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第四章 メルザの里帰り
第四百十六話 出発!
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翌朝早く起きた俺は、布団にしがみついて寝ているメルザを後目に、先生と二人買い物へ出かけた。
「先生もやっぱり朝は早いんですね」
「自然と体が起きてしまうんですよ。医者としてはそう長く寝ていられません。患者の命にかかわりますし」
「そうですよね……俺の知ってるお医者さんも皆、寝不足だったなぁ。珈琲はあるんですか?」
「珈琲……とは?」
「あー……ないか。そもそもあれ、種なんだよな。
うーん。ブネ辺りに今度聞いてみるか」
「眠気を覚ますような飲み物ならいくつかありますよ。お飲みになりますか?」
「いや、やめておくよ。今はそれより買い物して出発しないと。そろそろセーレが待ちくたびれて帰ってしまいそうだし」
「そうでしたか。では早速」
先生と町の市場で色々購入して治癒院に急ぎ戻る。
昨晩の間にジェネスト以外封印に戻り休んでいた。
「出発の準備は整いましたか?」
「ああ。待たせてすまない。こちらは大丈夫だが……」
「うーん、もうちょっとぉ……」
「……ふふふ。こうしてみていると、本当にディーン様のようですね」
「……ああ。心配するな。ブレディーのことなら……」
「心配などしていません。必ずお助けしますから」
「ああ、そうだな。それじゃ行くか! メルザ―ーー! ご飯だぞーー!」
「……肉ぅー。うーん……寝ながら食うー」
「おい! 行儀悪いとフェドラートさんに怒られるぞ!」
「はっ! ごめんよフェド先生! ……あれぇ?」
「やれやれだ。さぁ出発するぞ。食事はセーレの上で食べな!」
メルザを担ぎあげてセーレに乗り込む。ジェネストは封印に戻り、先生を乗せた。
「待って、待ってくださーーーい! 置いてかないで、置いてかないでぇーー!」
「あ、忘れてた。レミさんだったっけ」
「酷いですぅー! それと呼ぶときはレミって呼び捨てにしてくださーい!」
「わかったよ。それじゃいくか!」
「四人だけどメルザちゃんも先生もレミちゃんも軽いからね。僕なら楽勝だね! ルインが一番重いかも! ヒヒン!」
「俺は色々装備してるからな。なんなら戦車形態になるぞ?」
「大丈夫だよー、ヒヒン!」
治癒院から上空へ一気に飛び上がるセーレ。
この高さ、久しぶりだ。以前一度竜に乗せてもらったことがある。
それ以来地上で空を飛んでいない気がするな。
「うひょおーー! たっけぇー!」
「きゃーーー、何コレ? こんな高さまで飛び上がれるの? すごーい!」
「上空から見るバルバロッサの町……こんなに綺麗だったんですね。それだけじゃない。世界は、こんなにも……」
「さぁみんな。大空の旅の始まりだぞ! 頼むセーレ!」
「ヒヒン! 任せておいてよ。やーっと僕の出番だよね。長かった、長かったよー! 待ちくたびれたよね、いっぱい喋っていいよね? いいよねー! ヒヒン!」
「あーやっぱりやかましい。これさえなきゃな」
「ヒヒン! 酷いよルイン!」
「悪かったって。それじゃまず西へ。あの遠くに見えるドラグア山脈へ行こう」
「そこでこなす依頼もありますからね! ちょっとだけ寄り道お願いしまーす!」
「私も少しドラグア山脈で採取したいのですが、いいでしょうか?」
「もちろんだ。な? メルザ」
「ああ! 前にミリルたちが行ったとこだろ? 俺様もいってみてぇ!」
セーレは風に乗り、四人を乗せて一気に駆け抜ける。
しかし若干の定員オーバー。軽いと言いながらもちょっとだけ重そうにしている。
