裏切り者と呼ばれる俺は魔族と暮らしてます

村人その3

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第3話

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陽射しのまぶしさに目を覚ますと、緑色・・・!ではなく
木でできた少しボロい天井が目に入る


はて、自分が赤ちゃんになったのは夢だったのだろうかと
再度自分の体を確かめてみるも相変わらず縮んだままで夢ではなく現実であったということがわかる


ひとまず状況を確認するためにぐるっと回りを確認するとベビーベッドの柵に囲まれており
柵の向こうからいくつものベッドが並べられており、どうやら大勢の人が寝泊まりする部屋だということがわかる

もしかして、ここのは俺が置かれた置かれた場所のすぐそばの建物の中なのだろうか?
うんうんとここはどこなのか、これからどうすればいいのだろうかと思案しているとフッと俺の顔に影がかかる


何の影なのだろうかと、寝ころんだまま顔だけを上に上げてみると、
風雨が強くなった時に俺を包んでくれた時の植物が花瓶に生けられていた


拾ってくれた人が俺と一緒にこの植物も引っこ抜いて花瓶に生けたのだろうか?
それにしても大きいなあ
改めて見るこの植物は一本の茎に対して葉っぱは一つだが、その葉っぱはデカかった
いや、俺が赤ちゃんだから大きく感じるだけかもしれないな・・・


葉っぱを触ってみようと手を伸ばしてみるも、その植物はベッドより少し高めの棚の花瓶に生けられていたため、
届くことはなかった・・・
しょうがないかあと手を下ろし、あきらめた時、どこからかミシミシときしんだ音が聞こえ
何の音だときょろきょろしていたら、植物の茎が傾いて葉っぱが俺が寝ているベッドに着くくらい倒れてきた
いまだにミシミシと音が鳴っているため、音が聞こえる方に目を凝らして見ると、茎に枝が添えられていた
おそらく傾かないようにしていたのだろう・・・


しかしその役割は果たせず、ミシミシと悲鳴を上げている


なんか不思議だなこの植物・・・
俺のやりたいこととかわかっているみたいだな・・・
それとも偶然、風とかで煽られて傾いただけなのかな・・・
にしても改めてみてもでけえ・・・
日本にいた時には、こんなに大きい植物は見たことないな・・・
亜熱帯地帯とかに生育しそうな植物だな


葉っぱを触ってみると気持ちよかった
つやつやで肌触りがよく、植物にはたいていありそうなザラザラ感がなかった・・・
きれいな葉っぱだなとのんびり撫でてみる
今の俺は赤ちゃんで身動きが取れないため、ボケーッとしながら葉っぱを触り続けていた


触り続けてどんくらい時間がたったのだろうか
誰か早く来てくれねえかなあ・・・


部屋の外からかすかに声が聞こえることから、人がいるというのは分かったが
まったくこっちに来る気配がなく、少しイライラしてきた
はやく現状を把握したいという気持ちでいっぱいだった・・・


すると俺の願いが通じたのかドアを開く音が聞こえる
どこにドアがあったのだろうか?と首だけでも動かして周りを見回すと
葉っぱの上から顔がのぞきこまれた


その顔たちから20代後半の女性なのだろうか?
髪はロングでさらさらの金髪で、明らかに日本人離れした顔たちだった
美人だなあ・・・


今まで見たことのない美貌に思わず見惚れてしまう


「ああ!良かった。目を覚ましたのですね・・・」
「ぁーぅ?」


この人が俺を拾ってくれたのだろうか?
俺と目が合うとほっとしたように胸をなでおろしていた・・


「にしても、この植物・・・本当に何回も傾いてしまうわね・・・」


どうやらこの植物は何回も傾いてしまっているのだろう
女性は慣れた手つきで、すっかり折れ曲がってしまった枝を取り外し
新たな枝を添え木にして固定し直した・・・



「万が一、倒れてしまったら危ないから離そうにも、離そうとした途端植物が荒ぶるからねえ・・・」


なにそれ怖い・・
植物がブンブンと荒ぶるホラーチックな光景を想像してしまい、ぶるっと体が震えてしまう

植物が荒ぶるってそんなことあるのか?
いや、きっとこの世界はファンタジーな世界でこういうこともあるのだろう


「でも、本当に目覚めてよかった・・・。酷い風雨の中、捨てられていたんですもの・・・。私が気づいたときは体が冷え切っていて危ない状況だったわ・・・」


女性はそっと俺を抱き上げで、顔を撫でられる・・・
おおお・・・美人の顔が目の前に迫られると照れる・・・
それにその状況は恥ずかしい・・・


体は赤ちゃんだが、中身は20後半のいい大人だ・・・
女性に抱っこされるなんてこれ以上にない恥ずかしさだ!!
はやく降ろしてくれとせめての抵抗だと手足をバタバタさせるが・・・


「あらあら、目覚めたばかりなのに元気ね」


俺の意志が通じるわけではなく、女性はフフッと笑い、俺をあやそうと揺さぶられるだけである



「ちょっと、目覚めたの?」
「ああ、リイル。そうよ、さっき目覚めたみたい」
「ふうん」


いつの間にかもう一人の女性が、俺を抱きかかえている女性の背後に立っており
後ろからのぞき込んでいた・・・
その女性は、燃えるような赤髪でショートカットだ
目つきは少しきつめの感じで、俺を抱きかかえている女性と同い年ぐらいだろうか・・・


「にしてもびっくりしたわ・・・。ローラが赤ん坊を拾ってくるなんてさ・・・」
「しかたないでしょう。夜遅くに出入口の外からバサバサとうるさくて眠れなかったのよ」
「確かに昨日の夜はおかしかったわ・・・。やたらとうるさいと思ってたらさ、窓に植物が張り付いていたのよ。しかも、それだけだけじゃなく、風にあおられたのかバサバサと激しく窓に叩きつけられていたし」


子供達が怖がって私の部屋に飛び込んできたのよ、おかげで寝不足だわとブツブツと愚痴っている女性はリイルっていう人か・・・
そして俺を抱きかかている女性はローラで先ほどの会話から、俺を拾ってくれた張本人みたいだな・・



2人は修道女のような身だしなみから、ここは教会なのだろうか?
子供達って言ってたから孤児院かもな・・・







    
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