おいでやす、きつね(九尾の狐?!)のお宿へ

京極冨蘭

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第一章

第2話 彼氏の浮気


電車が河原町駅に着くと私は急ぎ足で階段を上がり、改札を抜けるとすらりと背の高い哲也を見つける。嬉しさのあまり頬が緩む。

「哲也!!」

「沙都…」  

哲也はいつもの優しい笑顔とは違い少し、顔も青白く疲れている様子だった。

「哲也…大丈夫?なんか元気なさそうやけど…」

「あ、あ…うん…、上に上がるか…」

地下にある改札から地上に上がる。
鴨川へ向かって歩く、歩いている間も哲也は黙ったままだった。レトロな中華店の前にある四条大橋と記載の石碑前に哲也は立ち止まる。川岸には寒いにも関わらずカップルが寄り添っていた。

——私達も下に降りよう
と声を発する前に哲也が爆弾を落とす。

「沙都……突然やけど別れたい……」

「…………えっ??」

突然の哲也の言葉に頭が真っ白になる。

「同僚の白石先生が…」 

哲也から頼りない新人の教師の相談を乗っていると聞いていた先生の名前だ。

「そ、相談乗ってあげてる先生やんね……」

「妊娠したんだ…すまない…子供ができたから責任取らないと行けなくて…」

哲也の口から男だとばかり思っていた白石先生が女だと始めて知り唖然となる。

「何言ってんの??嘘やろ??」

「ごめん、本当にごめん!!」

「それって浮気やで、わかってる??」

「ごめん、本当にごめん!!」


バシンッ

私は哲也の頬を豪快に叩くと、歩いている人々が一斉に私達を見た。

「あんた、信じらへん!!最悪やわ、この最低男!!」

私は哲也に罵声を浴びせると、その場から駆け出す。溢れだす涙をぬぐいながら……

 涙で視界を滲ませながら、ようやく家に戻ると、ヒールも脱ぎ捨ててリビングにヨロヨロと向かい、2年前に亡くなった母の遺影の前に座り込んだ。

「グスッ、お、お母さん、ただいま。
 お母さん、結婚できると思ってたのに振られたわ……
 あんなクズと結婚しなくて良かったと思わなあかんよな……
 でも、でもな、うっ、うっ…お母さーん、うわぁーん」

笑顔の母の遺影が更に私の涙を誘う。


しばらく私は泣き続けると遺影の横にあった宝くじがふと目に入る。

「宝くじ……か…当たってないとはわかってるけど、一応確認しとかな、どん底に不幸な時に当たったりするんやから」

 ドスンとソファに腰掛け、私はスマホで年末ジャンボの当選結果を調べる。
 謙虚に下二ケタから調べるが、もちろん、当たってない……
 
当たってるわけないか……

まぁ、一応、一等を調べるのはお約束やろと上にスクロールすると……


「えっ??うそ、、」

私はガッツポーズをすると天を仰ぐ。神は私を見捨てなかった。










 
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