87 / 133
ヨウナのお爺さんは凄い人
しおりを挟む
寝泊まりするはずのお部屋で突如茶色い蛇を出す老人。
俺たちはまさに蛇に睨まれたカエサルです!
「どれ、少しだけ試してみるとしようかの。召喚獣バトルじゃ!」
「ええっ? 召喚獣バトルって何ですか!?」
「上等ニャ! ニャトルの出番ニャ! くらうニャ! 尻尾のケンにゃ!」
茶色い蛇に向かって猫まっしぐらで突撃するニャトル。
こいつ、なかなか素早くなったけど、尻尾のリーチが短い。
そして尻尾がケンのように切れる……わけではないのだが、金属のように
はなるようです。
「ううむ。遅いのう」
「シャアアアアー」
「ミギャッ!? 捕まったニャ。シロン早く助けろニャ」
「お前、何やってるんだ? 蛇みたいな軟体生物に俺たち刃の無い
種族がどう立ち向かえと?」
「ニャ……こうなったらニャトルの牙で……全然歯が立たないニャ」
「上手い! 文字通りね!」
「言ってる場合ですか! むう。召喚バトルとやらがよくわかりませんが、俺も
加勢していいですか?」
「うむ。少し遊んであげるだけじゃぞい」
「よし……いけ、吸血だ!」
可愛い鳥のようなやつが俺から発射される。それは一直線に茶色い蛇に向かって
蛇に襲い掛かった。
「ほう……どちらも異能タイプじゃな。面白いのう」
茶色い蛇はニャトルに巻き付いて命令待ちをしているだけで、特段俺の
攻撃が効いているようにはみえない。
「よし、戻ってこい!」
十分吸い取ったやつを食べると、あまりの美味しさに思わずにんまりしてしまう。
くぅ、この味わい、やめられません!
「遊んでないで助けろニャ!」
「別に遊んでるわけじゃ……でも吸いきれない程体力がある相手のようですね……
十分魔珠が増えた俺の力、今こそみせてやりますよ! 出でよ、生乾き雑巾!」
ぽとりと布が一枚落ちます。それをワンハンドで茶色い蛇と
ニャトルのいる方面へと投げます。
蛇は舌をチロチロさせたまま命令をただただ待っていました。
老人はこちらを試すためか未だ動いてはいませんでした。
そして――――「フシャアアアアアア!」
「臭いニャガーー! 暴れだしたニャ! 緩んだニャ!」
「臭いです! 俺の鼻も曲がりそうです!」
「なんと、わしの言うことを効かなくなったじゃと? 妙な布が突如
現れおった。これは空間魔術か何かか? ううむ、面白いわい」
「おじい様、その辺で。お客人に失礼ですよ」
「ふぉっふぉ。ヨウナよ。これがわしなりのもてなしというものじゃ。
メキチカ。もう戻ってよいぞ」
「フシュウウウウウ!」
グルグルクネクネと回りもがいた後、パッと消えてなくなる茶色い蛇。
これが召喚術なのか。本当に消えましたよ、凄いですね!
「申し遅れたのう。わしは先代ジェイフの者。クラマと申す。
孫娘が面白い者たちを連れてきたと聞いてな。少し遊んでみたかったんじゃよ」
「おじい様は凄い召喚術師なんだ。歴代でも最強とうたわれた人なんだよ」
「ヨウナよ。わしの実力はジェイフ家においては確かに最強かもしれんが、世の中は
広い。もっと上が沢山おるぞ。それより、この子らの主は……お嬢ちゃんかな?」
「はい! ルビーって言います。でも私のシロンちゃんもニャトルちゃんも
勝手に動くから命令とかはしてなくて……」
「ふむ……自立型召喚獣は確かにおる。じゃが、珍しいことに変わりはない。
お主、よければわしの許で少し修業してみる気はあるかの?」
「でも、私たち依頼をこなさないといけなくて」
「聞いておるが、急ぎの要件かのう?」
「父上の依頼は急ぎなのです。おじい様」
「ならばそうじゃの……わしも同行するか。有望な召喚術師なら
尚の事早く教えてやらんといかんこともある」
「おじい様が直接お教えになるのですか?」
「ヨウナ。お前にもいいきっかけとなるじゃろう。さて、今日はもう
休みなさい。明日、入り口で待っておるよ」
なんかクラマさんがついて来てくれることになりました。
凄腕召喚術が使えるお爺さん……でもなんか、強引だったような。
お爺さんが部屋を出た後ヨナさんに聞いてみると……。
「多分、暇だったんだろうね……」
「やっぱりそうですか! 突然部屋にいるしおかしいと思ったんですよ!」
「おじい様は寂しがりやだから……ごめんね。まさかそこまで
君に興味を持つとは思わなくて。それに、父と同じくホワイトウルフ好きでね……」
「わー……私に早くも師匠ができるなんて、思わなかった!」
「よかったじゃない。あんた基礎も学べていないんでしょ?」
「うん。ずっとシロンちゃんとニャトルちゃんに任せきりだったから」
「召喚術も奥が深いよ。さぁ今日は休んで明日の出発に備えようか」
「まさか雑巾を出すとは思わなかったわね」
「ニャトルの鼻がもげると思ったニャ」
「俺の鼻ももげると思った」
『自分で出したのに!』
「はい……蛇は嗅覚が鋭いと聞いた事があったんで、つい」
「ついじゃないニャ!」
続くよ!
