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第四章 メルザの里帰り

第四百二十七話 ロブロードの体験~レェンが夢中になれる事 前編

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 温泉を入り終えたアルンとレェンは、ルーンの安息所で、三人娘が作る食事を堪能した。

「私のが一番おいしいわよね? わかる? 私、ファナが作ったこのサラダが美味しいわよね?」
「何いってるわけ? 男といえば肉に決まってるじゃない。サラが愛をこめて作ったこの、肉料理がおいしい
でしょ? そうよね?」
「わかってないっしょ。湯上りの後はスープが一番に決まってるっしょ。ベルディア! が作ったスープがおいしいっしょ?」
「どれもみんな美味しいよ。ありがとうお姉ちゃんたち。きっととっても綺麗な人たちなんだろうなぁ」
「あ、あら。この子見えてるのかしら。見えてるに違いないわね」
「そ、そうね。やだ私ったら。ちょっとドキドキしちゃったじゃない」
「可愛いとこあるっしょ。このこのー」
「弟がこんなにいい表情するの、初めてみました。俺、嬉しくて……」
「めそめそしないの。あんたもルインにあったんでしょ? どう思ったのかしら?」
「あの人は凄いです。あそこまで色々自信をもって言えるのって、難しいと思った。俺は……俺もあんな風に
生きてみたい。そう思いました」
「そうね。あっついものを持ってるのよ。そういう男に女は惹かれるものよ。口だけじゃなく実際に行動して
やってみせなさい。そしたらルインだってきっと、認めてくれるはずよ」
「はい! 俺とレェンで必ず。あの人の思いを成し遂げてみせます!」
「ルインは何度も何度も死線を潜り抜けたっしょ。あんたもこれで、死線潜り抜けてみな」

 ぴぃーんと一枚のおはじきをアルンに弾いて渡す。それは……「ルインさんのおはじき!?」
「ちょちょ、ちょっとベルディア? なんであんたがそんなの持ってるのよ!」
「そうよ! ずるいじゃない! いくら頼んでもエーナは作ってくれなかったわ!」
「私は変な事に使わないから作ってあげてもいいよって言ってたっしょ。信頼の違いね。いい? それは
貸すだけっしょ。大事に使いなさい」
「はい……わかりました!」
「お姉ちゃんたち。僕たちその……ロブロードのやり方とかわからないんだ。教えてくれる?」
「ええ。現状で決まっているやり方は教えてあげる。いい? 良くきいてね。まず台……これは
マジックアイテムの台よ。ルインのおはじきで試しましょうか。台の上に乗せて見なさい」
「うん。ここ……かな? お兄ちゃんどう?」
「バッチリだぞ、レェン」

 レェンが台の上におはじきを置くと……【俺の名前はルイン・ラインバウト。これでも一応妖魔だ】

「うわ! 喋った!? ルイン兄ちゃんの声だ! 凄い、凄いー!」
「うふふ。私も驚いたわ。だからエーナにしがみついて懇願したのに! もうっ!」
「はいはい先に進まないっしょ。このおはじきはアタックピースっていうっしょ。対象を射抜く武器みたいなものだと思ってね」
「ちょっと待ちなさいサラ、ベルディア。このままだと私が教えたことにならないじゃない。
いい? この台の上に置かれる枚数は全部で七枚。最初に置かれるのはお互いのアタックピースよ。
今回は私が相手。私のアタックピースを台に置くわね」

 ファナはそう言うと、一枚のアタックピースを台の上においた。
 ファナが置いたアタックピースは――――。
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