものもつけておくからね」
「そうか……神様からの賜りものって恐れ多いんだけど……他にもまだ面白い遊びは
地球に溢れてたんだけど。あまり教えるとブネが怖いからやめておこう」
「今はこれだけで十分だよ。色々同時に新しい事を進めても、一つどころに落ち着くものさ。
君のモンスターアクリル板とやらも、この遊びの対象に出来そうなんだけどね。
使役できるモンスターをロブロードで奪い合う……なんてのも面白そうだし、そのアクリル板をはじいて
取り合うのもいい」

 確かに……ゲーム内のミニゲームコンテンツでそういうのがあったら夢中でやりそうだ。
 この神様、案外ゲーム好きなのかもしれない。

 一通り説明を終えた俺は、地球にいた頃を少し思い返していた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

英雄召喚〜帝国貴族の異世界統一戦記〜

駄作ハル
ファンタジー
異世界の大貴族レオ=ウィルフリードとして転生した平凡サラリーマン。 しかし、待っていたのは平和な日常などではなかった。急速な領土拡大を目論む帝国の貴族としての日々は、戦いの連続であった─── そんなレオに与えられたスキル『英雄召喚』。それは現世で英雄と呼ばれる人々を呼び出す能力。『鬼の副長』土方歳三、『臥龍』所轄孔明、『空の魔王』ハンス=ウルリッヒ・ルーデル、『革命の申し子』ナポレオン・ボナパルト、『万能人』レオナルド・ダ・ヴィンチ。 前世からの知識と英雄たちの逸話にまつわる能力を使い、大切な人を守るべく争いにまみれた異世界に平和をもたらす為の戦いが幕を開ける! 完結まで毎日投稿!

『異世界ガチャでユニークスキル全部乗せ!? ポンコツ神と俺の無自覚最強スローライフ』

チャチャ
ファンタジー
> 仕事帰りにファンタジー小説を買った帰り道、不運にも事故死した38歳の男。 気がつくと、目の前には“ポンコツ”と噂される神様がいた——。 「君、うっかり死んじゃったから、異世界に転生させてあげるよ♪」 「スキル? ステータス? もちろんガチャで決めるから!」 最初はブチギレ寸前だったが、引いたスキルはなんと全部ユニーク! 本人は気づいていないが、【超幸運】の持ち主だった! 「冒険? 魔王? いや、俺は村でのんびり暮らしたいんだけど……」 そんな願いとは裏腹に、次々とトラブルに巻き込まれ、無自覚に“最強伝説”を打ち立てていく! 神様のミスで始まった異世界生活。目指すはスローライフ、されど周囲は大騒ぎ! ◆ガチャ転生×最強×スローライフ! 無自覚チートな元おっさんが、今日も異世界でのんびり無双中!

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜

平明神
ファンタジー
 ユーゴ・タカトー。  それは、女神の「推し」になった男。  見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。  彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。  彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。  その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!  女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!  さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?  英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───  なんでもありの異世界アベンジャーズ!  女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕! ※不定期更新。最低週1回は投稿出来るように頑張ります。 ※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~

石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。 ありがとうございます 主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。 転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。 ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。 『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。 ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする 「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

処理中です...