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第四章 メルザの里帰り
第四百二十八話 ロブロードの体験~レェンが夢中になれる事 中編
しおりを挟む【僕はニーメ。鍛冶師をしてるよ! よろしくね】
「わぁ。ニーメさんてどんな方なんですか?」
「私の可愛い弟よ。私がルインと結婚したから、ルインにとっては義理の弟ね。うふふ」
「何ちらっと自分だけ妻アピールしてるわけ? 次は私の番よ! いい? このゲームにはおはじきを弾く者とは別に、フォロワーっていうのが必要なんだって。つまり補助する人が必須なの。だからルインはあなたたち兄弟を選んだのね」
「そうなんですね。それで俺は何をすれば?」
「今互いに一枚ずつ置いたでしょ? それ以外に攻撃を防ぐ壁のおはじきと、様々な効果が出る補助具を
台の上に並べるのよ。互いに一枚ずつ。アタックピース以外全部で六枚おいたら試合開始よ」
「ふむふむ。つまり台の上にはお互い七枚ずつ置かれるわけですね」
「そう。そしてこのゲームの最大ポイントは……台の上から落としたら負け。
それと一度場に置いたおはじきはアタックピース以外動かせないわ。配置は肝ね」
「どんな風に配置してもいいんですか?」
「ダメよ。決まりがあるの。必ずおはじき二枚が通る余裕がないと置けないわ。そうしないと
感嘆に防げてしまうでしょ?」
「確かに……配置にも決まりがあるんですね」
「そう。それで、二つ以上の間を通して互いのアタックピースをぶつけあったり、置いた他の
おはじきに当てつつ攻撃をするのよ。これがアツイの!」
「難しそうだけど、僕に出来るかな……」
「何弱きな事言ってるっしょ。やるって決めたんでしょ? それにしっかりしてるお兄ちゃんがいるっしょ」
「レェン。俺がどんな風に配置されてるかを頑張って伝える。まずはやってみよう」
「サラ。残りのおはじきをレェンに渡してあげて」
「わかってるわよ。はい、これ。まだ試作品だけどね」
「何か色々種類がありますね。このアーティファクトっていうのは?」
「それは場に一枚しか出せないの。特殊な効果が表れるわよ。試しにそれから置いてみて」
【ラーンの捕縛網がセットされました。神話級アーティファクト効果が発動 アタックピース
がブロックピースにヒット時、対象の能力を無効化または破壊します】
「わわ、なんだか難しそうな内容だよ。神話級アーティファクト? ブロックピース?
能力を無効化って?」
「説明するわね。神話級アーティファクトは、言わばこの世界で反則的な力を秘めるアーティファクトの事よ。とても強力なの。これは場にあるだけで効果を発揮するタイプ。このアーティファクトが場に
ある以上、永続的に効果がでるわ。そして対象の能力を無効化また破壊。つまり
ラーンの捕縛網が場に出ている際、アタックピースで相手側のブロックピース……つまり
防御用のおはじきに当てると……」
「そのブロックピースの能力を無効化するか破壊できるってこと? 凄い凄い! でも
なんで破壊だけじゃないの?」
「ぶつけた相手のブロックピースがアーティファクトの場合、破壊はできないの。アーティファクト
の特徴として、破壊出来ないという能力があるわ」
「そうなんだ……アーティファクトなんて見たことないや」
「あら、アルン。あなたルインと会ったんでしょ。彼が身に着けてるもの、ほぼ全てアーティファクト
よ。反則よね……あれは」
「そうね。最近じゃ手のひらから剣が出てきたり、見えないとこから剣がでるし、なんなら
腕まではえるわね」
「ええ!? ルイン兄ちゃんてそんなとんでもない人なの?」
「最近はもっぱら人じゃなくなったっしょ。獣にもなるわ。格好いいけど」
「驚きすぎて言葉もないです。それで他のブロックピースにはどのようなものが?」
「ちょっと待ってね。一度休憩にしましょう。はいアルンも。大きく伸びをしてーー!」
「わ……ファナさんの伸びはちょっと刺激が強いです……」
「あら、お年頃ね。うふふっ」
「こいつのはただでかいだけよ。形なら断然私の方がいいわ!}
「ああん?」
「何よ!」
「はぁ。名物が始まったっしょ。私飲み物いれてくる!」
一人だけさっさと動くベルディア。いつものように口喧嘩するファナとサラ。
しかしアルンとレェンにとって、ここは凄く楽しく、明るい素敵な場所に思えたのだった。
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