空へ飛び立った冒険はまだ始まったばかり。
向かうはドラグア山脈入口。
ルインたちの新たな冒険が始まろうとしていた。
「先生もやっぱり朝は早いんですね」
「自然と体が起きてしまうんですよ。医者としてはそう長く寝ていられません。患者の命にかかわりますし」
「そうですよね……俺の知ってるお医者さんも皆、寝不足だったなぁ。珈琲はあるんですか?」
「珈琲……とは?」
「あー……ないか。そもそもあれ、種なんだよな。
うーん。ブネ辺りに今度聞いてみるか」
「眠気を覚ますような飲み物ならいくつかありますよ。お飲みになりますか?」
「いや、やめておくよ。今はそれより買い物して出発しないと。そろそろセーレが待ちくたびれて帰ってしまいそうだし」
「そうでしたか。では早速」
先生と町の市場で色々購入して治癒院に急ぎ戻る。
昨晩の間にジェネスト以外封印に戻り休んでいた。
「出発の準備は整いましたか?」
「ああ。待たせてすまない。こちらは大丈夫だが……」
「うーん、もうちょっとぉ……」
「……ふふふ。こうしてみていると、本当にディーン様のようですね」
「……ああ。心配するな。ブレディーのことなら……」
「心配などしていません。必ずお助けしますから」
「ああ、そうだな。それじゃ行くか! メルザ―ーー! ご飯だぞーー!」
「……肉ぅー。うーん……寝ながら食うー」
「おい! 行儀悪いとフェドラートさんに怒られるぞ!」
「はっ! ごめんよフェド先生! ……あれぇ?」
「やれやれだ。さぁ出発するぞ。食事はセーレの上で食べな!」
メルザを担ぎあげてセーレに乗り込む。ジェネストは封印に戻り、先生を乗せた。
「待って、待ってくださーーーい! 置いてかないで、置いてかないでぇーー!」
「あ、忘れてた。レミさんだったっけ」
「酷いですぅー! それと呼ぶときはレミって呼び捨てにしてくださーい!」
「わかったよ。それじゃいくか!」
「四人だけどメルザちゃんも先生もレミちゃんも軽いからね。僕なら楽勝だね! ルインが一番重いかも! ヒヒン!」
「俺は色々装備してるからな。なんなら戦車形態になるぞ?」
「大丈夫だよー、ヒヒン!」
治癒院から上空へ一気に飛び上がるセーレ。
この高さ、久しぶりだ。以前一度竜に乗せてもらったことがある。
それ以来地上で空を飛んでいない気がするな。
「うひょおーー! たっけぇー!」
「きゃーーー、何コレ? こんな高さまで飛び上がれるの? すごーい!」
「上空から見るバルバロッサの町……こんなに綺麗だったんですね。それだけじゃない。世界は、こんなにも……」
「さぁみんな。大空の旅の始まりだぞ! 頼むセーレ!」
「ヒヒン! 任せておいてよ。やーっと僕の出番だよね。長かった、長かったよー! 待ちくたびれたよね、いっぱい喋っていいよね? いいよねー! ヒヒン!」
「あーやっぱりやかましい。これさえなきゃな」
「ヒヒン! 酷いよルイン!」
「悪かったって。それじゃまず西へ。あの遠くに見えるドラグア山脈へ行こう」
「そこでこなす依頼もありますからね! ちょっとだけ寄り道お願いしまーす!」
「私も少しドラグア山脈で採取したいのですが、いいでしょうか?」
「もちろんだ。な? メルザ」
「ああ! 前にミリルたちが行ったとこだろ? 俺様もいってみてぇ!」
セーレは風に乗り、四人を乗せて一気に駆け抜ける。
しかし若干の定員オーバー。軽いと言いながらもちょっとだけ重そうにしている。
空へ飛び立った冒険はまだ始まったばかり。
向かうはドラグア山脈入口。
ルインたちの新たな冒険が始まろうとしていた。
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