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第2話
しおりを挟むふと気づくと
誰かの話声が聞こえる・・・
「・・よ!・・・なのに!」
「・・・だ!僕ら・・・には!」
俺は助かったのか・・・?
そう思い、まぶたをあけようとするもうまく動かかない
体も違和感だらけで、動こうにもうまく動けない
麻酔のせいなのかとぼんやりと目を開くと・・・
うっすらと雨に濡れたフード姿の男女二人が目に入る
「おぎゃあ・・・」
誰?と問いかけたつもりで出た声に思わず目を張る
え・・・と思い周りを見渡すと自分の体が小さくなっている事に気付く
どうなってるんだと混乱していると無意識に泣き出してしまう
その様子に気付いた男女が自分を抱き上げ、あやすように揺さぶってくる
「いい子ね・・・。泣き止んでね・・・」
「シー・・・かわいい子だな」
その言葉にその二人が、自分の親なのか・・・?
自分は生まれ変わったのか?とだんだん冷静になる
「やっぱり無理よ!!その子を置いていくなんて!三人でどこかに逃げてひっそりと暮らしましょ!」
「無理だよ!!僕らの立場では、僕らは身を隠すことはできない!!そうだろう!?
逃げたとしてもいずれは見つかってしまう!そうなったらこの子は・・・わかるだろ・・・?」
どうやら俺は訳ありで、この二人に置いて行かれるそうだ
話している様子からすると本意ではないらしい・・・
男性に説きつけられ、俺を置いていくことに決意したのか
雨が入り混じった、涙が頬伝い、俺のオデコあたりに落ちる
「母親らしいことできなくてごめんね・・・」
女性はその涙をぬぐいながら、謝る
その姿にかつて、いつも迷惑ばかりかけてごめんね、
母親らしいこと全然できてないわと悲しく笑う床に伏せてばかりになったころのお母さんの姿が被った
そんなことないよと励ましたが、それでも悲しく微笑む姿に胸が痛んだ
泣かないでと女性の頬に手を伸ばすが、赤ん坊の腕のためリーチが短く、届くことはない
空を切った手を女性と男性が手で優しく包み込む
「あなたの成長する姿を見守ってあげたかったわ・・・」
「君ならきっと心優しい立派な男に育つだろう・・・」
「愛しているわ・・・」
「どうか幸せになってくれ・・・」
2人は俺の頬にキスを落とす
そして俺はゆりかごに戻される・・・
その時気づいたが、建物の入り口のドアの前にいることがわかる
雨にしのげる屋根の下に置き、体が冷えないようにとふかふかのタオルケットを体にかけてくれる
それだけで、俺はこの二人に愛されて生まれてきたんだと実感
せめてのお礼に笑って見せる
赤ちゃんになり笑うって初めてなので、うまく笑えたかわからないが
2人は微笑み返してくれたのできっと笑えたのだろう・・・
名残惜しみながらも離れていく二人に、本当において行かれたなあとぼんやり考え
このまま起きてもしょうがない
あの二人のことだから、この建物の中にいる誰かが俺を拾ってくれると
想定してここに置いたのだろう
赤ちゃんは寝るのが一番、さあおやすみ
赤ん坊のせいか、強烈な睡魔に襲われそのまま意識が途絶えた・・・
かと思えば、あまりの寒さに目覚めてしまう
どうやら風や雨が強くなり、屋根ではしのげないほどの雨粒が俺に襲い掛かる
てか横殴りの雨が地味にいてええ!!
はやく俺を拾ってくれ!!
そう願いながら、なけなしの声で泣声をあげてみるが
風が強くその声もかき消されてしまう・・・
これはまずいんじゃないか?
体が冷えてきたし、このまま凍死してしまうのかなあ・・・
せめてこの世界がどんなんなのか見てみたかったよ・・・
さっきの二人は外国人だったし・・・
不思議と言葉は理解できたがたぶん日本語ではない・・・
だってわずかに見える看板には英語もどきの字で書いてあるし・・・
あの二人の気遣いもここまでか・・・
ぼんやりと考えていたら目を閉じ、気を失いかけていたら
突然風や雨が止んだ・・・
おや?
止んだのかと目を開けてみるとに緑色が目に飛び込む・・・
よくよく目を凝らして見ると大きな葉っぱであることが分かった
なんかあれだな
日本の物語で歩くカエルが傘代わりにしそうな葉っぱに似ているな・・・
名前なんだっけな~
てか葉っぱは一枚だけじゃないな
全体をよく見るとあたり一面、葉っぱに囲われていた・・・
この葉っぱたちのおかげで雨にもぬれず、風にも当たらずにいられるのか・・・
まるで俺を守っているみたいだな
なんてすごい偶然なんだ
ありがたやありがたやとちょんちょんと小さい手で葉っぱに触れると
葉っぱ全体が少し揺れたように感じた・・・
まるで喜んでいるかのように・・・
このまま風雨をしのいで、誰かに拾われるといいな・・・
再び睡魔に襲われ、葉っぱに見守られながら眠りにつく・・・
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