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第四章 メルザの里帰り
第四百二十六話 ルーンの町についたレェン
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ルインたちがドラグア山脈に着いた頃のルーンの町では――――。
「はぁ。爺さん、とんでもなかったわね。何なのよ一体」
「立った一人でモンスターの大群全滅よ、全滅。冗談じゃないわ。私たちの獲物だったのに」
「ただのエロ目じじいじゃなかったっしょ。一体何者」
「いやー、わし。魔王なんじゃよ。これでも」
「はいはい。それさっきも聞いたから。早く掃除してくれる?」
ほうきとちりとりを無理やり渡すファナ。現在はルーンの安息所を掃除中。
ルインがいない間、ルーンの町を任された彼女たちは、モンスターの大群襲来をうけ出撃したが、ほぼ
全てをハクレイが倒してしまった。
この爺さんがいれば大丈夫と、ライラロさんはルインたちが戻るまで出かけるわと、どこかへ行ってしまう。
残された彼女たちは退屈だった。イーファやドーグルは古代樹図書館へ向かい、ミリルやベルドも
出立。ルインたちにしがみついてでもついていけばよかったと後悔している時だった。
「おーす。いるかぁー? ……なんだしけた面してるな。おまえら」
「ルシアじゃないの。どこいってたわけ?」
「ちょいとアジトや偵察でな。それで……セフィアはどこだ? セフィアは。もう戻って来たか?」
「来てないわよ。暫くはこないでしょ。それで……その子供たちは? 見かけないけどどうやって
入って来たの?」
「ああ。道中ルインたちにあってな。こいつらはいきがかりで拾ってきたんだ。ほら、挨拶しな」
「アルンです! お世話になります」
「レェンだよ。僕たちここで暮らすの?」
アルンはキョロキョロとしており、レェンは首を傾げている。
「ちょっと、どういうことよ! ルインと会ったって。私たち我慢してるっていうのに!」
「おまえらにルインからの言伝がある」
「なになになにー-!? 愛してるって? 愛してるっていってたの!? キャーー!」
「そんなわけないっしょ。ルインがルシちゃんにそんな頼み事しない」
「何かしら。仕事の依頼……とか?」
「ファナが正解だな。この子らにロブロードの現状ルールを一から教えて、世界一にしてくれ。
褒美は俺の……なんだっけなぁ。そうだ! 俺の一番をやる! そう言ってたぜ」
「……猛特訓するわ。私が一番教え込むわ」
「はぁ? あんた何言ってんの。この子の手はもう渡しがつかんで離さないわ」
「何言ってるっしょ。手掴んでたら教えられないっしょ。これじゃ私の勝ち確ね」
三人の後ろに燃え上がる炎。派手に勘違いした三人は闘志を燃やし始めた。
「お、やる気あるようで結構だな。まずはお前ら、温泉に入って飯だな。アルン、レェンを連れて温泉
行くぞ」
「温泉? 温泉って?」
「体を綺麗にするとこだよ。お前らボロボロだからな。服はフォニーに頼んでおいてやる。
いいか、無料じゃねぇ。お前らがばっちり、ロブロードで稼いだら、このルシア様に恩返しするんだぜ」
「うん! ありがとうルシアお姉ちゃん! 僕、がんばるよ!」
「へへっ。こいつ結構可愛いとこあるぜ。なぁ、おまえら……」
「はぁ……少年っていうのもやっぱりいいわね。ニーメも可愛いけどこの子も可愛いじゃない」
「母性をくすぐるわ。小さい頃のルインもこんな感じだったのかしら。目が不自由ってところもいいわね。
守ってあげたくなるわ」
「しっかりしてるお兄ちゃんのアルンも、うちの兄貴みたいでいかすっしょ。いい兄弟ね」
三人頬に手を当てながらため息をつく。一挙手一投足がよく被る三人はまるで姉妹のようだった。
「はぁ。爺さん、とんでもなかったわね。何なのよ一体」
「立った一人でモンスターの大群全滅よ、全滅。冗談じゃないわ。私たちの獲物だったのに」
「ただのエロ目じじいじゃなかったっしょ。一体何者」
「いやー、わし。魔王なんじゃよ。これでも」
「はいはい。それさっきも聞いたから。早く掃除してくれる?」
ほうきとちりとりを無理やり渡すファナ。現在はルーンの安息所を掃除中。
ルインがいない間、ルーンの町を任された彼女たちは、モンスターの大群襲来をうけ出撃したが、ほぼ
全てをハクレイが倒してしまった。
この爺さんがいれば大丈夫と、ライラロさんはルインたちが戻るまで出かけるわと、どこかへ行ってしまう。
残された彼女たちは退屈だった。イーファやドーグルは古代樹図書館へ向かい、ミリルやベルドも
出立。ルインたちにしがみついてでもついていけばよかったと後悔している時だった。
「おーす。いるかぁー? ……なんだしけた面してるな。おまえら」
「ルシアじゃないの。どこいってたわけ?」
「ちょいとアジトや偵察でな。それで……セフィアはどこだ? セフィアは。もう戻って来たか?」
「来てないわよ。暫くはこないでしょ。それで……その子供たちは? 見かけないけどどうやって
入って来たの?」
「ああ。道中ルインたちにあってな。こいつらはいきがかりで拾ってきたんだ。ほら、挨拶しな」
「アルンです! お世話になります」
「レェンだよ。僕たちここで暮らすの?」
アルンはキョロキョロとしており、レェンは首を傾げている。
「ちょっと、どういうことよ! ルインと会ったって。私たち我慢してるっていうのに!」
「おまえらにルインからの言伝がある」
「なになになにー-!? 愛してるって? 愛してるっていってたの!? キャーー!」
「そんなわけないっしょ。ルインがルシちゃんにそんな頼み事しない」
「何かしら。仕事の依頼……とか?」
「ファナが正解だな。この子らにロブロードの現状ルールを一から教えて、世界一にしてくれ。
褒美は俺の……なんだっけなぁ。そうだ! 俺の一番をやる! そう言ってたぜ」
「……猛特訓するわ。私が一番教え込むわ」
「はぁ? あんた何言ってんの。この子の手はもう渡しがつかんで離さないわ」
「何言ってるっしょ。手掴んでたら教えられないっしょ。これじゃ私の勝ち確ね」
三人の後ろに燃え上がる炎。派手に勘違いした三人は闘志を燃やし始めた。
「お、やる気あるようで結構だな。まずはお前ら、温泉に入って飯だな。アルン、レェンを連れて温泉
行くぞ」
「温泉? 温泉って?」
「体を綺麗にするとこだよ。お前らボロボロだからな。服はフォニーに頼んでおいてやる。
いいか、無料じゃねぇ。お前らがばっちり、ロブロードで稼いだら、このルシア様に恩返しするんだぜ」
「うん! ありがとうルシアお姉ちゃん! 僕、がんばるよ!」
「へへっ。こいつ結構可愛いとこあるぜ。なぁ、おまえら……」
「はぁ……少年っていうのもやっぱりいいわね。ニーメも可愛いけどこの子も可愛いじゃない」
「母性をくすぐるわ。小さい頃のルインもこんな感じだったのかしら。目が不自由ってところもいいわね。
守ってあげたくなるわ」
「しっかりしてるお兄ちゃんのアルンも、うちの兄貴みたいでいかすっしょ。いい兄弟ね」
三人頬に手を当てながらため息をつく。一挙手一投足がよく被る三人はまるで姉妹のようだった。
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