俺たちはまさに蛇に睨まれたカエサルです!
「どれ、少しだけ試してみるとしようかの。召喚獣バトルじゃ!」
「ええっ? 召喚獣バトルって何ですか!?」
「上等ニャ! ニャトルの出番ニャ! くらうニャ! 尻尾のケンにゃ!」
茶色い蛇に向かって猫まっしぐらで突撃するニャトル。
こいつ、なかなか素早くなったけど、尻尾のリーチが短い。
そして尻尾がケンのように切れる……わけではないのだが、金属のように
はなるようです。
「ううむ。遅いのう」
「シャアアアアー」
「ミギャッ!? 捕まったニャ。シロン早く助けろニャ」
「お前、何やってるんだ? 蛇みたいな軟体生物に俺たち刃の無い
種族がどう立ち向かえと?」
「ニャ……こうなったらニャトルの牙で……全然歯が立たないニャ」
「上手い! 文字通りね!」
「言ってる場合ですか! むう。召喚バトルとやらがよくわかりませんが、俺も
加勢していいですか?」
「うむ。少し遊んであげるだけじゃぞい」
「よし……いけ、吸血だ!」
可愛い鳥のようなやつが俺から発射される。それは一直線に茶色い蛇に向かって
蛇に襲い掛かった。
「ほう……どちらも異能タイプじゃな。面白いのう」
茶色い蛇はニャトルに巻き付いて命令待ちをしているだけで、特段俺の
攻撃が効いているようにはみえない。
「よし、戻ってこい!」
十分吸い取ったやつを食べると、あまりの美味しさに思わずにんまりしてしまう。
くぅ、この味わい、やめられません!
「遊んでないで助けろニャ!」
「別に遊んでるわけじゃ……でも吸いきれない程体力がある相手のようですね……
十分魔珠が増えた俺の力、今こそみせてやりますよ! 出でよ、生乾き雑巾!」
ぽとりと布が一枚落ちます。それをワンハンドで茶色い蛇と
ニャトルのいる方面へと投げます。
蛇は舌をチロチロさせたまま命令をただただ待っていました。
老人はこちらを試すためか未だ動いてはいませんでした。
そして――――「フシャアアアアアア!」
「臭いニャガーー! 暴れだしたニャ! 緩んだニャ!」
「臭いです! 俺の鼻も曲がりそうです!」
「なんと、わしの言うことを効かなくなったじゃと? 妙な布が突如
現れおった。これは空間魔術か何かか? ううむ、面白いわい」
「おじい様、その辺で。お客人に失礼ですよ」
「ふぉっふぉ。ヨウナよ。これがわしなりのもてなしというものじゃ。
メキチカ。もう戻ってよいぞ」
「フシュウウウウウ!」
グルグルクネクネと回りもがいた後、パッと消えてなくなる茶色い蛇。
これが召喚術なのか。本当に消えましたよ、凄いですね!
「申し遅れたのう。わしは先代ジェイフの者。クラマと申す。
孫娘が面白い者たちを連れてきたと聞いてな。少し遊んでみたかったんじゃよ」
「おじい様は凄い召喚術師なんだ。歴代でも最強とうたわれた人なんだよ」
「ヨウナよ。わしの実力はジェイフ家においては確かに最強かもしれんが、世の中は
広い。もっと上が沢山おるぞ。それより、この子らの主は……お嬢ちゃんかな?」
「はい! ルビーって言います。でも私のシロンちゃんもニャトルちゃんも
勝手に動くから命令とかはしてなくて……」
「ふむ……自立型召喚獣は確かにおる。じゃが、珍しいことに変わりはない。
お主、よければわしの許で少し修業してみる気はあるかの?」
「でも、私たち依頼をこなさないといけなくて」
「聞いておるが、急ぎの要件かのう?」
「父上の依頼は急ぎなのです。おじい様」
「ならばそうじゃの……わしも同行するか。有望な召喚術師なら
尚の事早く教えてやらんといかんこともある」
「おじい様が直接お教えになるのですか?」
「ヨウナ。お前にもいいきっかけとなるじゃろう。さて、今日はもう
休みなさい。明日、入り口で待っておるよ」
なんかクラマさんがついて来てくれることになりました。
凄腕召喚術が使えるお爺さん……でもなんか、強引だったような。
お爺さんが部屋を出た後ヨナさんに聞いてみると……。
「多分、暇だったんだろうね……」
「やっぱりそうですか! 突然部屋にいるしおかしいと思ったんですよ!」
「おじい様は寂しがりやだから……ごめんね。まさかそこまで
君に興味を持つとは思わなくて。それに、父と同じくホワイトウルフ好きでね……」
「わー……私に早くも師匠ができるなんて、思わなかった!」
「よかったじゃない。あんた基礎も学べていないんでしょ?」
「うん。ずっとシロンちゃんとニャトルちゃんに任せきりだったから」
「召喚術も奥が深いよ。さぁ今日は休んで明日の出発に備えようか」
「まさか雑巾を出すとは思わなかったわね」
「ニャトルの鼻がもげると思ったニャ」
「俺の鼻ももげると思った」
『自分で出したのに!』
「はい……蛇は嗅覚が鋭いと聞いた事があったんで、つい」
「ついじゃないニャ!」
続くよ!
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
16
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる