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学生候補は何処!?
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「あの、クロマさん。俺たち実はフィラデルフィアの辺境伯から仕事の依頼を
受けてきたんです」
「辺境伯からですか? それはまた、大変ですね。どのような依頼を?」
「毎年シローネとクローネから学生がフィラデルフィアへ行くらしいんです
けど、よからぬ集団が出入りしてるから調査をしてこいと言われて」
「ええと、よからぬ集団……」
まじまじとサルサさんと地雷フィーさんを見るクロマさん。
そうですよね。その恰好はよからぬ集団だよね! けしからん!
俺が出した服なんだけどね!
「私たちじゃないわよ。これは、ちょっと暖かいから着てるの!」
「そうですぅ。可愛いでしょ……?」
「はぁ……ええと、シローネの町の方では見かけなかったんですか? 昨日もお話
しましたけど、クローネの町の方たちは皆優しいですから」
「シローネの町は、誰一人居なかったのよね……」
「皆さんお出かけしてしまったのでしょうかぁ……?」
「いやいやそんな。町人全員でピクニックとかないでしょ!」
「ふあー。ニャトルはまだ眠いニャ……いつになったら朝が来るニャ?」
ダメ猫はまだ眠りこけているな。こいつ……まさか朝が来なければ
永遠に眠るつもりか!?
「それじゃ、シローネの町のシロマクさんに聞いてみましょう。
彼女なら何か知ってるかもしれません」
「シロマクさんって名前からしてシロでしょその人は!」
「え? ええ。シローネに住んでますけど」
通じてないだと!? こういう事件にはクロマクがいるはずなのにっ!
……からの、そっちの? という反応を期待したんだけどなぁ。
「ところで……私が気になるのは、学生がこの町から多く来てるって話の方なんだけど。
どう見ても学生っぽいの、この町にはいないわよ?」
「皆さん影ですから。影に潜り込んでいたんだと思いますよ」
「げっ……全然気付かなかった。確かにそうやって受ければ気付かないなぁ……」
「でもちゃんと、お金も払ってますからね。真面目なんですよ。クローネの方たち
はとっても」
「それ、何度も聞いたけど本当なのかしら」
確かに辺境伯からの依頼なら、何かしらの集団を見かけたという報告を聞いていても
おかしくないです。
ちょっとだけ怪しいぞ宿屋のクロマさん! 何か隠してるんじゃ!?
ここは一つ探りを入れてみましょう。
「クロマさんはこのクローネの町の全体を知ってるんですか?」
「いえ。全部は知らないですよ。良く見えませんからね」
「つまり……どこかに隠し通路とか、隠し部屋とか、隠し人質がいてもおかしくない……?」
「うーん。そんな場所があったら、クロネ族の方々が教えてくれそうですけどね」
「なぜそこまで絶対的な信頼を?」
「えっと……あれ、何ででしたっけ」
……あれ? やっぱりちょっとおかしい気がする。
もしかしてこの人……操られてたりとか、するんじゃないのか?
クロマさんの言っている事が正しくないとするなら、大体の辻褄が
合う事になってしまいます。
「あのー、サルサさんちょっと」
「もう何よ。もうちょっとで食べ終わるから待ってなさいよね」
「はぁい……」
しかし食事に毒が盛られていたりとかそう言うことは無さそう。
これまでのクロマさんの話をまとめると、クロネ族や闇の眷属がいるのが
クローネの町。
ここに移り住んでクロマさんは八年。クロネ族の方々は皆親切丁寧。
笑い方がコワイ。
争いが起これば、クロネ族が黙ってない。
最近何か聞いた気がする。
コゲクロさんは強い。
こんなところだったかな? そうだ、クロマさんに尋ねるいい質問があった。
これで判断できるかも!?
「にしても真っ暗だニャ。暗いと眠くなるニャ……」
「くくくく。そうしている間に貴様との差がどんどん開くのだ雑魚め!」
「ニャガ! やっぱりニャトルも起きてレベルを上げるニャ! 一流剣士になるニャ!」
「という夢を見るニャトルであった」
「まさかの夢落ちなの!? って何やってるのよあんたたち!」
続くよ!
受けてきたんです」
「辺境伯からですか? それはまた、大変ですね。どのような依頼を?」
「毎年シローネとクローネから学生がフィラデルフィアへ行くらしいんです
けど、よからぬ集団が出入りしてるから調査をしてこいと言われて」
「ええと、よからぬ集団……」
まじまじとサルサさんと地雷フィーさんを見るクロマさん。
そうですよね。その恰好はよからぬ集団だよね! けしからん!
俺が出した服なんだけどね!
「私たちじゃないわよ。これは、ちょっと暖かいから着てるの!」
「そうですぅ。可愛いでしょ……?」
「はぁ……ええと、シローネの町の方では見かけなかったんですか? 昨日もお話
しましたけど、クローネの町の方たちは皆優しいですから」
「シローネの町は、誰一人居なかったのよね……」
「皆さんお出かけしてしまったのでしょうかぁ……?」
「いやいやそんな。町人全員でピクニックとかないでしょ!」
「ふあー。ニャトルはまだ眠いニャ……いつになったら朝が来るニャ?」
ダメ猫はまだ眠りこけているな。こいつ……まさか朝が来なければ
永遠に眠るつもりか!?
「それじゃ、シローネの町のシロマクさんに聞いてみましょう。
彼女なら何か知ってるかもしれません」
「シロマクさんって名前からしてシロでしょその人は!」
「え? ええ。シローネに住んでますけど」
通じてないだと!? こういう事件にはクロマクがいるはずなのにっ!
……からの、そっちの? という反応を期待したんだけどなぁ。
「ところで……私が気になるのは、学生がこの町から多く来てるって話の方なんだけど。
どう見ても学生っぽいの、この町にはいないわよ?」
「皆さん影ですから。影に潜り込んでいたんだと思いますよ」
「げっ……全然気付かなかった。確かにそうやって受ければ気付かないなぁ……」
「でもちゃんと、お金も払ってますからね。真面目なんですよ。クローネの方たち
はとっても」
「それ、何度も聞いたけど本当なのかしら」
確かに辺境伯からの依頼なら、何かしらの集団を見かけたという報告を聞いていても
おかしくないです。
ちょっとだけ怪しいぞ宿屋のクロマさん! 何か隠してるんじゃ!?
ここは一つ探りを入れてみましょう。
「クロマさんはこのクローネの町の全体を知ってるんですか?」
「いえ。全部は知らないですよ。良く見えませんからね」
「つまり……どこかに隠し通路とか、隠し部屋とか、隠し人質がいてもおかしくない……?」
「うーん。そんな場所があったら、クロネ族の方々が教えてくれそうですけどね」
「なぜそこまで絶対的な信頼を?」
「えっと……あれ、何ででしたっけ」
……あれ? やっぱりちょっとおかしい気がする。
もしかしてこの人……操られてたりとか、するんじゃないのか?
クロマさんの言っている事が正しくないとするなら、大体の辻褄が
合う事になってしまいます。
「あのー、サルサさんちょっと」
「もう何よ。もうちょっとで食べ終わるから待ってなさいよね」
「はぁい……」
しかし食事に毒が盛られていたりとかそう言うことは無さそう。
これまでのクロマさんの話をまとめると、クロネ族や闇の眷属がいるのが
クローネの町。
ここに移り住んでクロマさんは八年。クロネ族の方々は皆親切丁寧。
笑い方がコワイ。
争いが起これば、クロネ族が黙ってない。
最近何か聞いた気がする。
コゲクロさんは強い。
こんなところだったかな? そうだ、クロマさんに尋ねるいい質問があった。
これで判断できるかも!?
「にしても真っ暗だニャ。暗いと眠くなるニャ……」
「くくくく。そうしている間に貴様との差がどんどん開くのだ雑魚め!」
「ニャガ! やっぱりニャトルも起きてレベルを上げるニャ! 一流剣士になるニャ!」
「という夢を見るニャトルであった」
「まさかの夢落ちなの!? って何やってるのよあんたたち!」
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