孤独な聖獣は愛しき王女の為に舞い戻る!!

京極冨蘭

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第1章 再会

5 王との謁見 -1-

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「姫の前で裸のままはどうかと思うぞ」

リラジがシーツに包まった俺を見下ろすとさすがに裸のままではまずいと感じリラジと共に着替えに向かう。

「着替えろ、ピピ、いや聖獣様か、あーっ、訳わからねーェ」

リラジから服を押し付けられたが用意された服をじっとみるが着方がよくわからない。

「この布はどうやって着るんだ」

仕方なしに白いの服を広げてみる。

「うーむ、この穴に足を入れるのか?」

「馬鹿やろう!その服は上衣だ!足をいれるんじゃない!」

「違うの?」

なぜそんなに怒るんだろうと首を傾げる。

「違うよ!ったく仕方ないな!」

ピピだから仕方ないか、世話が焼ける鳥だと文句を言いながら俺に服を着せてくれた。

「ほら、右足を上げて、この穴に足を入れるんだ」

俺は頷くと足をトラウザーズの中にいれ、右、左と履いていく。

「さぁ、次はシャツだ」

とシャツと言う布に右、左と手を入れるとリラジは器用にボタンを留めていく。 

俺の腹がぐぅ~ッと小腹が鳴る。

「ねぇ、リラジ、ポポ豆くれよ。ポケットに入ってるんだろう?」
とリラジに右ポケットの中身を催促した。

リラジはいつも右ポケットに酒の肴であるポポ豆をいれていて、カナリヤの俺におやつをくれていたのだ。味気ない餌とは違い、塩味のポポ豆がとても上手く、俺はリラジがその豆をくれるのが楽しみだった。

リラジは驚いたように俺を見ると突然笑い出し、
「おまえ、ピピなんだな」
とポケットから豆を取り出した。

「ほら、食え」

「久しぶりのポポ豆だ!」

ポケットからポポ豆が出てくるとわーいっと口に放り込む。ポリッ、カリッと久しぶりの味を堪能した。

「着れたぞ」

「なんだかピチピチしていて、暑い」

いつも人の姿の時は布を巻いているだけだったので用意された服を窮屈に感じ、リラジが留めてくれた前ボタンをすべてブチ、ブチと引き引き裂いてやった。

「こらっ!!服を破りやがって!!」
とリラジは怒り出すが、暑いだから仕方ない。リラジは仕方ないとシャツの左右の衣を腹の辺りに縛ってくれた。


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